いただきものを頂戴しました。

私の大好物の食べ物です(^∇^)(←ざっくりし過ぎ)

昨日は、早朝に姉から電話がかかってきて、甥っ子の体育祭だったが、雨で順延になったから、牧歌の里に行かないか?と誘われて遊びに行ってきました(*^o^*)

ランチの割引券を使って、お値打ちにランチバイキングを楽しんで、食べ過ぎました〜(^^;;

お土産もたんまり買って、遊んで帰宅したら。

小物の整理をしてたら、姉から電話。

お世話になった叔父が亡くなったとの事で、夕べ急遽かけつけました。

今日は通夜で、明日は告別式です。

バタバタの週末だなー。


そんな中、お心遣いをしていただいて、心が温まります。

ありがとうございます。

そんなこんなで、今日一日であちこちでいただいたものが、こちら⇩

いただきもの



ごめん、自慢です。


見逃してちょ。(^_−)−☆











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私「…。」



私は自分の父親に向かって、必死になって訴えているモモ先生の事を、無味乾燥な感じで黙って見ているだけでした。


父親の発言に打ちのめされた様子のモモ先生を見て、私の父親は満足そうに言い放ちました。



父「ほな、先生、今度こそ、さいなら。」



モモ「…待って…。

待ってください…。」



父「なんなん!いったい、アンさん、なんなの!もぉ!」



モモ「…私が悪かったです。

いろいろ理屈っぽくせめてしまって、私の作戦が失敗しました。

そういうんじゃないんです、私は…。


私は、しんじゅちゃんが好きなんですっ!

だから、しんじゅちゃんが苦しんでいるのに、気づいていなくて、それで、それで!

彼女を元に戻したくて、必死になって言っていただけなんですっ!」



父「はぁ、まぁ、どうも。

うちの娘を気に入ってくれて。」



モモ「私は、しんじゅちゃんと同じ年に、この麻小学校に赴任してきました。

私も新米教師です。

そこで、彼女と出会って、私は驚きの連続でした。


普通のクラスに戻ってからのしんじゅちゃんが時々保健室にやってくるのを、いつも楽しみにしていたんです。


この子は、私によく昆虫を持ってきて、見せてくれました。


保健室の窓から、にゅっと腕が伸びて、その先の小さな手にはカナブンやトンボが捕まっていました。


びっくりして窓を開けて見下ろすと、この子が得意げに歯茎を見せて笑っているんです。


モモせんせぇ~って、少し舌っ足らずな感じで私に懐いてくれていました。


この子は今時珍しいくらい、子供らしい子供なんです。


私は来年、結婚が決まっています。

しんじゅちゃんとは、そんなに年が離れていませんが、私はしんじゅちゃんみたいな娘が欲しいってずっと思っていました。


私はしんじゅちゃんのファンなんです…。」



父「…なにも、そんな涙ぐまんでも…。

ワシもきつい言い方して、すこぉ~し、悪かったわ…。」



モモ「この子は、普通の子なんです。


お兄さんや、お姉さんに比べて、勉強があまり得意ではないとシュンとしていたり。

顔があんまり可愛くないと、お姉さんにコンプレックスを持っていたりと、ごく普通の子供なんです。


私がソフトクリームがあるよ、と声をかけると、弾けるように飛び込んできて。

かき氷のアイスクリームだと知って、がっかりしちゃうような、ごく普通の子供です。


私はこの子の、いじらしさや、素朴さ、純粋さが好きなんです。」



父「はぁ。どうも。」



モモ「それでいて、蜂と話していたときの様子。


白いレースのカーテンにふわりと囲まれるようにして、しとやかに会話をしていました。


こちらを振り返った時のしんじゅちゃんの表情。


はっとするほど、上品で、綺麗な瞳をしていて、引き込まれてしまいそうでしたわ。


まるで、物語の中の主人公のような…お姫様のような品格が漂っていました。


私はまるで異次元に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚えましたわ…。」



父「また、その話ですかいな。

信じられへんな。」



モモ「信じられないのも仕方ないかもしれません。

このようなタイミングでは、余計にそう思われてしまうとは思いましたが、どうしても彼女の事をお伝えしたくて、話してしまいました。


私は彼女の特別さや、才能なんて、どうでもいいんです。

賢さや特殊さなんて、どうでもいいんです。


本当は、私はしんじゅちゃんの子供らしいところが好きなだけなんです!


いつも、瞳をキラキラさせて、私のところへ遊びに来ていました。


それが、こんなすさんだ瞳をして…。

まるで、死んだ魚のような目をしているんです。


私は胸がはちきれそうで、我慢がなりませんでした。


スクールカウンセラーの招致もうまくいきませんでしたが、私なりに努力はしています。

しかし、やはり、保護者の方に病院へ連れて行ってもらうのが一番確実なのです。」



父「娘を気に入ってもらっているのはありがたいんですけどね、先生。

ワシの考えは変わりませんわ。」



モモ「なぜです!

なんで、これだけ言っても分かってもらえないんですっ!


この子は、私にとって、特別な子なんです。

私はしんじゅちゃんが好きなんです。


彼女が苦しんでいる姿をみたくないんですっ!」



父「そんなん、あんさんが勝手に言っとるだけの話やろ?

つきあう義理もないわ。


さ、帰るぞ、しんじゅ。」



私「…うん。」



モモ「待って!

お願い、待ってくださいっ!


私は、私は一目見た時から、しんじゅちゃんがっ!

私には、彼女が光り輝いて見えていたんですっ!


この子が教室にいるだけで、パッと明るく感じていたんです。

そう、この子が背後から近づいてきただけで、眩しく感じる。


この子は、特別なんです!

それが、今は光っていない。


お願いです、元のしんじゅちゃんに戻してあげてください。

見た目が普通だから、治療の必要なしなんて、言わずに、どうか、どうかお願いしますっ!」



モモ先生は、再び私の父親に向かって、最敬礼をしました。



父「チッ!

何度言われても、同じですわ。

ワシの意見を曲げるつもりもありまへん。


気分悪いな、妙な茶番を見せられた気分やわ。


気持ち悪い事、言わんとかったら、良かったのに…。」



モモ「そんな、そんな、お願いします。

この子の将来のためにも!

そして、今のこの子の様子を見て、どう思います?


あの利発さや、優しさを感じられません。


以前のこの子だったら、私の様子を見て、心配して、大丈夫?と声をかけてきていたはずなんです。


そんな優しさをそがれるくらい、辛い思いをしてきている証拠なんですっ!

これが、いったい、どうして、普通の状態だと言い切れるんですかっ!


おもてを元気に遊びまわっていた子供の溌剌さなんて、ミジンも感じられないじゃないですかっ!


これは、確実に抑うつ状態なんですっ!

医者にかかる必要のある状態なんですっ!


私の一個人としての感情を抜きにしても、どうか、どうぞ、この子に必要な治療を受けさせてあげてくださいっ!


お願いしますっ!」



父「お断りですわ。

この子にかける手間もヒマもこっちにはありまへん。


だいたいなんです?

アンタも教師のくせに、子供に心配されたいとか、おかしいこと言ってまっせ?

保健の先生のクセに、なにが大丈夫?なんや、まったく…。


コイツに金も時間もかける気もまったくないと最初に言ったやろ?


ゴタク並べはったけれど、こっちには動く気があらへん以上、諦めたってください。」



私「……。」



モモ「そんな…。


なぜ、そんな非情なことが言えるのですか…。

この子は黙って聞いてますが、頭のいい子です、すべて事情を分かっているんですよ?

あなたがこの子の事を、どう思っているか!


なぜなんです…。

4年の担任といい、なぜ、この子の周りの大人はこの子にこんなひどいことを言えるんです…。


どうして、しんじゅちゃんばかりがこんな目にあわなきゃならないんです。

いったい、この子が何をしたって言うんですか…。


同級生に殺されかけたんですよ?

それを、どうして、なぜ、ほっとくと言えるんですか…。


この子が何も言わないことに、なぜ違和感を覚えないんですか…。

それが、人の子の親なんですか…。」



父「はいはい、あんたも来年結婚するなら、自分で子供を産み育ててみればえぇやないですか。

ご結婚、おめでとうございます、あ、まだ婚約中か。

ワシも娘とそう年も変わらん女にやかましく言われて、気分最悪なんやわ!

さ、帰るぞ、しんじゅ。」



モモ「なんでっ!

なんで、しんじゅちゃんのまわりはこんな大人ばかりなのっ!

しんじゅちゃんをなぜ、そんな風に扱うのっ!

しんじゅちゃんを粗末に扱うのはやめてくださいっ!

それがこの子の心をどれだけ打ちのめすのかっ!

なんで、私はしんじゅちゃんを助けられないのっ!」



父「はいはい、さいなら。

ほら、しんじゅ、今度こそ、お別れの挨拶しろや。」



私「……モモせんせぇ。

まるで、用務員のおっちゃんみたいやね…。」



モモ「!

しんじゅちゃんがっ!

しんじゅちゃんが、初めて話したっ!

この抑うつ状態から、私に初めて話しかけてくれた!」



モモ先生は私の方に駆け寄って、そのまま私の両肩に自分の両手をおいて、私を見つめてきました。

モモ先生は目に涙をためて、私の顔のそばに自分の顔を寄せてしっかりとつぶやきました。



モモ「今のセリフ。

私へのメッセージなのね…。

これは、しんじゅちゃんからの、私へのサイン…。


きっと、きっと、私、しんじゅちゃんを元に戻してみせる。

かつての、元気だった、しんじゅちゃんの笑顔を必ず取り戻してみせる。


待ってて!」




父「ほな、失礼しまっせ!」




私「…さよなら。」





父親に強引に手を引っ張られて、保健室のドアを抜けて廊下へと出ました。


そのまま乱暴に父親が保健室のドアを閉めたので、モモ先生の姿を見たのはほんのわずかな間でしたが

モモ先生は目から涙を流しながら、私に微笑んで手を振っていました。



私は、保健室にいた間、終始、なんだか、心の動きが鈍くなったような感じでいましたが。


父親に乱暴に廊下を引っ張っぱられて歩いている時に、ふと、さっきのモモ先生のセリフを思い出して。



まるで恋人に言うようなセリフだな…と、かすかに思ったのでした。









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…それが、私がモモ先生と交わした、最後の会話になったのでした。









父「告白?また、何を言い出しよるんですか、先生…。」



私「?」



モモ「今、このような状況で告白するのは、適切ではないと百も承知です。

ですが、聞いてください。


お父様は、しんじゅちゃんの能力に関してご存知ですか?」



父「だから、コイツは単なるアホやと。」



モモ「全然違います。

勉強のことに関しての能力とはまったくの別物。

この子は動物や植物とも会話ができるのです。」



私「……。」



父「はい?今、なんと?

何を言い出しよった、先生?」



モモ「私は見ました。

この子が保健室に迷い込んだ大きな蜂と会話をしているのを。

以前から時々、不思議な事を話す子供だとは思っていましたが、確信しました。


この子は動物や植物と心を通わせることができるのですわ。

それだけでない、同じクラスにいる子供たちの体調や記憶、感情なども、会話することなく汲み取ることができる能力を持ち合わせています。


この子が特別な子供だという根拠はこれなんです。」



父「はい?また、何を言い出しよった。

ワシをからかいたいんか?」



モモ「いいえ、本当の事です。

自閉症の子供の家庭環境など、しんじゅちゃんが知る由もないことをスラスラと語りだすのです。

同じクラスにいたとしても、会話を成立させることなど、できないんですわ。


後で親御さんに確認をしたところ、彼女の言うとおりでした。

個人の趣味、嗜好、家族関係における微妙な感情、はては、自閉症児の感覚さえも、私たちに言語化して伝えてくれました。


この事象一つとっても、彼女は特別な脳を持った子供なのです。」



父「また脳か。

何をこだわっとるか、しらんけどな?

へんてこな話でワシをけむにまこうとしているようにしか思えへんけどな?

無駄な抵抗やわ。」



モモ「いいえ、いいえ!本当の事です。

私は障害児のクラスも受け持っています。


そんな時、彼女がなにか脳に問題があるのではないかと、特殊学級に入れられたのを見かけました。

一目見て、私は彼女の脳に障害などないと思いましたわ。」



父「なんなんですか。」



モモ「まず顔つきが違います。

小児麻痺かなにかだと思うと、担任の教師は言っていましたが、顔が違う。

モンゴル顔ではないので、一目見て違うと感じました。

私がしんじゅちゃんを障害児ではないと感じた理由は他にもありますが…。


話しかけてみると、やはり普通の子です。


時々、教師の理解を得られない言動をするという事で、一年、二年の間は何度か特殊学級を出たり入ったりを繰り返していましたが、私は断固として、普通科クラスへと彼女を戻しました。


…ちがうんです、たたずまいや、雰囲気からして、普通の子供ではありませんでしたが、健常者であると私は強く押し出しました。」



父「はぁ。

何を昔の事を蒸し返しとんですか。


つまり、しんじゅは頭が弱い子やと思われて、そういうクラスに行っとったこともあるってことでっしゃろ。

普通にもどしてくれたんは、感謝しますが、それがいったいなんなんですか。

それに、教師の理解を得られない言動をしとったなら、そりゃ、アタマの異常を疑うでしょうが。」



モモ「しんじゅちゃんの脳の検査をしました。

知能は普通、いえ、むしろ通常より高知能でした。


ただし、知覚が異なっていることは気づいていました。

太陽が日替わりで青や紫に見えたり、子供の肌を青色と感じていたようですわ。

しかし、色盲でもありませんでした。

視力にも何も問題はありません。

普通の人間の見えている世界と、しんじゅちゃんの見えている世界は異なっています。」



父「は?なんなんです、それ。

おかしないですか、それのどこが普通なんです?」



モモ「そして、教師からみて奇妙に思える言動です。

しかし、彼女が声なき声を拾える能力があるとすれば全てに納得がいきます。

彼女の語る言葉に嘘はありません。

ただ、彼女の知覚の仕方が通常の人間とは異なる、というだけですわ。」



父「太陽が青色だとか、そんなん普通やないやないですか。

それの、どこが通常やと?」



モモ「おそらく、彼女の脳内では、通常の人間とは異なる機能が働いているのですわ。

それでいて、普通の脳を持った人間の感覚も理解しようとして、フルに働いている。

サヴァン症候群が、自閉症児の中に希に現れると説明しましたとおり、彼女の脳内で、どこかの部分が欠損しており、それを補うために通常では働くことがない、ありえない領域が活性化している可能性があります。」



父「それはつまり、ポンコツ出来合いのけっきょく、出来損ないっちゅーわけやないですか。

ほんなら、やっぱり、こん子はアホやというわけやないですか。」



モモ「違います。

小児麻痺もDNAの欠損によるものだと言われていますが、それは古代の生体に近づいた結果だとも言われています。

小児麻痺の子供は、つまり退化した状態で生まれてきただけだと言えるわけです。


しかし、彼女の能力は通常の子供の能力をはるかに超えています。

未だ人間の脳の領域に関しては、解明されていない部分の方がはるかに多いのです。


しんじゅちゃんの場合、それは、脳の退化というより、進化した脳なのかもしれません。

彼女の知覚が通常と異なるというだけで、未来に適応した新たな脳の持ち主の可能性すらあるんですよ!


そんな貴重な子供の健康を考えるなら、必ず医者にかかるべきなんです!

これほどの才能を持った子供の将来を思ったら、もっと手厚い保護下に置かれるべきなんですっ!」



父「先生、ごちゃごちゃ言っとりますが、要するに、バカと天才は紙一重っていう話やと思いますわ。


さっき、言いましたやろ?

コイツがアホか天才かは、関係ない。


ワシの子である以上、ワシの好きにさせてもらいまっせ。」



モモ「そ、そんな…。」










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モモ「え…。」



父「ほな、失礼します、先生。

さ、いくぞ、しんじゅ。」



私「…うん…。」



父親に再び手を握られて、保健室のドアへと向かいました。



モモ「待ってください!

お父さん、もう少しだけ!

もう少しだけ、私の話を聞いてくださいっ!」



父親は、心底嫌そうな表情を浮かべて、モモ先生へと向き直りました。



父「はぁ。

アンタもしつこいなぁ。

いくら言っても、ウチんとこは、なんもせぇへんって、そういう話やわ。」



モモ「しんじゅちゃんは、犯罪被害者なんですよ?

それでも、ほおって置かれるんですかっ!

こんな小さな女の子が心を痛めているのに?」



父「そんなん、アンタの勝手な想像ですやん。

ウチの娘は、ほら、このとおり、ピンピンしてますやろ。

物覚えがいくらえぇっちゅうても、そんなんしばらくしたら治りますわ。

ほっといてください。」



モモ「…なぜですの?

なぜ、ご自分の娘さんを、そんな風に扱うんですの?

こんな可愛い女の子を、そんなぞんざいにできるものなんですか?

それが親のすることなんですか?」



父「はぁ?アンタみたいに、子供を産んだこともない若い娘にとやかく言われたないですわ。」



モモ「…お父様はご存知ないかと思いますが。

しんじゅちゃんは、特別な子です。

それは、この子が小学一年生の時から、私には分かっていました。

そんなこの子供をなぜ、そんな雑に扱うんです!」



父「はぁ?だから、コイツのどこが特別なんです。

どっからどうみても、貧相なガキやないですか。」



モモ「いいえ、いいえ、全然違います!

この子の目の輝き、聡明さ、素直さ、優しさ、そして賢さ。

これほどの怜悧さを持ち合わせた子供なんて、そうそういません。


さきほど、この子の成績がたいしたことがないから、天才ではない、とお父様はおっしゃってみえましたが、それは誤解です。


この子は、自分の年齢の何倍も年上の担任教師を完全に論破していました!

たった10才の女の子が、大学を出た教師を、それも40代の女性教師を論破していたんですよっ!


そんなの、大人でもなかなかできません。

底意地の悪い、気持ち悪い嫌がらせの言葉の数々を浴びせられながらも、正論で相手を打ち負かしていました。


私は職員室で見たんです。

この子は確かに天才なんですっ!」



父「はぁ?それがなんです。

その女教師の性格と頭が悪かっただけでっしゃろ。

どうせ、そんな女、顔もマズイと相場が決まってますわ。」



モモ「くっ!

それでも、自分の年齢の四倍にもなる相手に、堂々と渡り合っていたんですよ?

そして、理路整然と相手を追いこんでいる。


そんなの、まともな小学生にできることではありません。


この子の記憶力、演算能力、そして論理構成力、なぜこの子がこんなところにくすぶっているのかと悔しく感じるぐらいですわ。


この子に適した、しかるべき所へと導いてあげるのが大人の務めではないでしょうか?

私はこの子を導いてあげたい。


この子がより才能を伸ばし、成長していける場所への導き手となりたいのです。


それには、まず、以前の健全で健康な精神状態へと戻したいのですわ。

ですから、お父様、これほどの才能を持ったしんじゅちゃんの将来のために、ぜひ、病院へ。」



父「アンタもくどいなぁ!

天才天才いいますけど、ワシはコイツを天才やと感じたことないですわ!

ただのガキですわ!

しかも、女ですよ?

金かけるだけ、無駄ってもんですわ!」



モモ「くっ!

なぜですっ!

この子のお兄様は天才もありうると、認められたのに、なぜ、妹であるしんじゅちゃんはそこまで否定されるのです。

兄妹ならば、同じ資質を備えていると考えてもいいではありませんかっ!」



父「はぁ?だから、コイツはアホです。

普段からなんも、賢い事、言うとらんですよ?

なぁ、しんじゅ、お前は普通の子やな?」



私「うん。」



モモ「ダメです!

親の言うことは絶対なんです、子供は逆らえません。

そして、この子は相手に合わせて、態度を使い分けています。


父親であるあなたに分かりやすい話し方を心得て接しているだけです。

しんじゅちゃんの言葉を聞いて賢く感じないのは、それは親であるあなたに合わせているからですわ!」



父「はぁ?

ほな、ワシがアホやから、しんじゅが賢く思えんと言うんかね!

アンタ失礼やないかっ!」



モモ「くっ…。すみません、でも、本当なんです。

しんじゅちゃんの本来は、上品でおっとりした話し方をする子どもなんです。」



父「そんなん、知らんがな。

適当な事言わんといてちょ!」



モモ「しかし、本当なんです。

子供の中にいるときは、方言を使い、自宅で自分ひとりの時にはきっとおっとりした話し方をしているハズなんです。


周りの子供から浮かないようにと、周りの状況を常に判断して、自分のキャラクターを使い分けているだけで、本当に聡明な子供なんです、この子は!」



父「買いかぶりです。

コイツはただの、八百屋の娘です。

泥にまみれて、表で遊んでばっかのアホですわ。」



モモ「…なんで、そんなにしんじゅちゃんの事を悪く言うんですか…。

この子は、全て記憶すると言ったじゃないですか…。


アナタが何気なく言っているセリフの一つ一つ、全て聞いて覚えているんですよ?

そして、それをどれひとつ、忘れられないんですよ?


それが、この感受性の鋭い子の心を、どれだけ傷つけて胸を痛めていると思っているんですか…。

冗談でもやめてくださいよ…。」



父「はぁ?なんで、アンタ、他人の子のことについて、親に口出ししとんのや…。

アンタ、関係ないやろが。」



モモ「親だって言うなら、子供の心を心配して医者に連れてってくださいよ…。

どこが親らしいんですか…。」



父「はぁ?何を言うとるん?

アンタ教師やろ?

何を保護者に口出ししとるんや?

これだから、若い女っちゅうのは、感情的でいやなんやわ。

女なんて、素直にハイハイ黙って男の言うことを聞いとればえぇやろ。

かわいげもないし、男に向かって、ごちゃごちゃぬかして理屈っぽくて、かなわん。

余計にうっとぉしいわ!」



モモ「私が女だとか、若いとか、かわいげとか、今、関係ないでしょ。

なんで、子供を大事にしないかって話じゃないですか…。


なんでですか、自分の子供が大事じゃないんですか…。」



父「大事やから、こないして、学校まで話聞きにきたったんですわ。

感謝してくださいよ、先生。

ほな、サイナラ。

ほら、しんじゅも先生に挨拶せぇ。

そないせんと、この先生頭悪いさかい、諦めてくれへんからな。」


私は無気力に先生に片手を振った。



私「モモ先生、ばいばい。」



モモ「…待ってください。

もう一つ、お話があります!

告白させてください!」








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私の父親は、保健室のドアに手をかけたところで、モモ先生の出した大声に反応して、振り返りました。


私も、つい、モモ先生の方を見てしまいました。



私「?」



父「なに?サバ?

アンタ、ウチの娘を今度は魚呼ばわりか?」



モモ「いいえ、青魚の鯖ではありませんわ。

サヴァン症候群、フランス語で、『白痴の賢人』という意味です。」



父「は?ハクチ?アンタ、今、ウチの娘のことを、白痴言いました?

ワシがコイツのことをバカにした言い方しとるのは、親だからですわ。

そこまでの事は、よぉ言いません。

いくらなんでも、先生だろうと、なんだろうと、人の事を悪く言い過ぎでっせ!」



モモ「いえ、しんじゅちゃんが、白痴だと言いたいわけではないんです。

ただ、直訳すると、そういう言葉になる、という意味で、むしろ後半の賢人という意味あいが強いです。」



父「なんですの?

サバ、なんとかが、いったい、ウチの娘となんの関係があるっちゅーんですか?」



モモ「サヴァン症候群。

私も文献でしか知識がありませんでしたから、実物を目にするのは、初めてです。

この症状はまだ、医学的に解明されておりません。

また、症例も様々で誰ひとりとして同じ症状がでるとは限りませんわ。」



父「はぁ、だから、なんですの?それは。」



モモ「これは、自閉症児などの中に、希に存在する症状の一つです。」



父「は!

今度は自閉症児ですか!

アンタ、どうしても、ウチの娘をバカにしたいようですな!

そんな人と、話を続けるつもりありまへんわ!

ほな、さいなら!」



モモ「待ってくださいっ!

もうちょっとだけ、お話に付き合ってください!

本当のことなんです、しんじゅちゃんは、自閉症ではありませんわっ!

それは、私も分かっております!」



父「アンさん、この子をちぃさい時から、よぉ知っとると言いましたな。

コイツが小1、小2の時、精神薄弱でそんなクラスに入っとったのを知って、言いがかりつけとるんでしょう。

いくら、コイツがアホやと言うたかて、ワシも人の子の親です。

怒りますよ?」



モモ「いいえ、いいえ!

しんじゅちゃんが、自閉症児だとか、精神薄弱だとかは、まったくのいいがかり。

勘違いや、間違いも甚だしいですわ!


この子が特殊支援学級にいたのを見つけて、普通科クラスに戻したのは私です。

彼女がそんな精神疾患などを患わっているわけではないと、誰よりも分かっております!」



父「でも、アンさん、さっきから、白痴とか、自閉症やとかいいたくりですやん。

ウチの娘が異常やと言いたいんやと、こっちは思いますわ。

何が言いたいんですか、アンタ。」



モモ「すみません、紛らわしい言い方をしてしまって…。

違います、しんじゅちゃんの知能が低いとか、そういう話ではないんです。


むしろ逆なんです、お宅のお嬢さんは、飛び抜けて聡明な子供です。

なぜ、父親のあなたが、自分の子供を悪く言うのか、そちらの方が私には驚きなのです…。」



父「で、何が言いたいんです。

全然意味がつかめまへんが。」



モモ「すみません、とにかく少しだけ説明させてください。


サヴァンというのは、サヴァン症候群の事で、今だ学術研究が進められているところなのです。

一般には自閉症を患わっている患者の中に、希に存在する者の事です。」



父「つまり、やっぱりウチの娘は頭が異常やと言いたいワケですか?

失礼ですやろ。」



モモ「いいえ、違います。

誤解なんです、しんじゅちゃんの知能にはなんの問題もありません。

むしろ知能は高いぐらいです、それはお父様もご存知ですよね?」



父「いや?コイツはウチのガキの中で一番出来が悪いですわ。

アホでしょう。」



モモ「…いえ、他のご兄弟のことは、よく存じ上げませんが。

とにかく、このしんじゅちゃんには、驚異的な記憶力、というものが備わっています。」



父「記憶力?そりゃ、確かに、こん子はもの覚えがいいですが、そんなん、ちょっと利発なだけでしょう?」



モモ「いえ、それはちょっと物覚えがいいというレベルではありません。

常人の記憶力とは一線を画しています。


天才的な記憶力の持ち主なんですわ。

そして、高度な演算能力もあります。

まだ、九九も習っていないうちから、何日前の何枚まえの、誰が何を触って、中身がどんなものか、を記憶して、つい、昨日のことのように、何ヶ月も前のできごとをスラスラと語りだします。」



父「は?なに?

それは、先生、ウチの娘が天才やと言いたいんですかい?」



モモ「えぇ、しんじゅちゃんの記憶力は天才的です。

今までの私たちとのやりとり、それも全て記憶していると思われます。」



父「そりゃ、今、聞いてんですから、だいたい覚えているでしょうが。」



モモ「いえ、それは、内容をだいたい覚えている、というレベルではありません。

おそらく、一週間、一ヶ月、一年経過しても、詳細まで覚えているはずです。

それは、私たちの会話を一言一句たがわずに再生できるほどのレベルです。

それは、天才にしかできません。

この子は生まれつき、驚異的な記憶力を持って生まれた、特別な子供です。」



父「は?なに、そんじゃ、先生はこの子を天才やと言いたいんですか?

この子のどこが?

上の子なら、話がわかります。


ウチの長男は、教師に目をひんむかれるぐらい、知能指数が高いと言われましたわ。

長い教師人生で、これほど知能の高い子供を受け持ったことは、初めてだと。


それに比べて、こん子は貧弱で、貧相で、勉強もパッとしません。

学校でなんかをやるとか、そういう目立つこともありまへん。


おかしいやないですか、先生のいうてることがほんまなら、なんでこん子は誰にも注目されてへんのですか?

平凡な成績しかとれてへんのに、何を根拠にこん子が天才やと言わはるんですか?」



モモ「サヴァン症候群の特質に驚異的な記憶力というのがあります。

私がしんじゅちゃんを天才だと説明したのは、その記憶力からです。


天才であると言っても、全てにおいて優れているわけではありませんわ。

他の普通の子供と同じく、得手不得手はあります。

そのバランスによっては、勉強がかならずしもできるとは、限りません。」



父「ほな、結局、普通の子と一緒ですやん。

それの、どこが天才なんです?」



モモ「この子は、常人離れした記憶力の持ち主なのです。

それが、生活圏内にいた、身近な存在に命を狙われた。

それだけでなく、長期間に渡って、非常に劣悪な精神状態に置かれていた。


つまり、自分の身に起きたできごとを、忘れるということができないのですわ…。

それは、心の奥深くに、精神的苦痛が沈殿し続けるようなもの。


一晩寝れば忘れる、という性質とは真逆の脳を持った子供なんです。


今、見た目が平常だから、精神的にも平常だろうと思ったら大間違い。

何年も何年も、記憶が残り続け、それが精神を苛む可能性があるのです。


ですから、私はこの子にきちんとした精神科医の治療を受けさせて欲しいとお願いしているのです。

どうぞ、お父様、しんじゅちゃんを大学病院まで連れて行って、カウンセリングなどを受けさせてあげて欲しいのです。」



父「いりまへんわ。

コイツがアホか、天才かは関係ありまへん。


コイツは、ワシの子です。

ワシがどう扱おうがワシの自由です。


治療は必要なしと親のワシが思ったら、そのとおり従うのが子供ですわ。

せやから、先生の言っていることは、単なるお節介。

迷惑なんですわ。」








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大人二人が険悪な雰囲気で話あっているのを、私は無気力に聞いていただけでした。

とにかく、なにか、もう、疲れ果てて、あまり頭が働かなかったのでした。



父「あんたも分からん女やなぁ!

ウチがいらん言うたら、おとなしく話を聞いとけばえぇやろ!


ワシがコイツの親なんじゃ、どう扱おうが、ワシの勝手じゃ!」



モモ「親御さんであろうとも、私も子供たちの健康を預かる教師として、これをほっておいてよし、とはとても言えませんわ!

どうか、この子の将来のためにも、一度キチンとした医師の診断を受けさせてください。」



父「はぁ?何度言わせる。

アンタみたいな、若いオナゴになにが分かるっちゅうねん!

子供もよぉ育てた事もないクセにワシに意見する、言うんかっ!

黙っとき!」



モモ「いいえ、黙ってられません。

この子が受けた仕打ちはそれはヒドイものです。

なぜ、これだけのことをされて、文句一つ学校に言わなかったのか、そちらの方が不信感を覚えます。

今からでも遅くはありません、どうか、この子を病院に連れて行ってください。」



父「アカンアカン!

アンタみたいな、若い女の言うことを、なんで、ワシがきかんといかんのや!

おかしな事、言わんといて!」



モモ「ワタクシが若輩なのは、百も承知です。

ですが、私もこの子、しんじゅちゃんを小学一年生の頃から見守ってきております。

ある意味では、お父様よりも、この子のことを存じておりますわ。


今のこの、無表情、無反応の状態をみて、かなりの心的ストレスを受けていると判断します。

危険ですわ、どうぞ、吉崎さんの申し出もありますから、一緒に受診をさせてください。

お願いします。」



父「なにをアンタ、勝手なことを言い出しよるんや!

コイツはアホやと言っとるやろ!

親のワシが言うんじゃ、間違いないんじゃ!

そんな奴に、なんで、ワシがお隣に頭下げて医者へ連れてってくれって言わんとかんの!

失礼やで!」



モモ「吉崎さんの心証では、お隣の家の女の子の心を痛めたことも、かなり気にされています。

頭を下げるとか、そういうことはお気になさらなくても、よろしいのではないでしょうか?

どうか、この子、しんじゅちゃんのために、ぜひ。」



父「何を言うとるん!

なんで、近所付き合いまで、アンタに干渉されんとかんの!

アンタ、結婚もなんもしとらんやろ!

そんな、若い女にアレコレ指図されて、ハイ、そうですか!とよぉ言えるかいな!」



モモ「…どうか、お願いです。

私の立場はともかく、この子のためです。

どうか、どうか、治療を受けさせてあげてください。」



モモ先生は立ち上がって、深くお辞儀をした。



父「はっ!

やめたって、ください。

なんで、こんなアホのために、ワシが時間を割いたと思っとんのですか。

これで、精一杯ですわ。

平行線ですわ、聞く気ありまへん。

さ、帰るぞ、しんじゅ。」



父親は私の手を引っ張って、保健室から連れ出そうとした。

私はそれを無気力にされるがまま、引きずられて出ていこうとしていました。



モモ「…待ってください!

お願いです、しんじゅちゃんのために!

私の態度が気に入らなかったのなら、謝罪します。


どうか、どうか、この子のために、病院に…。」



父親「くどいわ!

こんなアホのために、そんな手間ヒマかけれまへんわ!

くだらない話につきあってやっただけ、感謝してもらいたいですわ!


ほなら、失礼します。」



モモ「ダメです!

それでは、この子のためにならない。

放置、それは、絶対にやめてください。」



父親「アンタもしつこいなぁ。

なんなん!なんで、コイツのために、そこまで言うんや!?


親がいらん言うたら、教師はおとなしく言うこと聞いとったらえぇやんか!

おまはんたらぁの、給料はワシらが、税金払っとるからおマンマくえとるんやで!


給料が出えへんことを、何を片意地張っとる!」



モモ「そんな、私は…。

教師の意見を無視するんですか…?」



父親「アンタの話なんて、最初から聞く気ありまへんわ。

そう、言ったやろ。

人の親切を無下にしよってからに、この女、頭悪いわ…。

かなわへん、迷惑な話やわ。」



モモ「ダメです。

しんじゅちゃんのために、どうか、どうか…。


これは、教師というより、一個人としてのお願いです。

私は、ほんの小さな頃からしんじゅちゃんを見守ってきました。


彼女がこれほどの苦境に立たされているなんて、つい、最近まで気付かなかったのです。

吉崎さんが、クラスメイトに運び込まれてくるまで…。

悔やまれます。

どうか、どうか、彼女を病院に…。」



父「アンタ、何を言うとりますの?


教師としてではなく、一個人としてのお願い?

それなら、なおさら言うこと聞く必要はありまへんわ。


理由もクソもないでっしゃろ。

コイツがどないになっても、アンタのせいにはしませんよってからに、心配いりまへん。

ほな失礼します。」



モモ「違います!


一個人としてではなく、もう一つ理由があります。

治療が必要だと、私が強く言う理由。


それは、彼女がサヴァンだからなんです。


しんじゅちゃんはサヴァンなんですわ!」









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父親と一緒に保健室へと入って行きました。


いつも柔和な笑顔を浮かべているモモ先生でしたが、この日は勝手が違っていました。

険しい表情を浮かべて、白衣をひらめかせてスタスタと足早に歩いて、私たちを室内へと促し、椅子に着席させます。



モモ「今日、お呼び立てしたのは、他でもありません。

しんじゅちゃんの今後の治療方針について、お話をさせていただきたかったからです。

何度かご連絡差し上げましたが、どうしても快い返事がいただけませんでした。


今回はお父様がいらっしゃった、という事で、お忙しいなか、恐れ入りますが、心してお話を聞いていただきたく思います。」



父親はピリピリしていた。

学校が嫌いでしょうがなかったようだし、普段なら、昼寝をしている時間帯に出向かされたのだから、機嫌が悪かったのだった。



父「はいはい、ウチの娘はこうしてピンピンしとります。

治療ですか?必要なし、はい、終了。

それでは失礼しまっさ。」



モモ「ふざけないで、真剣にお話を聞いてくださいと、最初に申し上げたはずですよ?

そもそも、最初の事件から、もう二ヶ月近くたちます。


それなのに、なぜ、しんじゅちゃんの身を案じて、学校なり病院に相談なさらなかったのか…。

こちらとしても、失望が隠しきれませんわ…。」



父「なにを大げさ言うとります?

見るからに元気そうですやろ、そんな必要ありまへんわ!」



モモ「そこが問題の根深さを物語っているのです。

彼女は毎日学校に一緒に通っていた女の子に殺害目的で襲われるという体験をしています。

それは、相当な心的負荷がかかっているはずなのです。

それを大人がフォローしないで、どうするんですか?」



父「しんてきふかか、なんか、しりまへんけど、もぉ結構です。

ウチの娘は丈夫にできとりますさかい、不要ですわ。

ほな、さいなら。」



モモ「事態の深刻さが理解されていないようですね。

彼女の置かれている状況は特殊です。


いいですか?

今は元気だから、治療の必要なし、とはならないんですよ?


彼女は小さな頃から身近にいた存在に命を狙われた。

それは、常人には想像もつかないほどのストレスを受けているという事です。


親御さんがサポートしなくて、どうするんですか!」



父「すとれすだか、れたすだか、知りませんけど。

コイツはワシの娘です、ワシが必要ないっていったら、なんでもいらないんです。

ウチの教育方針に口出しせんといてください。」



モモ「教育方針の問題ではありませんわ?

彼女は犯罪被害者です。

見た目からは計り知れないほどのストレスを受け、なにかのトラウマを抱えている可能性があります。


私は治療が必要だと判断します。

吉崎さんの親御さんとも、お話させて頂いております。

そちらで、治療費も負担するおつもりだとの趣旨も聞いておりますわ。


どうぞ、ぜひ、一緒にカウンセリングなどのサポートを受けていただきたいのです。」



父「虎だか、馬だか、しりませんけどね?

ワシがいらん、言うたら、いらんでいいんです。

あんたも女なら、黙って男の言うことを聞いていればいいんです。


コイツは能天気なアホです。

そんな、悩みなんて、一晩寝れば忘れます。


な、しんじゅ。

お前、吉崎さんのこと、恨んどらん、言うとったやろ?

ほなら、治療はいらんな?」






私「うん。」




モモ「ダメです。

子供は親の言うことが絶対ですから、うんと言ったとしても、断固治療を受けさせてください。」



父「だから、あんたも分からん奴やなぁ!

学校の先生だか、なんか知らんけど、コイツは生まれつき頭が弱いんです。


そんな、悩みなんて、頭の中に残りまへんわ!

ほかっといてください!」



モモ「いいえ、ダメです。

子供の将来を思うなら、治療は早ければ早いほどいい。

少なくとも、今からでも病院にかかってください。


これは、お願いというより、命令に近いと思ってください。

この子の将来のためです、どうかお時間とお手間をかけてあげてください。」



父「アンタも分からんジンやなぁ!!

コイツはアホやと言うとるやろ!


そんなん、いらんわ!

大げさにしんといて!」



モモ「大げさでも、なんでもありません。

この子の置かれている状況はあまりにも芳しくありません。


私は吉崎さんのことを受けて、保護者からお話をうかがい、それから治療をしている医師の資料も拝見させていただきました。


それは目を覆うほどのヒドイ扱いをこの子は受け続けていたのです。


こうして、毎日学校に通うことができているのが不思議なくらいですわ!


いつ、人格が崩壊してもおかしくない。

これは、大げさでもなんでもなく、事実を述べています。


どうか、この子に治療を受けさせてあげてください。」










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テストの結果を受けて、私は担任の小森先生にこっぴどく叱られました。

解答用紙には、正解が書き込まれていて、それを消しゴムで消した跡があったからでした。



小森「お前の成績なら、こんな半分白紙回答になるはずがないだろう!

ふざけているのかっ!

理由を説明しろっ!」



私「…理由は、ありません…。」



私は小森先生に厳しく追及されたが、なにも答えませんでした。

小森先生からの信頼を失った私は、いたたまれない気持ちになっていたのでした。


そして、以前にも増して合間合間に弟の様子を見に伺うようになって、水分をほとんど摂取しなくなり、いつも体調不良を抱えるようになっていました。


自宅でも、父親に防犯的なことをあれこれ言ったが、全て却下されたし。


心細くなった私は、自分もやっぱりアイちゃんと同じ病院に連れて行って欲しいと頼んでみましたが。



父「お前は誰のおかげで大きくなれたと思っているんだっ!

吉崎さんは、ウチの上得意なんだぞっ!

お前のワガママで、相手様に迷惑かけられないだろうがっ!

ちょびっとお湯をかけられそうになったぐらいで大げさ言うなっ!」



そう言って、全身を殴られ、倉庫に何時間も閉じ込められる。

元々、暴力気質の父親でしたが、だいたい大きな暴力は3ヶ月に一回ぐらいの頻度でした。


どうも、ストレスがかかると、子供にあたる性質で、だいたいそういう時期が読めたりするものでした。



この頃は春先だったせいか、暴力が頻繁に行われて、私は倉庫で糞尿を垂れ流すみじめさを何度も味わされており、もう、精神が消耗して、飽和状態となり、あまりなにも感じなくなってきてしまっていました。


そんな時に、学校から保護者呼び出しの連絡が来たのでした。




お母さんは体調不良で行けないと言ったので、珍しく父親が学校に出向いてきました。


呼び出しをかけたのは、保健室の先生、モモ先生だったのでした。








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