私の頭に温かい液体がぽたりぽたりとかかります。

それが、私の頬を伝い、顎からするっと、落下していきます。


(もしかして、泣いているのか?


ミカエルさんは私の頭の上に自分の顎を乗せたまま、ジッとしています。

少し毒気を抜かれた私は、なんとかしばらくジッとしています。


ミカエルさんが、後ろからすっと私の額に手を伸ばして、またツンッと小突きます。

しかし、少しすると、また暴力的な衝動が沸き上がり、苦しくなってきます。


私「…よぉ、ミカエルさんよぉ、なんだかおかしくね?

  今日、やたらとヘミシンクが長いんだけど。

  いつもなら、とっくに終わっていると思うんだけど。」

ミ「あ、気づいた?

  うん、私が時間を伸ばしているんだよ。」

私「んな事できんのか!なんでだ。」

ミ「もちろん、私の趣味!

  君を抱っこする為のね

「ふざけろぉぉぉ!!」  

ミ「あはは、それだけじゃなくてね。

  君に話があるんだ。

  その為の時間延長だよ。」

私「…ハァ、ハァ、ちょっと、本気で苦しいから、マジ勘弁して。」

ミ「…君はこれから、ヘミシンクを辞めたくなると思うんだけど。

  もちろん、辞めたいならそれはそれで構わない。

  無理して続ける必要は無いよ。

  でも、なるべくなら続けて欲しいんだ。

  そして、私に会いに来て欲しい…。

  …それを言いに来た。」

私「…ハァ、ハァ。」

ミ「君は自分が弱い人間だと思っているようだけれど。

  君が自分で思うより、君はずっと強い魂を持っている。」

私「…。」

ミ「君の魂は脆弱さと強靭さを併せ持つ、ユニークな魂だ。

  …そして、美しい。」


(まずい、そうとう苦しい。


私は、もう、口をきく気力をなくして、前のめりに両手をダラリと下げてうつむいています。

ミカエルさんは私の顎を掴み、自分の胸元へと頭を起こし、右手で額を小突きます。

私はぐったりとして、もう、されるがままです。
  

ミ「君の魂はこれだけ強い光を放ちながら、自分を守る術をほとんど持たない。

  君の魂は、君が望むと望まざるとに関わらず、周りの者を魅了する。

  その光は、君がいるだけで、良いもの、悪いものに関わらず、雑多なものを引き寄せる。

  地上では生きづらかっただろう…。

  驚嘆に値するよ。

  よく今まで生き延びてきてくれた。

  尊敬する。」


(ミカエルさん、なんか、物騒な事を…。

 それにしても苦しい…


ミ「君の魂は、君自身が思うより、遥かに強く、偉大だ。」


(ハァ、ハァ、く、苦しい…。助けて。)


ミ「君はまだ、自分が何者か、何も思い出してはいない。

  私の名前の「エル」…この言葉の意味を考えて欲しい。」


(…苦しい。ミカエルさん、もうダメ…。) 


ミ「これだけは覚えていて。

  君の魂は常に光と叡智と共にある。

  …愛しているよ
。」


ミカエルさんは私の額を小突きます。

すると私の眼前で黄金の光が炸裂します。 


ドンッ


ギシィッ




次の瞬間、私はベッドに落下するかの様な衝撃と共に、ローカル1へと帰還していました。


私はすぐさま、むくりと置き上がり、ヘッドフォンを片手でもぎ取ります。

とっくにCDプレイヤーは止まっています。

私はうつぶせになり、クッションを殴打し始めます。


私「…っく、ミカエル、あいつ、私が苦しんでいるのに、時間いっぱいまで引っ張りやがって、お礼を言うべきなんだろうが…むかつく。



このまま一人で帰すと、蟻の巣の前に飴玉を置くようなものだ…のくだりまでしか覚えていません。


私「帰り際になんだかごちゃごちゃ抜かしやがったようだが…。

  私の魂が、偉大とかなんとか。

  そんな訳ねーだろ!

  <エル>の意味を考えろとか…。

  エル…、輝ける者、とかいう意味だったっけ?

  確か天使の名前の最後によくついているやつだよな。

  私が天使だったとでも言いたいのか?

  くそったれ。








                                
 





ってな感じで、フォーカス35の旅は終わりました。

この時のミカエルさんの愛は全く報われていませんねぇ。


さて、実はここの所、この話を連日書いていたおかげか、ノンヘミシンクでミカエルさんと会えるようになりました。

I/Tクラスターであるミカエルさんとのホットラインが出来たのです。


便利ですねぇ。


そこでの私の姿が、以前はフワフワの金髪にペリドットの瞳をもつ少女の姿だったのですが。

今では漆黒のロングストレートの黒髪に深緑の瞳をもつ、妙齢の女性へと変化しております。


翼はツインになっており、大きさも自分の身長ほどあります。

どうやら、これが私の過去生の姿らしいのですが、記憶が断片的にしか思い出せません。

そこで、ミカエルさんからは、「セラフィム」とか、「緑の姫君」とか呼ばれています。

どうやら、ミカエルさんとは非常に親密な関係だったらしく、私を溺愛していますね。

私は私で、彼の事を、恋人か、弟分の様に思っていて、彼のことを呼び捨てにしています。


しかも、どうやらそこはフォーカス100らしくて、そこで「彼」を紹介されています。

一緒にお茶を飲むのですが、そこでも私は「彼」の弟子だったと告げられます。


彼「サン・ピエトロの丘で会ったじゃないか。」


なんてこちらも絶世の美男子に微笑まれてしまうのですが。

覚えてないっちゅーの!

キリスト教は詳しくないんでごめんなさい、とか言っています。


二人とも、私が過去生の記憶を取り戻すのを心待ちにしている様子。

エーッ、前世とか興味ないんですけど…とは言い出しにくい雰囲気があります。


ノンヘミシンクはいいですね。

何時間でもあちらにお邪魔できます。

しかし、仕事中にもちょっかいかけてくるので、夜には行くから仕事の邪魔するな!と私に邪険に扱われています。

やっぱり、彼は宇宙人じゃないかと私は未だに思っているのですよ。

だって、そうでなきゃ、神様ですよ。あの人達。

なんで、田舎のOLに構うんですかねぇ。

意味不明です。















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絶世の美男子ミカエルさんの腕の中でブチ切れる私。

もう、止まらない。

私は上半身を捻り、ミカエルさんへ怒鳴りつけるが、ミカエルさんは涼しい顔をしています。


ミ「クス。」

私「てめぇ、ちょっと顔が超絶美形だからって、世の中の女が皆が皆、言う事を聞くと思ったら大間違いだぞッ!!」

ミ「ありがとう。君も可愛いよ?」

私「褒めてねぇっ!!ってか、お前が言うなぁっ!!

 お前みたいな極上の美形から褒められたって、嫌味としか受けとれんわっ!!

 てめぇ、天使だろ。

 どうせ博愛主義者だろっ!!

 この偽善者めがぁぁぁ!!」

ミ「クス。ホントに可愛いのに。

  どうして信じないかなぁ?」

私「うるせぇっ!!とっとと離しやがれ!!

  このドS大天使めがぁぁぁ!!」

ミ「あ、大天使って認めるんだ。」

私「やかましいっ!!アタシは神も仏も信じない!!
  
  お前ら、天使も信じない!!

  お前、どうせ、アレだろ。

  宇宙人かなんかだろ!  

  ヒューマノイド型のエイリアンだろ!
 
  異星から侵略しに来たエイリアンだろ!!

  そんで、その羽根は着脱式かなんかで、2枚から4枚までパーツ変更可なんだろ!! 

  地球を侵しに来たエイリアンめ!!
  
  アタシが地球を守る!! 

  お前らの侵略を許すもんかぁぁ!!」(←完璧錯乱しています。)

ミ「クスクス。君が、それを、私に言う? 

  君、本当にまだ、何にも思い出していないんだね。」

私「知るかぁ、ボケェェェェ!! 

  とっとと離さんかい、ワレ!!」

ミ「クスクス。私にそんな口を聞くなんて!

  そんな君も新鮮!」

私「新鮮も古いもあるかぁぁぁ!!

  離さんと、いてこますぞ、ワレ!!」

ミ「クスクス。

  そうやって、毒づきながらも、君、私の腕に爪跡ひとつ付けてないじゃないか。

  それに、私を傷つけまいと、信じてもいない神仏に祈ったりして!

  ホントに私の事愛してるんだね!可愛い


ミカエルさんに毒づきながら、私が体をジタバタさせていた加減で、彼の袖が肘までめくれ上がっていました。

しかし私は自分を拘束している彼の腕に対して、自分の手の平をぺちぺちと叩き続けていただけでした。

感情が昂ぶっても、彼を傷つけたくない一心で、爪でひっかか無いように、手の平をそらしていたからです。

そして、ジタバタしているのは上半身だけで、下半身は大人しくしていて、それは彼を蹴っ飛ばして、怪我をさせないためでした。

口では非難ごうごうでしたが、せめて体だけは傷つけまいと、自制していたのです。


私「ふざけろぉぉぉ!!

  とっとと離せと言っている!」


ミカエルさんに背を向けて、正面に向かって叫ぶ私に対して、彼は私の耳元でこう囁きます。


ミ「善処するって言ってたよね?」



ギクッドキッ!!


ミ「嘘はつかない主義だって言ってたよね?」

私「女に二言は無い!!

  悪口言ってごめんなさーい!!

  うわーん、離して!離してっ!

  怖いよ、怖いよー!もう嫌だよー!」

ミ「はははっ!素直でよろしい!

  私は君に何を言われてもいいって言ってたでしょ?

  どうして信じないかなぁ、この子は。

  もう、ドMなんだからっ。」


ミカエルさんは、また私の額をツンッと軽く小突きます。

すると、フワリと私の体が温かく、軽くなり、少し冷静さを取り戻します。


私「…うぅ、ごめんなさいぃ。」

ミ「うふふ、どういたしまして。

  もう少し頑張ってね!」


…しかし、しばらくすると、やはり私は怒り出します。

私はミカエルさんに、後ろから両手で抱っこされています。

私の胸の下にミカエルさんの両腕があります。


ぺちぺち。(←ミカエルさんの腕を叩く音)


私「ハァハァ、…離せと言っている!!この有翼人種(ゆうよくじんしゅ)!!」

ミ「またまたぁー!!大天使だって分かっているくせにぃ!」


ぐにぐに。(←ミカエルさんの腕をネコ手で押しやる音)


私「ふざけろぉぉぉ!!

  いつもはフォーカス70以上だと!!

  しかも100以上もありだと!!

  それじゃ何か?お前は神か!!」 

ミ「あ、そこ聞いてたんだ。スルーされたかと思ったよ。」

私「ハァハァ…私は神も仏も信じない。 

  お前が神だというのなら、 

  今すぐこの世の全ての暴力と貧困とレイプを無くせ!! 

  そうしたら、お前を信じてやる!!」

「…それが、君の、切なる願い…。君が…愛しい……。


ミカエルさんが自分の顎を私の頭の上に乗っけています。

心なしか、彼の声が震えていますが、その時の私は気づいていません。

ミカエルさんを殴り倒したい衝動をこらえるのに必死だからでした…。










以下続く。

次回でローカル1への旅は終わります。(多分)








 




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…高校時代の友人に強い霊感の持ち主がいました。


K「アタシは東京に行くから、もうあんたの背後のモノを祓えない。たくましく生きろ。」


卒業時にそう、言われた事がある。


K「アタシの守護霊が、あんたの守護霊から頼まれて、伝えて欲しい事がある、と言っている。

 『もっと、自分を大切に生きて欲しい。自分を責めないで。』だと。

 後、アタシの守護霊から、あんたへのアドバイスがあるから、一応聞いて。

 『お前の人生には過酷な試練が待っている。

  お前はその清らかさ故に、必ずそれにつまづくだろう。

  だが、心を正しく、強く持て。

  お前が愛する男が現れた時、お前の苦しみは解放されるだろう。』だってさ。」


卒業祝いの言葉にしては、きつすぎやしないか?と思った覚えがある。






私はユアンさんに恋をしてしまった。

それを自覚した翌日から、彼は現れない。

愛の感情を司る、陽のガイドとしては当然の対応だとは思う。

それなら、「一生君を愛している。」なんて言わないで欲しかった。

うっかり、好きになってしまったではないか。

「私の初めての人になってください。」って言ったら、顔を真っ赤にして嬉しそうに抱きしめてくれたじゃないか。

それなのにキスだけなんて、奥ゆかしすぎる。

帰って来て欲しい、私のドラゴン。

何度でも友達になるって約束したじゃない、嘘つき。

…と訳も分からずつぶやきながら、毎日泣いて暮らしている。


                                    






春めいたパステルブルーの青空の中、音もなく綿菓子のような白い雲が下から上へとスクロールしていきます。

そして美貌の天使の片腕に抱かれながら、私は途方に暮れていました。

しかし、落ち込んでいるヒマはありません。


(煩悩、煩悩退散!)


必死こいて念じてみます。


(そうだ!般若心境を唱えてみよう!


私はミカエルさんの腕の中で、両手を合わせて念じ始めます。


(まぁかぁはんにゃあはぁらぁみぃたぁじ、ぎょおしんかいくうどぉいっさいやくしゃありぃし。)


大天使の名前を持つ、美貌の天使の腕に抱かれながら、心の内で念仏を唱える。

今思えば、これほど珍妙な光景はないと思うのだが、その時の私は必死だった。

ゆえに、私を抱くミカエルさんの左腕と胸がかすかに震えている事に私は気がついてはいない。


(…ぎょおしんかいくうどぉいっさいやくしゃありぃし。

って、最初の2行しか覚えとらんわ!!

 あぁ、こんな事なら、朝のお勤め、キチンとやっときゃぁよかった。お母さん、ごめん。

 親の言う事は聞いておけば間違いがないとは、昔の人が言う事は本当やったんやなぁ。

 大体、私は神も仏も信じとらんっちゅうの!!

 こんな音の羅列に何の意味があるんじゃ!)


ハァ、ハァ、く、苦しい。息苦しくなってくる。

いっそ意識を失いたい、とも思います。


(羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が四匹、

 って、眠れるかぁぁ!!


再びミカエルさんの腕と胸が震えているのですが、私が気がつくはずもありません。

今度は両手を組み合わせます。


あぁぁぁ、神様、お助けください。 

 私はこの美しい人を傷つけずにローカル1に戻れない、という自信ならたっぷりあります。あぁぁ。)


ミ「プフッ!!」


顔を上げると、ミカエルさんが、体を小刻みに震わせながら、顔をあさっての方向へ向きつつ、右手で口を押さえていました。

私も顔が熱くなります。


全て、全て、聞いとったんかい、自分!!

そうだった!そもそもコヤツは私の思考を読み取れていたんだった!

コイツ、私の葛藤を承知しながら、それでもなお抱き続けるとは、いい根性をしている!!)


怒りがメラメラとこみ上げてきます。


(ちったぁ、自分の身を案じろ!!)


クスクスッと微笑みながら、再びミカエルさんは右手で私の額を小突きます。


私「もう、いい加減離してください。

 限界が近い。恥かしいんですから。ハァ、ハァ。」

ミ「クス。私は君に何をされても構わない、と言ったはずだよ。」


(やめろ、誘惑するな、っていうか、コイツ面白がってないか?)


私「私は、あなたを傷つけたくないんです!

  ハァハァ、しゃべるのもキツイ。

  こんな感情を抱いている事自体、恥ずかしい。

  私は、異常です。ハァハァ。

  もう、自分を抑えられそうもない。

  早く離してください。ハァハァ。」

ミ「君は異常ではない。

  君の成育歴を思えば、自分を護る為の当然の反応だ。

  自分を責める必要はない。

  君は正常だ。」

私「……。」


(ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。もう、会話する気力もうせて来た…。)


私「ハァ、ハァ、私の、気持ちは、分かっているんでしょう?

  ハァ、ハァ、もう、離して。」

ミ「苦しそうだね。
  
  自分の気持ちを口に出したらどう?

  楽になるよ。」


私は無言で頭を左右に振ります。


(嫌だ。無理だ。

 こんな、人として間違った感情を、たとえ既にばれているとしても、とても言葉にできない。

 社会人失格だ。恥ずかしい。)


ミカエルさんは私のショートボブの髪を櫛で梳くように撫でたかと思うと、そのままするリ、と頬を撫でます。


ミ「クス。強情な子だ。
  
  いつまで持つかな。


私は頭を左に振り、彼の手を振り払います。


(触るな、私の神経を逆撫でするな。

 何なら、お前のお望みどおりにしてやろうか!)


と、殺意にも似た思いが宿ります。

シューッ…

その時、私の耳に聞き慣れた音が届いてきました。


(こ、これは、この音は!!)


私「ミカエルさん、ここはフォーカス21ですよっ。(多分)

  ここなら、ここからなら、自分で帰れますから!!」

ミ「ダメだ。

  まだ、君は自分が大量の光を纏っている事に気がついていない。

  このまま帰すわけにはいかない。」

私「そんな、大丈夫ですよ私。(多分)

  ユアンさんが、何とかしてくれます!(多分)」

ミ「彼に君以上の霊能は無いと言ったはずだ。

  彼ができるのは意識体の状態の君のガードだけだ。

  肉体に戻った君を霊的にガードはできない。

  もちろん君自身も自分でプロテクトができない。

  大人しく、このまま私に抱かれていなさい。」

私「それなら、いったん戻って、再びフォーカス21へ行って、ユアンさんにガードしてもらいますから。」

ミ「それでは遅い。

  肉体に戻った瞬間に雑多なものを引き寄せ、君は2週間から1月程寝込む事になる。

  そんなに有給は無いだろう?

  君自身も必ず後悔するはずだ。」

私「…。


ガクッ…。


一瞬、意識がはっきりしたかと思ったのに、無理だと言い切られてすっかり気力がそがれてしまった私には、もはや、顔を上げる気力も無く、力なく頭を垂れさせたのでした。


(く、苦しい。もう、声を出す事もできない。)


ミ「苦しいなら、自分の気持ちを素直に言ってごらん。

  私は気にしないから。」


(嫌です。こんな自分が恥ずかしいのですから。もう嫌。)


ミ「我慢しないで。私なら気にしない。」


(こんな激情を持っているなんて、それ自体が恥ずかしい。

 私は獣です。離して。

 あなたを傷つけたくない…それだけは避けたい…。)


ミ「離さないよ。」

私「…っく。」


ミカエルさんの腕の中で、体をくねらせます。


(息が苦しい…。もう、もうダメかも。もう、限界かも。

 あぁ、でもミカエルさんを傷つけたくない…。)


いつの間にかミカエルさんは私を背後から両腕で抱え込んでいますが、それにすら私は気づいていません。


(もう、もう…もう、無理。)



…プチ♪(←堪忍袋の緒が切れた音)


(…言ったよね。確か。何をされてもいいって…。)


私「…して

  
、…離して。

  離せって言ってんだよ、

  この有翼人種(ゆうよくじんしゅ)めがぁぁ!!!
 

  一発殴らせろぉおぉおおおおぉおおおおお












以下続く。








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ミカエルさんに男を感じてしまった。


その瞬間、それまで漠然と感じていた不安が現実のものとなってしまいました。

胸の中に突然湧き上がる、激しい動物的な衝動。

私の中で荒々しい獣性が目覚めます。


(なんだ、これは!

 苦しい。こんな衝動を私は隠し持っていたのか!!)

自分自身に激しく動揺し、胸の鼓動が速まります。

(まさか、こんな願望が自分にあるなんて、…恥かしくて耐えられない。

 私は何て異常なんだ。獣め。

 どうしよう!?

 私を腕に抱くこの男を、私が抱かれるのではなく、私が支配し、屈服させたい。

 この極上のビスクドールのように美しい容貌をしたこの男をメチャクチャにしてやりたい。

 落ち着け、落ち着け自分!

 理性だ、理性を総動員だ!!

 とりあえず、このまま抱きかかえられているのは危険だ。

 特に彼が。)


私「あ、あああの、ミカエルさん、も、もう手を離してもいいんじゃないんですかね?」

ミ「まだだ。」

私「まぁ、そうおっしゃらずに。そろそろ頃合かと。」

ミ「駄目だ。」

私「いえ、あの、その、ワタクシたちの今後の良好な人間関係を構築するにあったってですね。

  ワタクシから一つご提案が。

  ここは一つ手を離しちゃあくれませんかねぇ。」

ミ「それなら大丈夫だ。まだ離せない。」

ミカエルさんは微笑みながら私の額をまたツンッと小突きます。

すると、激しかった衝動が若干和らぎます。


私「何なら、今からでも自分で帰れると思うんですが。」

ミ「駄目だと言っている。もう少しだから言う事を聞きなさい。」


(もう少しだと言うけれど、大丈夫だろうか。

 さっきので多少衝動が和らいだとはいえ、ローカル1まで残り後20分を切った所だろうか。

 17分位か。

 ギリギリ持つかどうか…。

 自力で帰れない以上、何とか気をそらせるしかない。)


私「…ミカエルさん、ガイドってなんですか?」

ミ「君達を愛し、導く者達の事だね。

  守護する人間の能力を補完するためにサポートとしてついている。

  たいてい様々な能力を持った複数のガイドがいるものだ。

  その人間の苦手分野の弱点を克服させるためにね。

  今日君を連れてきた彼なんかは特にそうだ。 

  ただし、霊能に関して言えば、君は彼より格段に優れている。

  彼は君以上の事はできない。」

私「えーっ!それじゃガイドの意味ないじゃん!

  そんな、だって、私は、霊感も特に強くない、

  ただの普通の人ですよ!」

ミ「クス…。」


私はミカエルさんの発言に動揺してしまいました。

ユアンさんの存在意義を全否定されてしまったと、驚いてしまったんですよね。

黙って私に微笑むミカエルさんのエメラルドグリーンの瞳がキラキラと輝いています。

その時の彼の意味深な瞳が強く印象に残りましたが、それが何を意味するのか、その時の私はまだ気づいていません。


ミ「彼は君の愛の感情を司るガイドだよ。

  ガイドにはそれぞれ得意分野があるんだ。

  今度から注意深く観察してみるといい。

  理解が早まるはずだ。」

私「なるほどー。愛のガイドかぁ。

すごくユアンさんらしい感じ。 

  数学の先生が、社会は不得手という所ですね。

  ふんふん、精神世界での学校の先生みたいなものか。

  ガイドに得意分野があるなんて、考えた事もなかった!

  お話聞かせてもらってよかったです。」


私はミカエルさんの話に興奮して、左の手の平を右手のゲンコツでポムッと叩いて、うんうんと頷いていました。

なるほど、言われてみれば、他の男性ガイドに比べ、ユアンさんは格段に怖くない


ミカエルさんは微笑みながら、また私の額を小突きます。

ふわり、と不可視のベールが私を包み込み、暖かな波動を感じます。

しかし、いったんおさまったかの様に思えていた衝動が、ミカエルさんの美しすぎる顔を直視してしまい、また胸がざわつき始めます。


ゴクリ。


(駄目だ、この男。

 この顔はもはや犯罪レベルだ。

 無理、無理、無理、無理。

 いや、我慢しろ、自分!)


私は自分の内側から沸き起こる衝動を抑えるために、ギュッときつく瞳を閉じます。


(見えているから駄目なんだ。見ちゃダメ。)


自然と体が震えてきます。

目を閉じていても、自分の顔を覗き込む、ミカエルさんの心配そうな気配を感じます。

それに構わず目を瞑りつづける私の首筋に、ミカエルさんの髪の毛がフワリとかかります。


ゾクゾクッ。


体がさらに震えます。


(まずい、衝動が抑えきれなくなってきた。

 せっかく視覚を遮断したのに、今度は触覚か!!)


私は震える手で、なんとか彼の髪を払いのけます。

体は震え、呼吸が荒くなるのが自分でも分かりますが、とめる事が出来ません。

彼の腕の中で、あえぎ始めます。


(もう、ダメかも。
 いや、それは人としてどうなの自分!?

 頑張れ、頑張れ!こらえるんだ。この間彼に約束したじゃないか!

 これ以上の失態は許されない。

 こんな衝動、人として恥かしすぎる!)


私「ハァハァ…。ミカエルさん、とにかく理由を聞かずに、今すぐ私を離してください。」

ミ「それはできないと言ったはずだよ。」

私「お願いします。私はあなたを傷つけたくないんです。」

ミ「大丈夫。君は私に何もしないよ。」

私「ハァ、ハァ、私が大丈夫じゃないんです。

  ハァハァ、お願いですから、ハァハァ離して。」

彼がまた、私の額を小突きます。

すると、また、若干衝動が和らぎます。

しかし、もう時間の問題なのは明らかです。


私「離して、お願い。」

ミ「私は君を離さないよ。」

私「嫌。離して。」

もう、体の震えが止まりません。

こんな状態でこんなやりとりだけでも恥ずかしいのに…。

自分の衝動を抑えるのに必死で、頭がクラクラとしてきます。


(なんとか、なんとか、いい方法を考えるんだ!)


私「…フォーカス35へ行って、そのまま帰還しなかった、なんて話は聞いたことがありませんよ。

  はっ!!(それ、即ち、昇天?!!)
  イヤー死にたくないぃぃ!

ミ「はははっ、それはないから大丈夫。」

私「それじゃ、行くのは無理でも、帰りは自分でも出来るんじゃないんですか。」

ミ「もちろん。」

私「なら、何故?」

ミ「このまま、君を自分一人で帰すのは、蟻の巣の前にあめ玉を置くようなものだ。

  ただでさえ、光が漏れているというのに。

  だから、こうして私がチューニングをしながら送っていっているんだよ。

  もう少しだから我慢しなさい。

  私なら、君に何をされても大丈夫だ。

  君を信頼しているからね。」


そう微笑みながら、美貌の天使は私の額をツンッと小突きます。

一瞬、プラチナ色の火花が飛び散り、私の衝動は和らぎます。


(これは罰なんだろうか…。)


自分で行く事が出来ないフォーカス35へ、無理に連れて来てもらった自分の浅はかさを思わず呪いたくなります。


(これでは、生殺しだ…。

 いっそ殺して…


ローカル1への旅はまだ続きます。













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ミカエルさんの腕の中で、混濁しかけていた私の意識は、清明さを取り戻します。


(え、送って行くって?ユアンさんがいるのに?)


私は妙な胸騒ぎを覚えます。

ミカエルさんは私の右手首を掴み、自分の首に引っかけさせます。

それから、ふらついてよろめいた体勢の私を、助け起こすかと思いきや、彼はいそいそと自分の体をかがめ始めます。


私「何をしている。」

ミ「ん?お姫様抱っこで送っていこうと思って。

私「断る。」

ミ「いい機会だから、これも一つのイベントとして、挑戦してみたら?」

私「結構ですから。」

ミ「えぇー!これが楽しみでわざわざ来たのにー。」

私「あなた、高次の存在でしょう?指先一つで送れるんと違うんかい。」

ミ「それじゃつまらないじゃない。楽しみにしてたのに残念。」

私「とにかく過剰なサービスは結構ですから。」


両手で彼の胸をグイッと押しのけます。


(セリフの内容が男女逆だろ。お前はホストか!

 はっ、もしやこいつ、私が倒れるのを見計らって、さっきちんたら歩いていたのか!?

 この人、ほんとに高次の存在なの?)


ミカエルさんはしょうがないなぁ、とブツブツ言ったかと思いきや、それならエィッと私をすくい上げて羽ばたきました。




…私達は春めいたパステルブルーの世界にいます。



ふわふわと綿菓子のような白い雲が、音もなく下から上へとゆっくりとスクロールして行きます。

まったくの無音、そして無風です。

生き物は私とミカエルさんだけ。

今自分が、下に向かっているのか、上にあがっているのか、はたまた逆さまであるかも分からない、奇妙な空間にいます。


私「で、なんでこの体勢なんですか?フーッ…。」

ミ「だって、それは君がお姫様抱っこを嫌がるから仕方がない。

  それにこの方が、何かと都合がいいからね。

  なんならおんぶでもいいよ?」

私「断固断る。」

ミ「あぁ、翼が邪魔だもんね。クスクス」


そう言いながら、彼は自分の右手の人差し指を、私のおでこにツンッと軽く押し当てます

私はミカエルさんの左腕の中にいて、赤ちゃん抱っこの状態です。

自分の胸の前で両腕をクロスさせ、右肩側がミカエルさんの胸板にあたる格好をしています。

ミカエルさんは屈託なくにこにこと微笑んでいます。

私は内心そわそわとして、落ち着きがありません。

その動揺を隠す為にわざと不機嫌さをアピールしているのですが、彼は気にもとめません。

そのうえこちらとしては、おんぶなどと言われた日にゃあ、自分の平坦な胸を彼の背中に押し付ける事になる…。

考えるだけでもめまいがしてきます。

やっぱり、何とか理由をつけて、彼から解放してもらおう、そう思い、面を上げます。


私「ミ…。」


私の視線の先には、さきほどのおちゃらけた様子は影も形もなく姿を消した、厳しい表情をした彼の顔がありました。

彼は私の視線をよそに、正面を見据え、どこか遠くの何かをジッと見つめている様子です。


(何かあるのか?)


私は彼の視線の先に自分の視線を走らせますが、ただただ茫洋とした青空が広がるばかりで、私には何も確認できません。


ミ「ん?」


一拍置いて、彼が今までとは一味違う、満面の笑みで私に振り向きます。

それはまるで、危機的状況にあるのをわが子に覚られまいと、わざと明るく振舞う親が見せる、よそゆきの笑顔の様でした。


私「別に…。」

ミ「いい子だ。」


彼はまた、右手の人差し指で私の額を小突きます。

彼が人差し指を私に当てると、一瞬、プラチナ色の火花がきらめき、温かな透明なベールのようなものが私の体をふわりと包みます。

彼はこれを、一定時間ごとに行っていました。

抱っこの事を、何かと都合がいい、と彼が言うのはこの為だろうと推測し、私は黙る事にしたのです。


(一体彼の瞳には何が見えているのだろう…。

 私にはそれが見えない。

 だから不平を言うのはもう少し我慢しよう。

 きっと、既に、私は彼に迷惑をかけてしまっているのだから…。)


しばらく無言の状態が続きましたが、口火を切ったのは彼の方からでした。


ミ「そういえば、最近、レトリーバルを頑張っているみたいだね。」

私「あ、そういう事も分かるんですか?」

ミ「私は君の事をいつも見ているよ。

  それにしても、彼はとても君の事が好きなんだね。

  今日も自分の守備範囲を超えて、無理をしてこんな所まで君を連れて来ている。

  君を喜ばせたいんだ。 

  ガイドだというのに、まったく君の言いなりだ。」

私「あーっ!忘れてたっ!ユアンさんは?どこっ!?」

メインガイドだというのにこの仕打ち。

すまん、ユアンさん。

私は周りをキョロキョロと見渡しますが、姿が見えません。


私「え~?さっきミカエルさんが来た時には確かにいたのに。

  もしかして、私を置いて先に帰っちゃったの!?」

ミ「ついさっきまで、側にいたよ。

  だが、今は別行動にしている。

  君が知覚できていなかっただけだ。

  今の君のレベルでは私が来た事で、彼の姿が見えなくなってしまっていたんだよ。」


言われてみれば、ミカエルさんを見た時、すぐ横にいた彼が、モヤがかかる様に視界から消えていった事を思い出します。


(さきほどフォーカス35でふらついた事も照らし合わせて考えると、彼らの光の密度が違う、という事なのだろうか…。

 例えるなら、青空の下ではお月様は見えてもお星様は見えない、という感じか?

 それにしても、メインガイドが霞んでしまうほど、光の密度が違うとは、ミカエルさんのフォーカスレベルがそれほどまでに凄まじい、という事なのだろうか…。)

ミ「クス。ロマンチックな例えだね。概ねそれで合っている。」


(今のは声に出してはいない。

 私の思考が読まれている、という事か…。)


何となくそんな気がしていたので、ため息をつきます。


私「やっぱりミカエルさん手を離して下さい。自分で帰ります。」

ミ「自力で帰れるとでも?」

私「じゃあ、ユアンさんに送ってもらいます。」

ミ「彼には別件があって、ここには来れない。」

私「どうすればいいんですか。」

ミ「自力でフォーカス35に来れるようになってから、そう言うんだね。

  君に翼ができたら、ここまで来れるだろう。」

私「…。」


彼が、また私の額をツンッと小突きます。

翼ができたら…それはヘミシンクの能力の向上を意味するのか、はたまたその言葉とおりなのだろうか?

どの道、彼は自分を解放する気は無い、と悟り、ため息をつきます。


ふと、彼の肩越しにある、純白の羽根を見つめます。

羽ばたいている気配はありません。

これでは浮いているのか、飛んでいるのか、はたまた落下しているのか全く分かりません。

細かくウェーブする金色の長髪の先端が微かにフワフワと上向きに揺れています。

彼の喉元の、つやつやとした光沢を放つ、白い服が微かに揺れて、鎖骨がチラチラと覗いています。

特に風は感じないのですが、やはり、下降しているのだろう…そう考えていたら。


なんだか、またそわそわして来ました。

チラリ、と彼の顔を見上げます。

私の人生の中でこれまで見たこともない程の、やや中性的ではあるが極上の美形です。

女の私がこんな事を言うのは妙かもしれませんが、私が男であっても、道を踏み外しかねない、いや、むしろこちらからお願いしたくなるほどの美貌の持ち主です。

顔だけ見れば、女だと言い張れば通りそうな美しさですが、体が大きいから無理だろうな…。

彼の身長は188cm位だと思います。

下からチラ見した感じでも唇から顎にかけてのラインがすばらしく美しい…。

一辺の贅肉のない顎は引き締まってスッキリとしています。

その美しい顔を支えていえる首も長くてとても美しくて。

ただ、のどぼとけがあるので、やはり男性なのだな、と気づかされます。

私は彼の胸板に右肩を押し付けられる格好をしていたのですが、その感触から、けっこうたくましい胸をしている感じがします。

なんだか胸がざわついてきて…。

視線をチラリと自分の左腕に向けます。

私の腕を包む、長くて形の良い指をした手は、やはりがっしりとしており、たくましさを感じます。

また視線を彼の喉元に向けると、横一文字に切り込みの入った白い布地が、ヒラヒラと揺れて、チラチラと鎖骨を覗かせています。

彼は長袖に、足をゆったりと包むローブを身に纏っていて、露出がほとんどありません。

しかし、それが禁欲的というか、なんか、むしろイマジネーションをそそられるっていうか…。

ってな事を考えていたら、自分の中で、妙なスイッチが入ってしまいました!


ガーン☆!どうする自分!?



以下続く。













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美貌の天使、ミカエルさんが10m程離れた所にいます。

フォーカス35の青い空間と、足元の金色の目地盤が入った大理石の床の上にたたずむその姿は、まるで一幅の宗教画の様です。


(これが、絵画だとすると、その芸術家の腕前は極上だな…。)


相変わらずの彼の美貌に内心舌を巻きつつも、そんな感想を持ちます。

圧倒的なその美貌は、普通に考えれば、近寄りがたい、高嶺の花的な壁を感じてしまいそうなものなのですが。

なぜか彼に対しては初対面の時から不思議と親近感を覚えます。

なんていうか、

たまにしか会えない、かっこいい親戚のお兄ちゃん

って感じなんですよ。

ここ、フォーカス35に現れたという事は、どうやら彼は高次の存在らしいのですが…。


(もしかして、ミカエルさんは大天使なのか?

 とても、高次の存在には思えないなぁ。

 それとも、高次の存在に対して、親近感を持つ私の方が変なのかな?)


私「あれ、ミカエルさん。なんでこんな所に?」


よく見ると、彼の体の周りに白い霧の様な、モヤが取り巻いています。

これが、宗教画に描かれている、偉人、聖人のオーラや後光のようなものか、なんて考えている自分がいます。

そういえば、彼が現れた途端に、先ほどまではあんなに感激していたこの空間が、なんか、オフィス街のアスファルトの舗装道路って位に、ごくありふれた風景のような存在に思えてくるから不思議です。


ミ「なんで?じゃないでしょ、まったく…。

  下が騒がしいと思ったら、やっぱり君達か。」


ミカエルさんは微笑みながら、腕組みをして答えます。


私「え、下?」

ミ「そう、私は普段フォーカス70から100ぐらい、またはそれ以上にいるからね。

  まぁ、ここフォーカス35まで来れば、私に必ず会えるよ。

  しかし、ここに来るのが思ったより、早すぎるな。

  彼に無理を言ったか…。

  予定では一年7ヶ月後なのに。」


やれやれ、困ったものだ、とでもいいたげに、ため息をつかれてしまいます。

それから腕組みをほどいて、ゆっくりとこちらへ歩いてきます。


私「来るのが早すぎる?来ちゃまずかった?」

ミ「いや、来る事自体は構わないよ。

  ただ、早すぎる。

  君はヘミシンクを始めて数ヶ月だろう?

  しかも、フォーカス21を経験してからわずか一月だ。

  こんなペースでここに来る人間はそうはいない。

  まぁ、初めてで来る人間もいるが、そういった存在は別格だ。」


なんだか、彼の声が遠くに聞こえます。

まるで、高山での気圧の変化で、耳がボーンと張って、音がくぐもって聞こえるような感じです。


私「え?少ないの?」

ミ「200人から300人だ。」

私「少なくないんじゃぁ。」

ミ「君はヘミシンクを始める人数が、1年でどれくらいか知っているのかい?」

私「え、知らない。」

ミ「アメリカ全土で50万人。

  全世界では200万から300万人以上とも言われている。

  君は飛びぬけているよ。」

私「へぇ。」


なんだか、頭がボーっとして来て、会話に集中できません。


ミ「しかし、君は一足飛びで来てしまった。

  それも段階を踏まずにね。」

私「それで?」

フォーカス35に来てから微かに聞こえていた鈴の音が、リィーン♪と頭の中で鳴り響きます。

「だから、意識体が、この次元の波動についていけない。」

リィーン、リィーン、リィン、リィン、リン、リン、リン、リン、リ、リ、リ、リ、リリリリリリリリリリリリリリリリリ

頭の中で、鈴の音が輪唱され、さらにその間隔が狭められ、まるで蝉時雨のように鳴り響き続けます。


(ミカエルさん、声がよく聞こえない…)


「ここの光にあてられるんだ。」


リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ……

めまいを覚えて、立っていられなくなります。


「だから、ほら。」


ドサッ。


気がつくと私は左後ろへよろめいて、いつの間にか背後に回りこんでいたミカエルさんの胸に倒れかけていました。

私の左腕をミカエルさんの左手が掴んでいます。


ミ「危なっかしいな。それでは、私が送って行こう。」


見上げると、ミカエルさんのエメラルドグリーンの瞳が笑っています。

気づけば、鈴の音は止み、ミカエルさんの声が鮮明に聞き取れていたのでした。


続く。



  








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昨日はフォーカス35へ着いたらすぐにミカエルさんが現れて…。というお話でしたが。

今日はその続きは後回しにさせていただきたく思います。


実は最近気になる夢を続けてみたのです。

ヘミシンクは聞いておりません。


その内容とは。

藍色とも、紫色ともつかぬ空には満点の星がきらめくイングリッシュガーデンに私は訪れます。

まるで、宇宙空間に浮いているかのようです。

そのガーデンには藤色や、薄紅色の大きな水晶のクラスターが垣根に配置され、その合間にはバラの生垣が植えられています。

ドーム部分と四角い3階建て部分のある外国風の屋敷に足を踏み入れると、中は不思議と近未来的なスペースになっています。

まるで宇宙ステーションのようだ、と思いながら足を踏み入れると、一つの部屋の自動扉の中から、白銀の長髪の持ち主である美貌の天使:ラファエルさんが「やぁ、よく来たね。」と現れます。


私が「こんにちは。この間はどうも。ここはどこですか?」

ラ「ここはクリスタル・ローズ・○○○○だ。」

私が「へぇ、見たまんまですねぇ。」

ラ「ここは緑の姫君の館だからね。

 ミカエルは突き当たりの奥の部屋だよ、この間の質問をするといい。」

彼は笑いながらそう言います。


(ここにはお姫様がいるんだぁ)

と私は思いながら、彼に快活にお礼を言い、ミカエルさんの部屋へと向かいますが、その心境は。

「私って、ずるいよな…。」とつぶやいています。


そして、そのつぶやきに奇妙なデジャブを一瞬感じます。


ラファエルさんの極上のベニトアイトの様な瞳を見ていると、私は遥か昔、彼の養女だったような気がしてくるのです。

そして、彼は私を一人の女性としても愛している。

それも気も遠くなるような遥か昔から、無償の愛でジッと私を見守っていてくれている。

それを私達は暗黙にしており、お互い気づかないフリをしているような気がしてくるのです。

彼の愛は真夏の日差しの様に激しいものから、秋風の涼しさに変化しており、私は大樹の陰で憩っている、そんな彼の愛に包まれていると直感します。

それでもなお、私はミカエルさんに会いたい、と思うのです。


ミカエルさんの部屋の前に行くと、まるで私が来るのが分かっていたかのように扉が開いており。

扉の縁に背中を当てて、片手でドアを押さえたまま、こちらを見て、ミカエルさんがニコニコと笑っています。

ミ「やあ、ようやく来たね。」

と私は歓迎されます。

彼の部屋はどこか不思議と見覚えのあるような気がする幾何学文字が施された、コンピュータで埋め尽くされており。

これらの機械には興味も持てないし、触らないほうがいいな、と思いながら彼に質問をします。


私「どこかの、司令室のようですね?」

ミ「ここから遠隔で色々操作が出来るしね。これがハードコアだよ」

と紺色の三角形の物体を見せてくれます。


私「そうだ!ミカエルさんは私のI/Tクラスターなんですか?」

ミ「そうだよ。君はI/Tクラスターと自分をどう思う?」

私「そうですね…。ミカエルさんは私の魂の親分ってトコですか?

 私はあなたのマトリクスの複写の複写のそのまた複写…。

 コピーとして、現実世界の末端の端末として活動しているってところですかね?」

すると、ミカエルさんは激怒します。

君は、絶望的に思い違いをしている。 

 君と私が同一の魂、という点では君は正しい。 

 だが、自分の事をそんな風に言うのはやめなさい。

 私は君を愛している。

 もし私がC1に肉体を持っていたならば、君が泣いて頼んでも、自分がどれだけ愛されているか分かるまで、君を抱き続ける。

 意識体の君を、今、この場所でもだ。

 だが、君はそれを望まない。

 それが分かっているから、私はそれをしないだけだ。

 愛は黄金だ…。

 君にもそれを知ってもらいたいんだ。」


と彼は私の左手首をつかみます。

 
私「ミカエルさん!私とあなたが同一人物ならば、それは変ですよ。」

と私がおびえると、見たことも無い様な冷たい表情と、声で、私の耳元でこう、告げます。
 
ミ「私は君の禁忌ではない。
 
  君が本当に愛している男は○○だ。(←実在の人物)

  君はその男を愛しているが、その男が君を愛せば、君は、絶望する。

  君の愛は循環しない。

  だから、他の男を愛しなさい。

  さあ、どうする。」

と言います。

私はその男性の名前を聞いて、(そんな、馬鹿な!)と驚愕しますが、私の口をついてきた言葉は。


私「私の心を丸裸にしないでください。怒らないで、お願い…。」

と顔を背け、泣き出してしまいます。

彼は私の首筋に口づけをすると、私は抗いがたい恍惚感に見舞われ、彼の言う、黄金の意味を垣間見た気がします。

 
私「こんなのは、嫌。やめて。

  あなたの事は好きだけれども、愛してはいない。

  こんな無理やりは辞めて。」


と私は懇願しますが、むしろ私が彼を求めてしまいます。


ミ「どうする?君次第だ。」


という彼の言葉に私は一瞬我を失ってしまいますが、結局。
  
私「やっぱり、無理。」

  
と泣き出してしまいます。

ミカエルさんは黙って私から体を引き離しますが。


私「ごめんなさい。私はあなたの気持ちを嬲ってしまった。

  それでも私は自分がかわいい。

  あなたを受け入れられればいいのに…。

  私は何も思い出せない、何も思い出したくない!」


と泣きじゃくってしまいます。

私「あなたに、こんな役回りをさせてごめんなさい。

  あなたの愛の深さはわかっています。

  でも、怖い…。」


と、自分を深く責めてしまいます。

しかし、泣きながらも、自分をじっと見つめる彼の愛の深さを感じ取った私は、体から光があふれ出し、ペリドットの瞳を持つ、2対の羽根を持つ天使に変身します。

私「こんな未熟な姿でごめんなさい。

  私の弱さ故にあなたを傷つける。」

と泣き続けます。

ミ「無理に思い出さなくてもいい。

  今はこの姿に戻ってくれただけで充分だ…。」


とミカエルさんは優しく私を抱きしめます。

                                   


気づくと私はベッドから跳ね起きており、彼の手の感触があまりにも生々しくて、悩ましい気分に陥ります。


こんな夢を見た二日後には、なぜか日課のヘミシンクCDを聞きたくなくて、そのままベッドに横たわります。


すると、夢の中で私のメインガイド、黒衣の騎士:ユアンさんが私を抱きしめます。

ユ「自分の正体を思い出すまでは、君は僕だけの緑の姫君でいて…。

  それまでは自分が独り占めしたいんだ。」


と愛しくてかなわない、とでも言うように私を見つめます。
 

私「ユアンさん、変な事言いますね。

  緑の姫君なんて知りませんよ。どうしたんですか?」


そんな、やりとりをしていると、私は彼が自分に恋焦がれている、と直感し、たまらなく彼が愛しく思えてくるのです。

結果、色々悩ましいやりとりをする事になるのですが、彼は。


ユ緑の姫君はみんなのものだから、抱けない。」

と私を拒みます。

私「緑の姫君なんて知らない。

  私があなたを好きなのです。

  もし、あなたが、C1に肉体を持っていたならば、私はあなたに夫になって欲しいと願います。

  私の気持ちはあなたに伝わりましたか。」

いっぺんの欺瞞も無い、あなたを真実好いている、と私は心の中でつぶやきます。
すると、彼は。


ユ「もう、それで充分です。私の緑の姫君…。」


と感極まって彼は泣き出してしまうのです。


私たちが一緒にいられる時間は限られている。
それもそう、遠い事ではない、とお互い確信しているのです。


「私たちは同じ魂なのだから…」とお互いにキスを交わし続けます。


                                    


…やはり、生々しい感触を残して、私はベッドから飛び起きます。

ヘミシンクではない。

でもヘミシンクと同じ気がする。何だこれは…。

動悸がとまらない。

愛しさで頭がおかしくなりそうになる。

私は戸惑い、結果一睡も出来ませんでした。


ふと、奇妙な符号に気がつきます。

緑の姫君。

ベニトアイトの瞳を持つ、白銀の長髪の持ち主の長身の養父。

ペリドットの瞳を持つ、ツインの翼を持つエンジェル。

宇宙に浮かぶ、クリスタル・ローズが配置されたのイングリッシュガーデン。

その中には宇宙ステーションが。

ブログ「なにが見えてる」「のんびり・やさしく」の世界観とまるで同じではないか!!


しかも、ミカエルさんとのやりとりに関しては、私は既にこれを誰かのブログで読んだ気がする。

そう、平成21年9月26日(日)のネットサーフィンの結果

たまたまたどり着いた占い師かヒーラーの女性の運営するブログ。

そこには確か、薄紫を基調として、黒色の街並と人影が。

それは魔女帽子を被った、魔女っ子が、箒で夜空を飛ぶ壁紙が施されていた気がする。

そして、その女性はこうも書いていた気がする。

「こんなビジョンを見ました。

これは、異次元の出来事か、はたまた、近未来の出来事なのか。

私にはその意味が分かりかねるが、これが見えたと言う事は、記事にした方が良い事だと思うのでアップする~中略~…愛って深いね。」と!


私はそのブログを見た時、


(へぇ、世の中には特殊な才能を持った人が居るのね。

 私は普通の人だから、何だかうらやましいわ。)


と感想を抱いた記憶がある。


これは、私の妄想なのだろうか?

それとも、記憶が錯綜しているだけなのだろうか?

緑の姫君

この言葉には、頑ななブロックを感じ、私には何も連想できない。


これは、つまり、自分と同じマトリクスを持った人物が複数いる、という証拠なのだろうか?

それとも、その時のブログの運営者と同じように、私も誰かの記憶を垣間見ただけなのだろうか?

それでは、とにもかくにも、ユアンさんの存在だけは、辻褄が合わない。

だからこそ、真実私は、彼らに会っていた気がしてならないのです。

そして、なぜだか私は自分と同じマトリクスを持った人間が3人いる、とも感じるのです。



…現在進行形のこのブログでは、この後私は、ミカエルさんに意味深な言葉を授かっています。

しかしこの体験当時には、ローカル1に戻った途端、私はそのほとんどを忘却しています。

ただ、

「せっかくフォーカス35に行ったのに、ミカエルさんに追い返された。超むかつく。」

そんな印象しか残っていません。

明日以降、彼の言葉を記事にしていきますが、その内容はこの明晰夢と非常にリンクしています。

これは偶然か、はたまた、なんらかのエネルギーのが加わった結果なのだろうか…。


私は今日一日、ミカエル、ラファエル、ユアンさん達への愛で、頭と胸がいっぱいでおかしくなりそうでした。
これはすべて私の妄想なのだろうか?

それとも、すべてが計算しつくされた、偉大なる何者かの計画なのだろうか。


♪くるっとまわっていっかいてん。くるっとまわっていっかいてん。くるっとまわっていっかいてんてん!♪

そんな音声が、エンドレスで私の頭の中を巡ります。

カウンター設定も施されていない、この人気のあまりなさそうな、私のちっぽけなブログですが、今、まさに、何かの大量の気の流れを感じる気がしてならないのです。


…一睡もしていないので、やや、記事に取りとめがありませんことをお詫びいたします。


この記事を読んだ方で、なにか情報をお持ちの方は、よろしければご意見、ご感想をくださいませ。


2011.2.3 しんじゅ☆♪







さて、前回は天国の母に会ってお話をしたわけですが。

今度はまるの日圭さんの「ヘミシンクのある暮らし」ブログを読んで、フォーカス35へ行きたい!と思い立つ私でございます。

さらに調子ぶっこいております。

いつもの手順でフォーカス21へ。

カーテンをめくると、黒衣の騎士:ユアンさん(美形)の登場です。

私「ねぇねぇ、ユアンさん。

 まるの日さんの記事にある、フォーカス35へ連れて行って欲しいんだけど。」

ユ「君にはまだ早いんだけど…。」

私「無理なの?」

ユ「僕の射程範囲はフォーカス30位までで、35は厳しいね。」

私「そうか…。難しいのか…。」(がっかり。)

ユ「無理すれば、連れて行けないこともないよ?」

私「それじゃ、連れて行って欲しい!」

ユ「今度は今までで高いフォーカスエリアだからね。

  片手とか、腕をつかむだけでは、はぐれてしまう危険性もあるから。

  僕にしっかりつかまって。」


と言って、お互い抱き合う格好で上昇します。

前日には片肘しかつかませなかったのに、こういう場合にはあっさりOK。

非常に現金な私です。


そうして、彼と一緒に降り立った空間は、それはそれは神々しい所でした。

ユアンさんが両膝に両手をつき、ハァハァとあえぐのを意に介さず、私はすっかりその空気に魅了されます。


そこは果てしない青空が広がる空間。

足元には白い大理石で出来た床があります。

縦2m、横1m程の幅2cm程の金色の溝が、碁盤の目のように果てしなく広がっています。

大空に輝く太陽は、白く輝き、まるで、日の出直後の絞りたての太陽の光を数十倍にもしたかのような神々しさを放っています

全体的に誰も居ない、静謐な、神聖な場所特有の神妙な空気が漂っています。

それでいて、リィーンというかすかな涼やかな鈴の音が聞こえてきます。


私「ウワァー、素敵素敵!

  なんて素敵な所なの! 
 
  なんて神聖な空気!  

  これはきっと、世界中のパワースポットの何倍も素晴らしいわ!

  まるの日圭さんの言っていた事は本当だったのね!

  これなら、家にいながら世界中の聖地巡礼が出来てしまう!

  ヘミシンク最高!!」


両手を広げ、深呼吸した後、万歳をしながら、ぴょんぴょんと跳ね上がります。


余談ですが、私は体が弱く、普段あまり外を出歩きません。

重い体を引きずっての旅行など、恐ろしくてもっての他なのです。

西洋医学的には健康体で持病はなく、血液検査や、脳波測定、精神鑑定などどこにも異常はみつけられませんでした。

発熱、痛み、倦怠感、めまい、睡魔が常に私を襲います。

この頃の私はきっと、未だ解明されていない、何かのアレルギーなのだろうと考えています。

ただ、平日にはその症状が軽い為、仕事や、時にはスポーツを楽しんでもいます。

これは働く為に気を張った結果であり、休日にダウンする自分は精神力の弱い人間なのだと忸怩たる思いで長年生きてきました。

それでも重篤な持病を持った方よりはずっと幸せなのだろう…。

残念な特異体質に失望しながらも、テレビや漫画で自分を慰めていたのです。

そんな訳で私は周りに迷惑をかけない為にも、なるべく外出を控えているのです。



私はテンションだだ上がりで大ハシャギしてしまいます。

旅行を諦めていた自分が非物質であろうとも世界中を楽しむ事が出来る。

しかも、CD分のお金を出すだけで!!

面倒な手続きは一切無し!!

そのリーズナブルさにも歓喜している私には、ユアンさんの動揺に未だ気がついていません。


私「わーい!ユアンさんありがとー!!」


また連れてきてね…と続けようと振り返った私が目にしたのは、ひどくうろたえるユアンさんの姿でした。


私「ユアンさん、どうし…」


バサッバサッバサッ!


後ろで羽音が響きます。

振り返る私が目にしたものは。

それは身長の2倍程の純白の翼を持った麗人が前かがみに着陸する姿。

輝くようなエメラルドグリーンの瞳に豊かなブロンドの絶世の美男子、ミカエルさん、三度登場です。


翼を折りたたみながら上体を起こすと、細かなウェーブの長髪がサラサラと肩から胸へと滑り落ちます。

古代ギリシャ風とでもいうのか、宗教画そのままとでもいうのが、ドレープのある、つやつやとした光沢を放つ白い衣装を身にまとっています。

面を上げたその表情は、私たちを見て苦笑しています。


賢明な読者の方ならばあらかた予想がつくでしょう。

この後、私は彼にあっさり強制送還されます。

ただしこの時、一悶着が。

あぁ、それは書きたくない。けど、話のつじつまが会わなくなるし。

頑張って書きます。


続きは次回。







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