表に出ると、日が暮れていた。


ひろみちゃんの家から私の家までは歩いて10分もかからないくらいだったが、少しの段差で後頭部に激痛が走る。


フラフラの私を気遣って、ひろみちゃんは私のランドセルを背負って、私の手を引っ張るようにして、私を自宅まで連れ帰ってくれた。


帰宅すると、父親がシャッターを下ろして、店じまいをしているところで、私たちの様子を見て、きょとんとしていた。




岡「あ、あの…。

あの、あの、しんじゅのお父さん…。

あの、しんじゅは、今日、ほんとに頭を強く打って、体がえらいんや…。

大事にしたってください…。」(´□`。)




ひろみちゃんは、焦りながら、小さな声でそんな感じのことを私の父親に話していた。




ひろみちゃんは、私に対してはくったくなくおしゃべりする子どもだったが、基本的にものすごくシャイな子どもなのである。

この日、クラスの学級委員と、保健委員の近藤さんにはあれこれしゃべっていたが、それは私を見かねてのことで、普段はチーン…と、借りてきた猫のようにおとなしい。


それは自分の話す関西弁が、まわりから浮いてしまって、恥ずかしい思いをたくさんしてきたためで、とても内向的な性格の子供だったのだ。


私の父親に対しても、実は苦手意識がある。

変な話、私の父親はものすごく顔がいい。

中身はただの田舎のおっさんでしかないが、ぱっと見は美形のため、話しかけづらく感じるらしいのだ。


そんな感じで、いつもは、あいさつ程度で、あまり話しかけたりはしないという感じだった。




父「はぁ?なんや、しんじゅ、頭打ったんか。

どうした?」(´・ω・`)




私「…ちょっと、今、すごく頭痛くて…。

あんま話せん…。」(´д`lll)




かなり頭痛が激しくて、父親の顔をまともに見ることができなかった。

ひろみちゃんが、小さな声で慌てて補足説明してくれていた。




岡「あ、あの…あの、しんじゅは…。

しんじゅは、上田四季子ちゃんに教室で突き飛ばされてん…。

そんで、頭打ってまったんやわ、おじさん、しんじゅ、大事にしたって…。」(><;)




父「はぁ?上田んとこの、三番目か?(私の父と四季子ちゃんの父親は同級生で顔見知りなのだ)

そぉかぁ、あそこんちの子供は元気やなぁ。」( ´・д・)




岡「!あ、あの、元気とか、そういうんじゃなくて…。

ホンマにしんじゅは、エライ目におうたんやわ…。」(><;)




父「ほぉかぁ?まぁ、子供同士の小競り合いってあるやろ。

元気でなによりやないか、どうせしんじゅがなんかしたんやろ?」( ´・д・)




岡「!

…ちゃいます、ホンマにしんじゅはなんもしとらん…。

しんじゅは頭いたくて、今までウチで、休んでいたくらいなんやわ…。

病院に連れて行ったってもえぇんやと思います…。

どうか、しんじゅを大事にしたってください…。」(><;)




ひろみちゃんは私のランドセルを私の父親に押し付け、ぺこりと頭を下げて、たったったと、走って帰っていってしまった。




私「ひろみちゃん、ありがと…。」




ひろみちゃんは、後ろ手に手をふりかえしてくれたが、こちらを振り向かずにそのまま走り去っていった。


ひろみちゃんが、私の父親にこんなに話をするのは、初めてだった。

彼女にとっては、とても勇気のいることだったと思う。




父「なんや、あの子は。

色黒のちびっこい子やと思っとったら、変な話し方するなぁ。」(^_^;)




私「…。

送ってくれた、優しい子やわ…。」





父「お、そうか、しんじゅ、頭痛かったんやな。

それなら、ランドセルはお父ちゃんが持ってってやる。」




私「あぁ…。ごめん、頭痛くて、ちょっと寝る…。」





父「そぉか、それなら、廊下に置いとくわ。

せやけど、あの子、なんであんな話し方なんやぁ?

顔もパッとせぇへんし、声も小さくて、蚊の鳴くような声やなぁ…。

愛想もないし、あの子はつまらん。

のぉ、しんじゅ、四季子ちゃんとなんか、仲違いしたんか?」




私「……。」



父「どうせ送ってもらうなら、四季子ちゃんにしとけばよかったのに。

あの子は『おじさぁ~ん♪』って言って、ニコニコして愛想がえぇ。

顔も可愛いし、ワシはアッチの方が好みやわ♪

どうせ上田の娘や、頭が悪いんやろうけど、どうせなら顔のいい方がえぇわ。

あの子じゃ、陰気臭い。」





私「…うるせぇ、オヤジ。

親だからって、ダチをバカにすんじゃねぇ…。」(−_−#)




私はお店の倉庫出入り口を抜けて、親を無視するようにして、自宅へと入っていった。




背後で親の声が聞こえる。




父「おぉおぉ!ウチのお嬢様はご機嫌ナナメや!

ウチの娘は男気があるのぉ!カッコイィ!」




私「………。」




父「飯は!?しんじゅ、飯はどうするんや?」



私「……。」



父「ほな、冷蔵庫にいれとくで、適当にあっためて食べとけな。」




返事を返す気力もなくて、廊下に手をつきながら、階段を登っていった。

自分の部屋に入って、押入れから布団を引きずり出し、その上に倒れこむようにして眠る。


途中で高校から帰ってきた姉になにか怒鳴られたようだったが、よく覚えていない。




再び、目が覚めたとき、喉の渇きを覚えて、ヨロヨロと階段を下りていく。

台所に向かうが、一歩歩くごとに強烈な痛みが頭に走る。



蛇口をひねって、直接口をつけて、水を飲む。

首をひねる作業が思いのほか、後頭部に頭痛が走り、思わず顔をしかめる。


冷蔵庫をあけると、小さな鍋ごと味噌汁が入っていた。

私はそれをお茶碗によそうと、頭がクラっとした。


空腹を覚えて、冷たいお味噌汁を一口飲むが、吐き気を覚えて、それ以上は飲めなかった。


台所の入口の奥に、廊下があって、そこに自分のランドセルが見えている。

中から筆箱を取り出し、台所の机の上におく。


それから、夏休みの宿題を以前やっつけた時に、残りの原稿用紙をつっこんだ黒電話の置いてあるボードの引き出しを漁る。


兄弟4人もいるので、いつもここに原稿用紙がまとめて置いてある。

その束を引っつかんで、台所の椅子に腰掛けて、反省文を書き始めたが、頭が痛くて、なかなか進まない。


私はもともと勉強机というものをもっていないので、いつも適当なところで宿題をやっている。

家族は寝静まっているらしく、台所を占拠していても、誰にもとがめられない。


しばらく椅子に腰掛けて反省文を書こうとしたが、文章をうまくつくることができない。

そもそも、なにを反省し、どこをどうすればいいのかが、分からない。


それを差し置いても、後頭部の痛みが激しくて、椅子に座ったり、立ったりだけの作業で、本当につらい。

涙が出てくる。


クラスの番号と、氏名と、書き出しと…。


今日の出来事を受けて、私は上田さんを大変苦しめたようでした…。

私がこれから気をつけなければならないところは…。


私がなにかをして、彼女を傷つけたようでした。

私はなにを気をつければよかったのでしょう…。


クラスのみなさんに迷惑をかけたことを…。



鉛筆がポロリと転がる。

膝を抱えて、痛みに耐える。


涙が流れて、少し、じっとしていると、少し落ち着いてきた。

頭が痛い、頭が痛い、頭が痛い、作文を書かなくちゃ…。



また、気を取り直して、作文にとりかかる。


私はなにをして、なにをしなかったら、よかったのでしょうか…。



頭が痛い、頭が痛い、頭が痛い、つらい、しんどい…。



まだ、小学生だった私には鎮痛剤を飲むとか、そういう知恵がなかった。


お母さんに相談したい、頭が痛いんだ、あぁ、そうだ、お母さんは死んでしまったんだった…。



お父さん、頭が痛い、頭が痛くて、辛いよ、どうしよう。

あぁ、お父さんはもう寝てしまった。


家族は全員寝静まっている。

誰も助けてくれない。



作文、作文を書かなくちゃ、でも、なんて、どうやって書いたらいいんだろう…。



あぁ、頭が痛い、頭が痛い、頭が痛くて、涙が止まらない…。


しばらく、頭の痛みをこらえて、ひざを抱えて泣いていた。



時計を見ると、午後11時40分とあったが、気づけば0時30分とある。


あぁ、台所に入って、一時間近くいて、まだ作文は5行ぐらいしかかけていない。


頭が痛い、頭が痛い、頭が痛い、あぁ、なんにも考えられない。


鉛筆を握っては落とし、握っては落としを繰り返して、ようやく、どうやら、今の自分には作文は無理だと察した。




流しの蛇口をひねって、タオルに水を浸す。

そして、キツめにしぼって、頭の上の置く。


キーンとした痛みが走るが、少しマシになった気がした。


すぐに、タオルがぬるむ。


あぁ、そうか、私、熱があるのかもしれない。



私はそこらへんにあるフキンを水に濡らして、ビニール袋に入れて、2階にある自分の部屋へと戻っていった。

うつぶせ寝になりながら、交互に濡れタオルを頭の上に置いて、目をつぶる。



頭が痛い、頭が痛い、頭が痛い…。



眠れぬ夜を過ごす。



今、思えば、家族の誰とも話をしなかったのが、まずかったのかもしれない。

私の体を気遣ってくれる人は誰もいなかった。


そうして、一ヶ月程は後頭部の痛みに耐えながらの就寝となり、朝まで熟睡するこができなかった。






四季子ちゃんとの、攻防は始まったばかり。

これはまだ序の口だったのだった。












いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  

スポンサーサイト

岡「しんじゅ、起きたって…。」( ´・д・)




そっと、肩を揺すられて、私は目を覚ましました。

そこは、ひろみちゃんの部屋の、折りたたみの勉強机の上に両腕をのせて、その上に頭を置いて寝ていたのでした。




岡「もぉ、まっくらやで?

そろそろ家に帰らんと、お父ちゃんが心配するやろ…。」( ´・д・)




私「あぁ…。そうか、ひろみちゃんの家で寝てたのか…。ツッ!」(>_<)




後頭部に鋭い痛みが走ります。

身動きできずに、プルプルと震えていると、ひろみちゃんが心配してきました。




岡「やっぱり、まだあかんか…。

ウチから見ても、頭腫れとるの、わかるもんな…。

家まで送ってたるわ…。」ヽ(;´ω`)ノ




私「うん、お願いします…。

その前に、喉が乾いてて、なにか飲み物ください…。」(´□`。)




岡「あぁ、ちょっとまっとき、麦茶持って来たるわ…。」




ひろみちゃんは台所まで降りていって、麦茶をグラスに入れて、持ってきてくれました。

そこには、ストローが刺さっていて、私に飲みやすいようにと持ってきてくれたのでした。




私はそっと、ストローに口元を寄せると、一気にお茶を飲み干しました。




私「ぷはー、助かった…。


ねぇ、ひろみちゃん、私ちょっと思ったんだけど…。」(´□`。)



岡「なんや?」



私「私ね、私、今日のこと、思い返していてね…。

私とひろみちゃんと、四季子ちゃん、三人とも、どっこいどっこいの子どもだったけど、今回、四季子ちゃんが飛び抜けてしまった。

私たちが、いくらホントのことを話しても誰もとりあってもらえなかった…。」。(´д`lll)




岡「そおやな、そうやったわ…。」!(´Д`;)




私「私ね、私たち、三人とも、あんまり友達いなかったでしょ?

それで、お互いが友達だったから、それでもいいと思ってたの。

それが、今回のことで、あたしたちの言い分が全然通らない。

私たちが、いくら本当のことだと思って、そう話しても、みんな普段の私たちをよく知らないから、おかしなことを言っていると思われてしまった…。」(><;)




岡「そうや、それもこれも上田が悪いんじゃ。

あいつは妙ちきりんなことを言い出すから、ウチラが巻き込まれてまったやわ!」(#`ε´#)




私「真相はそのとおりだけど、みんな四季子ちゃんの常識はずれな言動に面食らってしまって、彼女の言い分が通ってしまった。

もし、普段からアタシたちが、他のクラスの子と仲良くしていたら、それはおかしいんじゃないかって、かばってもらえたと思う…。」




岡「う…そうやな、それはそうかも…。

せやけど、上田かて、友達の一人もよぉおらんやん、それはおかしないか!?」(´ε`;)




私「うぅん、だからね、今までは全員たいした違いはなかったんだよ。

それこそ、クラスの誰も注目していない、地味な大人しい子どもだってぐらいだった…。」(^_^;)




岡「お前はほんとは頭いいのに、わざとテストの点数を落としとったさかい、勉強もパッとせん子どもやと思われとったしな。

ウチも上田も本気で勉強はさっぱりやったし、運動もめっきりやったから、だ~れも注目せぇへんもんな…。」(・_・;)




私「そこで、四季子ちゃんは、頭一つ飛び抜けた。

言い分はめちゃくちゃだけど、押し出し度が強い。

あそこまで堂々と言われたら、もしかしたらそうなのかな?ってみんな判断に迷う。

多分、赤木先生も、あんな子供を扱ったことがなくて、持て余してしまったんだと思う。」σ(^_^;)




岡「あぁ、赤木、ビビっとったもんな…。」(; ̄ェ ̄)




私「あぁ、教育的指導も、四季子ちゃんの手にかかっては、わいせつ目的の暴行にとられかねない言い方になってしまったし、そのまま親や教育委員会に訴えると、先生におどしていたからね、恐ろしい子だよ…。」( ̄ー ̄;




岡「…めちゃくちゃやん、そんなの…。

クラス全員みとったのに、なんでそんな言い分が通るとおもっとんのやろ…。」( ̄_ ̄ i)




私「計算か偶然かよくわからないけどね。

で、結局私に大怪我させたのに、なにも言われずにおしまい。

今日は彼女が体を張った被害者になっちゃったことで、痛み分け…というか、私の負けになってしまったけれどね。」(^_^;)




岡「…めちゃくちゃやん…。

公衆の面前で人様に大怪我させといて、やってませんって…。」(-""-;)




私「あぁ…。

おそらく…恐ろしいことに、四季子ちゃんは、本気でなにも覚えていない。

それどころか、私やクラスの全員で口裏を合わせて、自分を陥れようとしていると考えている…。

今頃、きっと、私はものすごく恨まれているんじゃないかな…。」。(´д`lll)




岡「はぁ?そんな無体な!」(  ゚ ▽ ゚ ;)




私「普通の人の感覚なら、そう考える。

けど、相手は四季子ちゃんだ、きっと明日から私へのあたりは強くなる…。」(´_`。)




岡「そんな、馬鹿な話あるかい!」( ̄□ ̄;)!!




私「うぅん、そうだよ、でもね、きっと、誤解はとける。

それまでの辛抱だと思うけれどね、アタシは痛感したことがあるんだ。」




岡「なんなん?」




私「つまり、アタシたちは勉強もさっぱりの大人しい子どもです、誰にも迷惑かけていませんっていうキャラクターでいた。

けど、四季子ちゃんにめちゃくちゃにされて、自分たちに味方がいないことに気がついた。

同じ、勉強も運動もさっぱりの四季子ちゃんは、みんなの注目を浴びて、トップに立った。」




岡「そんなん、まやかしやん。」(=◇=;)




私「そう。

だけど、四季子ちゃんは、自分が素晴らしく美少女で、すばらしく賢くて、すばらしく上品な子どもだと信じている。

そういうキャラクターを強く押し出して、それをみんなにアピールした…。」




岡「裸の王様に思えるけど?」(@ ̄Д ̄@;)




私「あ、四季子ちゃんの一番上のお姉さんも同じことを言ってたね…。

そうだけど、それでも、一応の説得力があって、それでみんなを巻き込んで私を追放しにかかった。

私たちは勘違いしていたんだ、大人しい人畜無害な人間でいれば、誰にも傷つけられないと…。」(´・ω・`)




岡「そ、そうやな、ウチもそんな風に思ってたわ…。」( ̄ー ̄;




私「人畜無害な人間を傷つけないのは、それは普通のひとだから。

もっといえば、良心的な人は、他人をむやみに傷つけたりはしないということだ。

四季子ちゃんを見てみなよ、自分よりバカがいたらいじめてもいいと信じきっている。」( ̄ー ̄;




岡「ゲスやな。」( ̄へ  ̄ 凸




私「ゲスだけど、そういうもんなんなんだよ、大勢の人がいるっていうことは、そういう目にあうってことは当然想定できる話なんだ。」(T_T)



岡「…いややわ、優しい人と一緒にいたいわ…。」(T▽T;)




私「普通の人なら、いじわるはしない。

けど、意地悪な人もいる。

だから、勉強ができない、おバカキャラ三人組でも、仲間割れみたいなことが起きる。」




岡「つまり、ウチとしんじゅが負けで、上田が勝ち組ってことやな。」(´;ω;`)




私「そう、だから、アタシたちはキャラ設定を誤っていた。

もう、人畜無害なおバカキャラを卒業しなきゃならない。」(´・ω・`)




岡「というと?せやけど、ウチ、いきなりおりこうにはなれんで?」(´_`。)




私「いいや、勉強ができるとか、できないは関係ない。

実は人間関係で、いじめられる人間と、そうでない人間を分ける条件は頭がいいとか、育ちがいいとかはあんまり関係ない。

そういうものじゃないんだ、テストの点数とか服装とか、目に見えるものじゃなくて、判断基準は人が人に対して感じる印象とか相性とか、そういう曖昧なものなんだと思う。

それが証拠にあの四季子ちゃんが、他の子どもにかばわれている。」




岡「なるほど、あの子テストさっぱりやし、きれいやない貧乏そうな格好してても、平気そうやもんな。

あの堂々とした感じが他の子にいい印象を与えて、良かったんやな。」




私「これからの私たちは、いじめられないおバカキャラにならなければやっていけない。

そう、つまり愛されるおバカキャラ。

あたしたちはおとなしく、いじめられてシューンとしているキャラにおさまってちゃいけない。

これからあたしたちが目指すのは、おもしろいことを言う、おバカキャラなのだ!

それを学んだ。

そうして今回のことを教訓にしたいと思う。」(`・ω・´)ゞ




岡「なるほど。

さすがしんじゅ、転んでもただでは起きんな。」(`・ω・´)ゞ












いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  

話が前後しますが、ひろみちゃんの部屋に招かれてすぐのことです。


彼女が冷たい麦茶を持ってきてくれて、それを飲みながら、少しお話をしていました。




私「ぷはぁ、喉が渇いていたから、ものすごくありがたいよ…。」(´∀`)




岡「よかったら、もう一杯飲むか?」




私「うん、お願いします。」




そうして、彼女は自分の分の麦茶を私に譲ってくれて、私のそばにいてくれました。




私「はぁ、けっこう長時間お話していたから、喉もカラカラだったみたい。

あぁ、助かった、命の水って感じ…。」σ(^_^;)




岡「よかったな。」




私「うん…。

あぁ、落ち着く…って…。」(>_<)




岡「頭痛むか?」




私「うん、じっとしていると、そこまででもないけど、体動かすと、辛いね…。」(T_T)




岡「なんで、おまはんが叱られなかんかったんやろ。

上田はなんもおとがめなしで、おまはんが反省文提出なんて、理不尽やわ!」ヽ(`Д´)ノ




私「あぁ…そうだった、作文あったんだな…。

書けるかな…。」。(´д`lll)




岡「大丈夫か?

ウチで書いてく?」(^o^;)




私「家に原稿用紙はあると思うから、もう少し落ち着いてからやるよ…。」




岡「そぉか、無理せんといてな…。

しかし、ウチ、ちょっと不思議なんやけど、えぇかな?聞いて。」




私「うん?」




岡「ウチ、上田四季子なぁ、あの子、人の話きかんと、しんどいやん。

何度も同じこと説明しても、よぉわからんみたいやし、つきあいやめとったからさ。

今日の、しんじゅへの言い方?あれ、べっくらこいたんやわ。

なんで、あの子、あんなにおまはんの事をバカにしとるん?

まず、そこがわからんかったんやわ。

ウチ、おまはんと、上田は仲いいと思っとったから、余計にわからへんかったんや。」(・・;)



私「あぁ、四季子ちゃんはね、アタシのことを、自分より確実にバカだと思っているんだよね…。」



岡「ちょと待て。

なに?それはアレか?

つまり、上田四季子は、しんじゅがおバカやと思っとって、そんで自分はおりこうやと思っとるっちゅーわけか?」∑(゚Д゚)



私「そうだね。」



岡「はぁ?なんで?

そりゃ、ウチら成績は三人ともどんぐりの背ぇ比べやけどな、なんで、アイツ、しんじゅがアホやと思えるワケ?

それも、自分の方がおりこうやと??

二重の意味でビックリやわ。」(  ゚ ▽ ゚ ;)



私「あぁ、あの子はね、2年の時、同じクラスにいたんだよね。」



岡「あぁ、聞いたことある。」



私「そん時に、私、特殊支援学級に何度も入れられているんだよ。」



岡「は?そうなん?

なんで?」(=◇=;)



私「まぁ、いろいろ行き違いというか、誤解というか。

まぁ、担任の先生に煙たがられて、時々そこに突っ込まれていた、と。

それを救い出してくれたのが、モモ先生だったんだ…。」



岡「あぁ、そこでモモ先生と親しくなっとったんか、しんじゅは…。

そういえば、そんな話聞いたような気がするわ…。」




私「そう、モモ先生は私が、特殊支援学級に来るような児童ではないと言って、担任の先生に突っ返してくれてたんだ。

で、それを四季子ちゃんは覚えていて、私のことを、精神薄弱児スレスレのバカだと思い込んでいる。」




岡「はぁ…、そんないきさつがあったんかいな…。

それなら、納得やわ…と言うと、思ったら、アカンで!?Σ(~∀~||;)

そりゃ、小学2年生の頃なら、しんじゅがアホかもしれへんと思ってもしゃーないけどな?

今、6年生やで?

どっからどうみても、しんじゅがアホなワケあらへんが!」( ̄□ ̄;)




私「まぁ、成績がね、そんなに芳しくないし、おバカだと思われても仕方ない部分もあるし…。」




岡「いやいやいやいや、そりゃ、成績はね?成績はアレだけど、ちゃうやろ!

おまはんと口をきいとったら、分かるやんけ、こいつがアホやないと。

全然ちゃうやろ、そこをどうして、勘違いしたままでいられるワケ?

アホなん?

アイツ、ほんまもんのアホちゃう?」Σ(~∀~||;)




私「まぁ、多分、一度思い込んだら、修正がきかないタイプなんだろうね…。」




岡「いやいやいやいや、ありえへんわ。

それで、アイツ、自分を国民的美少女とかぬかしとったんかい。」Σ(=°ω°=;ノ)ノ




私「あぁ、あれはビックリしたわ…。

そんな言葉が飛び出すとは思わなかったな…。」




岡「びっくりもビックリやで?

どこがどうして、そうなったんや?」




私「さぁ…誰かに言われたんじゃないかな、すごい美少女だとかなんとか…。」




岡「はぁ…。

上田四季子、大物やな…。」(  ゚ ▽ ゚ ;)




私「あぁ…大物だよ、きっと…。」




岡「そんでアレか?

おまはんの母ちゃん死んだの、縁起でもないって毛嫌いしとったんかい?」(゚Ω゚;)




私「そう、不吉だと考えていたんだね、きっと。」




岡「そんで、アイツ、どうするつもりなん?

いつまでもしんじゅから逃げ回るつもりなん?

それとも、しんじゅを学校にこられんように仕向けるとか?」




私「喪が明けるまで話しかけないでって言ってたから、きっと49日が過ぎたら元に戻るつもりだと思う…。」




岡「はぁ?49日?なんで!?」




私「だから、喪が明けるまではケガレで、それまでは自分との接触をシャットアウトしたかったんだと思う。」




岡「なんでなん?そこも、よぉ分からんけど?」




私「つまり、死人が出た家族は、喪が明けるまで人前に出ちゃいけないと考えているんだよ。

それが自分を不幸にするとか、なんか悪いことになると考えているみたい。」




岡「はぁ?四十九日!ほぼ50日も他人と接触したらアカン、言うとるんか?

おかしないか?

そんなことする人間、どこにも、見たことも、聞いたこともないで!?

それが、なんでしんじゅに通用すると思てんの!?」ヽ((◎д◎ ))ゝ




私「さぁ、四季子ちゃんにとって、身内を亡くした身近な人間が、私が初めてだったってことじゃない?」




岡「はぁ?初めて?

そりゃ、小学生で家族亡くすやつなんて、そうそうおらんけどな?

それでも、身内を亡くさない人間なんて、この世におらんで?

そんで、そんな連中が全部が全部、50日間も人前に出んかったら、どないして過ごせいうんや?

学校の先生かて、電車の運転手かて、デパートの店員かて、普通の会社員やっておるし、身内を亡くしとる大人、きっとぎょうさんおるやん。

そんな奴らがそろいもそろって50日間も人前に出んかったら、世の中回ってかへんやん!

なにを言うとんのって話や!

気づくやろ、普通!!」Σ(=°ω°=;ノ)ノ




私「ひろみちゃんは、具体的に物事を考えれて、やっぱり賢いねぇ。

そうだね、身内に死人のいない人間なんて、いるはずがないのに。」




岡「えへへ、褒められた。

せやけど、そんなん普通に考えたら分かる話やん?」




私「そうだね、普通なら、そう考える。

聞いたことないな?って疑問に感じるとか変だなとか想像がつく。


けど、自分が間違うはずがないっていう考え方をするのが四季子ちゃんなんだよ…。

普通に考えて、家族を亡くした人が、50日間も学校を休むとか仕事を休むはずがないって、気づくところが、あの子はちがう。


きっと、クラスメイトの誰も気づいていない、自分一人だけ精神性が高いから、そこに気を使っている。

自分だけはケガレないようにとばかり気をとられて、常識的に考えてありえない話だとは気づいていない。」




岡「つまり、バカだと。」(。・ε・。)




私「自分が絶対正しいと考える、それが四季子ちゃんだ。

だから、どこでも、堂々としている。」




岡「言っとること、アホばっかりやけどな。」




私「それは外野がなにをどう言おうが関係ない。

自分が清らかであれば、それが正しい、そう考えているみたい。」




岡「それって、自分以外の奴がしんじゅと話をしとっても、おかしいと感じんかったんかいな?」( ̄_ ̄ i)




私「四季子ちゃんは、きっと見てない。

私が学校に戻ってきてから大勢の子が声をかけてくれているのをまったく気にしていない。

せいぜい、バカな奴らが、あの汚いのに接触している、今のうちに自分だけ逃げようとしか考えていない。」




岡「…どこまでバカなの…。

そんで、結局自分のことしか考えてへんやん…。

そんなやから、アイツは今まで友達の一人もよぉできんかったんやわ…。

今まで親切にしてもらっとった、しんじゅになんで、恩をアダで返すような真似ができるんや…。

信じられへんわ…。」(´д`lll)




私「それが四季子ちゃんのマイルールなんだろうね…。」(´_`。)




岡「エライルール決めてくれよったな。」(´д`lll)




私「あぁ、頭が痛い…。」(。>0<。)




岡「頭冷やすのもってこようか?」




私「うん、お願いします…。」(ノ_・。)




ひろみちゃんは濡れたタオルを持ってきてくれて、机に突っ伏した私の後頭部にそっとおいてくれました。

それでも、ちょっと触れただけで猛烈な痛みが走り、涙がでます。


ひろみちゃんは、病院に行った方がいいと言ってくれましたが、私は一人で病院に行ったことが無くて、不安だと漏らしたら、そうか…と、一緒に黙り込んでしまって。


ちょっと、眠らせて欲しいとお願いして、涙を流しながら、ひと寝入りさせてもらったのでした。









いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  

岡「それに、なんなん?

おまはんの母親に対する言い分。

あれ、めちゃくちゃやで?

赤木先生が、頭叩いとったの、当然やと思うわ。」(`×´)





私「あぁ、うん…。」





岡「なんで?なんで、おまはんの母ちゃんの顔をあそこまでけなせるん?

顔だけやないけど、特に悪く言うとったやん。」





私「あぁ…。

あれはめまいがしたよ…。

クラスのみんな、ウチのお母さんのことを、ものすごいブサイクなのかと信じちゃったみたいで、それもショックだった…。」(:_;)





岡「おまはんの母ちゃんがブサイクなわけあれへんが!

何を言い出しよるん、コイツ、おもたわ!」(`Δ´)





私「でも、あんなに堂々と言い切られたら、私のお母さんを知らない人は信じちゃうよ…。

みっともない顔した女の人だって、思われて、悲しい…。」(T_T)





岡「…おかしいわ…死んだ人のことを、よぉもあぁ、悪く言えるな…。

ウチ、おまはんが怒りださんのが、不思議やったわ…。」。(´д`lll)





私「貧血を起こしてたのかな、めまいがして、動けなかったし…。

あの子、前にも、あぁいう事を言ってたんだよ。

また、言い出してる、あんなにちがうって説明したのに…って、悲しくてなにも言えなかった…。」(x_x;)





岡「…おまはん、人がえぇからなぁ。

あの暴言、二回目やったんか。

ウチやったら、一回目やった時点で切るわ。」





私「あぁ…。



きちんと説明すれば、分かってもらえると思ってたんだよ。」(x_x;)





岡「アカンかったな、あの子、まるで天邪鬼。

いや、なんやろ、ウチ、あの子が怪物に見えたわ…。」(-""-;)





私「私も…。」





岡「お母さん、悪く言われて、辛かったな、しんじゅ…。」





私「…ありがとう。

私の身になって、考えてくれて…。



ひろみちゃんがいなかったら…。」





岡「えぇで、ウチら親友やろ?」





私「うん、そろそろ帰ろうか…。

つ…少し、体をひねるだけで、頭がめちゃくちゃ痛い…。」(x_x;)





私が体を動かして、椅子から立ち上がる仕草をしただけで、後頭部に激痛が走ります。





岡「無理せんと、お父ちゃん、呼んだ方がえぇんちゃうか?」





私「ん、でも、今が稼ぎ時だから…。

仕事の邪魔しちゃ悪いし、なんとか我慢して帰るよ…。」





岡「そんなら、ウチ、おまはんの分のランドセル持ってったるわ。」





私「ありがとう、ひろみちゃん…。」





そうして、ひろみちゃんに付き添われて、帰宅しかけた私なのでしたが、思いのほか、頭の痛みがひどくて、道端に何度もしゃがみこんでしまいます。



痛みで意識がもうろうとした私は、普段は20分ほどの距離の自宅でしたが、そこまでたどりつけず、途中にあるひろみちゃんの家に一時避難させてもらいました。



彼女の部屋にある、折りたたみの勉強机にうつ伏せになり、少し、休ませてもらいました。



腕の上の顔を横向けて眠ると、ひろみちゃんがタオルケットを肩にかけてくれました。

まだ、ひろみちゃんのお母さんは帰宅しておらず、ひろみちゃんの判断で、彼女は私を自宅へと招いてくれたのです。



私は猛烈な痛みに、腕に涙を濡らしながら、ウトウトと眠りについたのでした。












いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  

私「はぁ…。」


私は近藤さんを追いかけることをせずに、とりあえず、頭の痛みをこらえるために、椅子に着席しました。


その向かい側の席に、ひろみちゃんが腰掛けています。


周りの子供たちも、だいたい帰宅した感じで、もう教室にはほとんど残っておらず、ひろみちゃんは勝手に誰かの席に陣取っていた感じになります。


岡「なぁ、おまはん、なんか、エライ目にあってまったな…。

なんで、おまはんの父ちゃんの商売の邪魔までされんとかんのやろな、意味がわからんわ…。」( ̄ー ̄;




私「あぁ…。

私もさっき、広岡君と、近藤さんと話をしていて、やっとはっきり分かったよ。

四季子ちゃんが、私のことを毛嫌いしているのは、私のお母さんを不浄なものだと思っていたからなんだ…。」




岡「あぁ、さっき言うとった、くろふじょうって奴か?

なんや、黒不浄って…。」




私「私も詳しいことは…。

四季子ちゃんのお母さんは長崎県の五島列島出身らしくて、そっちの方の風習じゃないかな…。

おそらく、死人は汚れているとか、そういう考え方をしていて、それを四季子ちゃんに伝えていて、私のお母さんのお葬式には参加しないようにって、言われていたんじゃないかな…。」




岡「それはまだ分かるわ。

あの子幼いで、しんじゅの母ちゃんの葬式に参加して、粗相したらあかんっちゅー注意として言っとったとかならな。

けど、それであぁまで暴れる必要あるんかいな?

ワケわからんわ…。」( ̄_ ̄ i)




私「そこは、四季子ちゃんの中で誤解とか、曲解があるんだよ。

多分、四季子ちゃんのお母さんは、そこまでのことは言ってないはずなんだ…。


あの感じだと、四季子ちゃんは、私に触れると肉体が腐ると勘違いしている。

じゃ、他のクラスメイトはどうなるんだ、ということは考えていない…。」




岡「あぁ…。

そやから、ウチら、子供んたらぁは、上田の考えとることが理解できんかった、いう事か…。」




私「そう…。」




岡「…わからんわ、そんなの…。」( ̄Д ̄;;




私「そう…。」




岡「あの子、他にも妙なこと、たくさん話とったやんけ。

なに?アレ。」( ̄ー ̄;




私「あぁ…。」




岡「なんか、いろいろありすぎて、よぉわけわからんくなってもうたけど。

そいえば、中国人がどうとか、韓国人がどうとか、言うてたな。

なんなん?あれ。

めちゃくちゃ差別しとったやん。」( ̄Д ̄;;




私「あぁ…。」




岡「おまはんの両親の仕事もめちゃくちゃ下にみとった。

あれもなんなん?

なんで、八百屋をあそこまで悪く言われんとかんのや?」( ̄_ ̄ i)




私「あぁ…。」




岡「分からんわ…。

なにがどうして、あんな風に物事を考えれるんか、ウチには理解不能やわ…。

あれなぁ、このクラス日本人ばっかやで、まだえぇけど、韓国の人がおったらどないするつもりやったんやろ。」( ̄_ ̄ i)




私「問題だね…。」




岡「なんなんやろ、あそこの家って…。

なんか、特殊なんやろぉか?

奇妙すぎて、頭がついてかへんわ。」( ̄_ ̄ i)




私「あぁ…。

多分、韓国の人っていうか、朝鮮半島の人はね、パチンコ業界で働いている人が大勢いるんだよ…。」




岡「なに?パチンコ屋?」




私「そう、パチンコ屋の経営者はたいてい、朝鮮半島の人らしいって、前、お父さんが言ってた。」




岡「それが?どないして、あんな話になるん?」




私「だからね、パチンコ屋ってね、実はとてもお金が儲かるんだよ。

だから、パチンコ屋を経営している人って、お金持ち、土地持ちとか、お屋敷暮らししている、裕福な人が多いんだって…。」




岡「それって、社長さんって事か?」( ´・д・)




私「そうだね、社長さんで、お金持ち…。

そして、パチンコ業界ってのは、やっぱり新規参入が難しくて、コネとか血縁とか、朝鮮半島の人たちが協会をやっているんだって。」



岡「なに?つまり朝鮮の人ばっかりでパチンコ業界を牛耳っとるって話?」( ´・д・)



私「そう…。

岐阜のおちょぼ稲荷のそばとかには、朝鮮半島出身の人がたくさん住んでいるらしくて、やっぱりパチンコ業界で儲けている人が大勢いるみたい。

愛知県にもあちこちにパチンコ屋さんがあって、名古屋とか特に、やっぱりお金持ちばっかり…。」




岡「ほぉ?それが?」




私「つまり、パチンコ屋ってのは、ギャンブルだしね、お金がたくさん動く。

そこで、経営者っていうことは、特にお金持ちになれる人たちってことでね。

普通に働く日本人より、よっぽど稼ぎがいい…。

この麻町は、農業と、工場で働く人ばかりで、貧しい地域だからね…。

地道に働く日本人からみたら、韓国人は楽して金儲けしているように見えちゃうんだよ…。

実際はどうか、ともかく、金持ちに対するヒガミが入っている…。」




岡「あぁ…。なるほど、うまいこと金儲けしとる、悪い奴、みたいに考えてまうんやな。

そんなん、そいつらが、商売上手なだけやんか。」( ´・д・)




私「そういう考え方をするのは、ひろみちゃんのお母さんが商売人の町から移り住んできた人だからってのもある。

大阪の人は合理的な考え方をするからね、むやみに国籍で差別したりしないし、そういう点ではフェアなんだ。

貧しい暮らしを続けている地方の人には、ギャンブルで金儲けをしている人間を、やたらと見下す傾向があるんだよ。」(´・ω・`)




岡「そうなんか?

金持ちが悔しかったなら、自分がもっと金を稼げばえぇやんか。」( ´・д・)




私「私もそういう考え方が好きだけどね、ここらへんの大人はあんまりそういう風に素直に考えれない。

そして、韓国人だからといって、全部がパチンコ業界で働いている人たちばかりじゃない。


昔から日本に住んでいて、祖先が外国の人っていうのもあるからね。」




岡「そやね。」




私「そういう人たちは、なにかと敬遠されて、人が嫌がる職業についていたりもする。

精神的にもきつい肉体労働とかね…。」




岡「あるやろな。」




私「そういう人たちがやっている仕事はね、やっぱり日本で働いている日本人にしてみたら、コイツラがいる分、自分たちに仕事が回ってこない、つまりしのぎを削るライバルになってくるんだよ…。」




岡「精神的にも肉体的にもきつい仕事が?」




私「貧しくて、不器用な人はそういう職業につきがちだ…。

そういう人が、この町には多い。

そういう、両極端の外国人がいなければ、自分たちも、もっといい暮らしが出来るんじゃないかって考える人が、多いんだよ…。」




岡「なんでや?

そいつらが、やらんくても、不器用な奴より、やっぱり要領のえぇ、日本人がとってってまうだけやろ、そんな仕事。」( ´・д・)




私「そのとおりなんだけど、そう考えない人が多い…。

毎日汗水たらして働いても、たいした稼ぎはない…金持ちの韓国人のような裕福な生活はできない。

それならば、あいつらは汚い人種だと見下して、自分たちの仕事は立派だと思いたい、そういう心理が働く。」




岡「えぇやん、自分らの仕事が立派やと思っとけば。」(´・ω・`)




私「そこだけにしとけば誰にも迷惑かけずに、立派なんだけど、比較対象として、相手を貶めて、あいつらよりマシだという考え方をする人間が出てくる…。

それが、四季子ちゃんのお父さんなんだと思うよ。」




岡「あぁ、それで…。」




私「自分たち、工場で働く、職人の仕事が世の中で一番尊くて、それ以外の職業は卑しい。

中国人や韓国人は金に汚くて、卑しいバカだ。

そう、教え込まれて、そのまま信じているのが四季子ちゃんだ…。」




岡「はぁ。それで、あのいいざまか…。

親にしたら、たまらんな、あの子。

恥ずかしいやろぉな、自分の子が学校であんな発言しとると知ったら、顔から火ぃ出る思いすると思うわ。」(´ε`;)




私「知らぬが仏…。

四季子ちゃんのお母さんは、きっと悲しむだろうね…。」













いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  



私「近藤さん…。」


私たちの前に立ちはだかった、保健委員の女子、近藤さんは怒りをあらわにした表情で、私のことを見下ろしていた。




近「どういう事なの!

いったい、どうしてあそこまで上田さんが追い詰められなきゃならないの!

説明をして!」(`Δ´)




私「あの、今、学級委員の広岡君にも説明したけど、私には事情が思い当たらないんだよね…。」(^_^;)




近「じゃぁ、あの子が妄想で苦しんでいるっていうの!

あの子、泣いて、おびえていたのよっ!

いつも、そう、あの子苦しいことがあると、教室を飛び出して、アタシが保健室に連れていってたの、知ってるでしょ!

さぁ、白状しなさいよ、いったい何をして、どうしたらあそこまで同級生をおびえさせることができるっていうのよ!

説明して!」゛(`ヘ´#)




ひろみちゃんは、ちょっとびくって体を震わせて、黙ってしまった。

本来、ひろみちゃんは、とても内向的で人見知りな女の子なのだ。

あまり親しく口をきいたこともない児童、特に女子には気を使って、遠慮しがちである。


その上この剣幕では、気圧されてしまって、ついついうつむいてしまったのだった。




私「あの、それが、ふざけているんでもなんでもなくて、私にはさっぱり理由がわからないのよ。

ただ、あの子、四季子ちゃんの話によると、私のお母さんのことを、黒不浄とか言ってて、それでおびえているみたい…。」(・_・;)



近「はぁ?くろふじょう?なに、ソレ。

聞いたことないわよ、適当な事言わないでよ!

どういうつもり!?」(`Δ´)



私「あの、私も聞いたことないんだけど、地方によっては、亡くなった人のことをそういうらしいの。

で、四季子ちゃんのお母さんが九州出身の人で、なんか、そういう加減で、ウチのお母さんが亡くなったことを忌み嫌う風習があったらしいのよ。

それを、四季子ちゃんが、なにか誤解して、私の事も嫌っているみたい…。」( ̄ー ̄;



バァン!!



近藤さんは、また私の机の上に手のひらを打ち付けて、怒ってきました。




私「ひっ!」( °д°)

岡「ひゃっ!」( °д°)



二人して、肩をすぼめます。



近「ふざけないでっ!

なに、それ。

結局自分は悪くないって言いたいのっ!

どこの世の中に、人様の親が死んで、それを忌み嫌う子供がいるっていうのよ!

聞いたことないわっ!」(# ゜Д゜)∂



岡「そ、そうやないで?

ホンマに、ウチも聞いたんや、あの上田が言うてんのを。

あの子、ホンマにしんじゅの母親のことを気味悪がっとんのや。

それが原因やさかい。」(°д°;)



私「信じられないのはわかるけれど、どうも、それ以外理由が思い当たらないのよ。

ごめんだけど、信じてもらえないかな?」(^o^;)



近藤さんは、私たちをぐるりと眺め回して、腕を組んで言いました。



近「あきれた…。

そんなでっち上げて、あんな怯えた子をいじめ抜いているなんて、どこまで悪質な人間なの!

あの子、吐き気が止まらなくて、ほんとに苦しそうだったのよ?」(#`ε´#)



私「だから、私もそれはどうして、そう思うようになったのか、分からないのよ…。」(><;)



近「黙りなさい。

いくらいじめが発覚するのが嫌だからって、自分の母親が死んだことをネタに自分をかばうなんて、どこまであきれた人間なのかしらっ!

私は何度も忠告したはずよ、早く上田さんと仲直りしなさいって。」(# ゚Д゚) 



私「でも、話も聞いてもらえなくて、どうしていいかわからなかったんだもの。」ヽ(;´ω`)ノ



岡「そうやぁ?しんじゅは歩み寄りしようとしとったけど、アイツが毛嫌いして、逃げ出しとったんやないか。

それで迷惑こうむっとるのは、しんじゅの方やで?」ヽ(;´Д`)ノ



近「シャラーっプ!

もぉ、許せないわ。

あたし、おじいちゃんに話てたの。

今、ウチのクラスでこんな問題が持ち上がっている、どうも大人しそうな顔して、しんじゅという女の子に上田さんがおびえているらしいけれど、いくら忠告しても仲直りしないって。

さっきの話もちょっと聞いてたけど、もっとマシな言い訳を使いなさいよ、頭悪い。

どこの世の中に親が死んで、縁起でもないって、泣き出す子供がいるっていうのよ、信じられないセンスね。



それで、おじいちゃんが言ってたの。

まだ小学生だっていうのに、自分の間違いを認めないなんて、将来ロクな大人にならない。

これは大人になった時、周りに迷惑をかける、不穏分子になるに違いないって。

あなた、お父さんが実家で商売していたわよね?

あなたが上田さんに謝らない限り、おじいちゃんに言って、この町内会で、買い物をしないように、伝えておくわ。」(-_-メ



私「は?なに?」Σ(゚д゚;)



岡「なんやて?しんじゅの親?なんでそんな話になるんや?」(=◇=;)



私「え、ちょっと、やめてよ。

ウチの親は関係ないじゃない。」( ̄□ ̄;)



近「関係なくはないわ!

さっきも上田さんは親御さんを心配するあまり、吐き気を堪えて、自分をいじめ抜いてきたあなたに謝ろうとしていたじゃない。」ヽ(`Д´)ノ



岡「あいつ、謝ってへんやん!

アイツ、スキついて、しんじゅを叩きにきよったで?」( ̄□ ̄;)



私「ちょっと、やめてよ。

四季子ちゃんと、家の商売は関係ないでしょ!」( ̄□ ̄;)!!



近「いいえ、見せしめよ。

ウチのおじいちゃんはこの麻町の町内会長会長なんだから!

ウチのおじいちゃんの号令がでたら、町内会長は全員したがうんだからっ!

あなたみたいに、薄汚い根性の人には、ちょっとぐらい痛い目を見せたほうがいいっておじいちゃん言ってた!

これは社会に出た時のための、あなたのタメを思ってのことよ!

早く上田さんに謝りなさい!」゛(`ヘ´#)



私「え、ちょっと、謝るって、だから、私、なにもしてないって…。」( ̄□ ̄;)!!



岡「そやで?話を一方的に聞いて決め付けんのやめてんか!

おかしな話やんか、しんじゅの方が被害者やで!?

何を言うてんの?」(=◇=;)



近「それと、女子全員に言っておくわ。

今後、いっさい、しんじゅさんと口をきかないように。

あんな、かわいそうな子供をいじめて、どうして平気で教室に座っていられるのかしら?

その神経がわからないわ!」ヽ(`Д´)ノ



私「はぁ?でも、ちょっと家と学校のは関係ないから、変なことするのやめて!」( ̄Д ̄;;



岡「近藤さんやって、関係ないやん!

何を決めつけて、女子からハブろうって話になるんや!」ヽ(;´Д`)ノ



近「岡田さん、あなたも、この薄汚い女狐の肩を持つというのなら、今後一緒に無視するわよ!」ヾ(。`Д´。)ノ



岡「え、ウチ関係ないやん!あっ!しんじゅごめん。」∑(-x-;)



私「え、いや、いいよ。

でも、近藤さん、誤解だから!

せめて、家になにかするのはやめてっ!」(°д°;)



近「明日からは誰も口をきかないことになるから、覚悟してらっしゃい。」( ̄へ  ̄ 凸




近藤さんはそのまま教室を出て行ってしまいました。

私は慌てて、立ち上がって、彼女を追いかけようとしましたが、机の足に足をとられて、つまづきます。

体のバランスを崩したことで、後頭部の激しい痛みも襲ってきて、身動きがとれなくなってしまったのです。



岡「ちょ、しんじゅ、大丈夫か?」



私「くっ…ちょっと、うごけない…。」。(´д`lll)



岡「そやけど、近藤さんになんとかやめてもらうように言わんと!」!(´Д`;)



私「あぁ…でも、今は。

ダメだ、ひろみちゃんもハブにされてしまうから、よして。

そんな、きっと、小学生のいざこざで町内会長がどうこうなんて、しないと思うよ、多分…。」



岡「そぉかぁ?エライ剣幕やったけど、無事やといいけどな…。」(´_`。)



私は四季子ちゃんが、廊下にいて、自分の顔をひっかきまわしながら、私に対して呪いの言葉を吐き続けていたのが気になりました。

なんだか、これだけでは終わりそうにない…そんな予感に襲われたのです。



私の希望的観測を裏切り、私の実家の電話はそれからひっきりなしにかかってきました。


近藤さんの祖父・町内会長会長、いわゆる地方の自治組織の一番大きい単位、連区町の発言力は私の想像するよりも大きく。



私の父親は、私の母親が亡くなってからというもの、すっかり力を落としていたのですが。

7月に入って、もう少しすると夏休みが始まる、ウチの商店にとってはボーナス月間やぁと、気持ちも浮上しつつあり。


子ども会の夏祭りのイベント用に、いつもお菓子とジュースを納品していて、これを仕入れをして張り切っていた矢先の出来事で。


連日の電話は、町内会からの、夏祭り用のお菓子のキャンセルの電話で、一日5本から10本、多い時は20本ほどの電話が入り。


私の実家は、だいたい1800人分ほどの子ども会のお菓子を仕入れしていました。

今年は夫婦のウチ、一人かけたから、とりあえず半分仕入れをしておいて、私に店番をさせて、おいおい配達をしようと考えていたのでしたが、この夏、例年の3割ほどの売上しか伸びず。

倉庫には600人ほどのスナック菓子や缶ジュースの在庫をかかえ、父は頭を悩ませることになるのでした。

このお菓子はこの年にははけることができず、結局、翌年まで持ち越されます。


私の両親がこつこつと築いてきた地元の信頼関係はあっさりと破綻し、夏祭りだけでなく、秋祭り、子ども会の遠足、婦人会の集会、町民運動会、敬老会のバス旅行、子ども会のクリスマス会などの、各種イベントもすべてキャンセル。


そのうえ、私の実家の商店がある川本町内会では、私の店で食料品を購入することを禁じられ、近所の人がお店をおとづれることがなくなってしまいました。


父は泣きながら、毎日シャッターをおろし、市場で仕入れた生鮮食料品を毎月毎月処分し続けるハメに陥ります。


しんじゅ商会はこうして、経済的に大きなダメージを受けて、立て直すことができず、廃業までのカウントダウンを刻むしかなくなってしまいました。




そうして私が四季子ちゃんをいじめたという誤解は教室内で、既製の事実として扱われ。

そうした現状に、四季子ちゃんに同情的だった、保健委員の近藤さんによって、拍車がかけられます。


同調圧力からの、まさかの経済制裁。



モンスターチルドレン四季子ちゃんは、図らずとも、私の実家をめちゃくちゃにしてしまいましたが、四季子ちゃんはそれでも私に復讐(?)するのを諦めません。


私の予感は的中し、彼女は私を痛めつける機会を虎視眈々と狙い続けていたのです。



悪夢のような一学期の始まりです。











いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  

私はヨロヨロとふらつきながら、自分の席について、着席した。


小一時間立ちっぱなしのあれやこれやで疲労困憊だったのだ。

とにかく、落ち着こう…。




さきほどまでの、四季子ちゃんとのやりとり、どれも辛かったが、最後のバイオハザードばりのリアクションには心身ともに参ってしまっていた。

彼女は自分の手で自分の顔をひっかき、下のまぶたがめくれあがって、赤く充血した目をぎらつかせて、こちらを睨みつけてきた。


どんだけだ…。

どんだけ、私のことを、汚い存在だと思っているのだ。。(´д`lll)


手が触れただけで、肉体に作用する、毒かなにかを私が持っていると、彼女は想像していたのだ…。


思いもよらぬ展開に、打ちのめされていた。

あんな、公衆の面前で暴力沙汰を起こした四季子ちゃんが、無罪放免で、私がいじめをしたと決めつけられてしまった。


あまりのショックに頭が回らない…。(><;)




子供たちもざわざわして、帰宅するだけの状態だったが、プチカオスとなっていた。



なんか、さっき赤木、しんじゅのことを責めてたけど、あれ、ちょっとおかしくね?

ってか、結局上田、しんじゅにあやまってねぇじゃん、そこはどうなの?

ほんとに、しんじゅが上田になにかしたんかぁ?という不審に思うような意見もチラホラ聞こえてくる。



あれ、赤木、いっぱいいっぱいで、しんじゅを悪者にして逃げただけじゃねぇ?という感じの声も聞こえてきて、ちょっと落ち着いてきた。



そうか、そうだよな、きっと、今は赤木先生も興奮していて、また落ち着いたら話を聞いてもらおう…。

そんな風に、痛む頭を抱えて、頬杖をついていた。


教室内は子供たちのざわざわとした噂話の声で、落ち着かない環境だったが、ひろみちゃんが声をかけてきたのでした。




岡「だいじょうぶか?しんじゅ…。」( ̄ー ̄;



私「あ、ひろみちゃん…。」



彼女は心底、私のことを心配そうに顔をのぞき込んできました。



岡「おまはん、災難やったなぁ。

なんでか、よぉわからんけど、なんかめちゃくちゃな話になって、あんな始末や。

赤木先生もまいってまったんやなぁ。

ウチ、おまはんのこと、全然かばえんと、すまんなぁ…。

言葉が見つからへんかったんやわ…。」( ´(ェ)`)



私「あぁ、いいよ…。

無理だよ、四季子ちゃんの言い分、めちゃくちゃだもん、あれは誰でもなにも言えないと思うわ…。」(´_`。)



岡「そか?そやな、ありがとさん。

それより、おまはん、頭痛はどうや?」



私「あぁ…かなり痛む…。

なんか、疲れもあって、今、ちょっと動きたくない感じ…。

帰るの、もうしばらく後にしていいかな?

ひろみちゃんに付き合ってほしい。」(><;)



岡「えぇで?しっかり休んどきぃ。

無理はアカンは、ほんまに、赤木先生も慌てん坊やなぁ。

どっからどうみても、しんじゅがエライ目にあっとんのに、急に上田の肩持ち出したりして…。」



私「あぁ、なんか…誤解があったんじゃない?

あんな大勢で四季子ちゃんが泣きわめいて、他のクラスにも知れ渡っちゃったし、慌てたんだろうね。

きっと、また話せば通じると思うよ。」(´_`。)



岡「そかな~?そうやとえぇけど。」



学級委員「あの、ちょっとしんじゅさん、いいかな?」(´・ω・`)



一人の男子が声をかけてきました。

このクラスの学級委員である男子児童の広岡君(仮名)でした。



岡「どした?しんじゅは具合悪いんだから、手短にな。」( ´・д・)



広「あ、ごめん、さっきすごい音してたから、けがしているとは思うけど、ちょっと確認で…。」(´・ω・`)



私「うん、なに?広岡君。」



広「あのさ…。

僕、こう見えてもこのクラスの子のこと、けっこう見ているつもりなんだよね…。

その、上田さん?岡田さんも、しんじゅさんも、あんまり他の子と仲良くしてないから、あんまり性格が分かりづらかったんだけど…。

それでもさ、僕、しんじゅさんのこと、上田さんが言うような変な子供だとは思えないんだよね…。」( ´・д・)



岡「そおや!そのとおりや!よく見とる、広岡!」о(ж>▽<)y ☆



私「うん…それでなにが気になるの?」(´・ω・`)



広「あ、やっぱ、しんじゅさんって、話早いね。

さっきの先生とのやりとり見ても、頭いい子だなって思ったんだけどさ。

あのさ、僕さ、それでも上田さんって、そんなに悪い子には思えなんだよ。

いや、あ~ゆ~の見ちゃうと、ちょっとエキセントリックっていうか、ちょっと怖いんだけどさ。」(^_^;)



岡「えきせんとりっく?」(ㆁωㆁ*)



私「ヒステリー体質っぽいって意味だよ。多分。」



広「あ、そう。そんな感じ。

それでさ、僕さ、どうしてもしんじゅさんが悪い子にも思えない。

だから、二人の間になにか誤解があると思うんだよね。」



岡「そりゃ、違うで?

あの子が一方的にしんじゅを悪者にしとるだけや。

勘違いがあるというのなら、あっちの方だけの話やで?」(。・ε・。)



私「まぁまぁ、それは広岡くんの思うのも分かるよ。

私も上田さんと仲悪くするつもりがなかったのに、急にあーゆー態度をとられるようになっちゃって、困ってたんだよ。」



広「そうだよね。

保健委員の近藤さんにも、ちょっと言われててさ…。

あの二人、なにか仲違いしているようだから、どうにかしてよって…。」



岡「ほぉ~、学級委員は、そんな仕事まであるんかいな…。

大変だ、そりゃ。」( ´・д・)



私「そうなの。

私も近藤さんから、何度も言われているのよ。

喧嘩したか、なんかしらないけど、早く仲直りしなさいって。」σ(^_^;)



広「で、うまくいってない、と。

それで、僕にも相談されてて、最近注意深く観察していたんだけど、どうみてもしんじゅさんが上田さんに嫌がらせをしているふうには見えないんだよね。」



岡「言ってやって!いってやって!それ先生に。」ヽ(゚◇゚ )ノ



広「うん。それでね?

実は僕、ボーイスカウトやってて、田中裕貴(仮名)って子とも家族ぐるみで仲がいいんだよね。

知ってるでしょ?」



私「あぁ、裕君、うん、四年の時も一緒のクラスだったし。」



広「そう、それとサッカー部にも入っててさ。

杉山君とも仲良くて、ウチのクラスでゴタゴタしてるって話したら、二人共、しんじゅはそういうやつじゃないって言うんだよ。」



岡「およ?隠れた味方がいたな、しんじゅ。」(^ε^)



私「あぁ、二人共4年の時、同じクラスだったから。」



広「そう、で、口をそろえて、しんじゅは弱いものいじめするような奴じゃないって言うんだ。

絶対、それは相手の勘違いだからって。

あいつは弱いものいじめを一番嫌う奴だって言っててさ。

内心では尊敬しているっていうんだよ、あの子たち…。」



私「あぁ…そうだったんだ…。」(*・ω・*)



岡「ふふ、いいぞ。」



広「そう、サッカー部の矢部君も四年の時しんじゅと一緒だったって。

あのクラスで平気でいられたの、しんじゅのおかげだって、男の中の男だって言ってた。」



岡「ふふ、そやろ、そやろ、そいつら人を見る目あるな!」(*゜▽゜ノノ



私「一部間違ってるけどね。で?」(^_^;)



広「だから、僕、上田さんとしんじゅさんになにか誤解があるなら、仲裁させてもらえないかなって…。」



私「あぁ!うん、ありがと!助かるよ。うん。」(^_^)



岡「なんや、学級委員、いいやつじゃん。

ベンキョできて、すました奴やと思って敬遠しとったけど、話分かるやん。」( ̄▽ ̄)



広「え、敬遠されてたの、僕…。

でぇ、聞きたいのは、なんでしんじゅさんがあんなに嫌われているのかって話だよ。」



岡「それがわかれば苦労せんわ。

先生にもきっぱり説明できたやろうが、分からん?そこ。」(`ε´)



広「だからさ、人には人によって、気になるところとか違うじゃない。

本人は何の気なしでも、相手にとってはものすごく傷つく言葉とかあると思うからさ。

なにがあったのか、思い出して聞かせてよ。

ほら、きっと、なにかきっかけがあったと思うんだよね。」



私「う~ん、広岡君、悪いんだけど、真剣になにも思い当たらないんだよね…。

さっぱり理由が思いつかない…。」(^_^;)



広「ないはずないだろ?

あんなに、泣き叫んでいたんだから。

僕、気の毒になっちゃったよ。」



岡「そりゃ、おまはんも、男子やなぁ。

この場合、しんじゅの方が泣き叫びたいくらいやと、女子なら思うで?」( ´・д・)



広「いや、あの嫌がり方は普通じゃないでしょ?」( ̄Д ̄;;



私「そうだね、普通じゃないね、アレは…。」( ̄ー ̄;



広「だから、きっかけ!

例えば、いつからそうなったか?とかでも、なにかあるんじゃないか?

最後に交わした会話とか?」



私「……う~ん、最後に話したのは、私のお母さんが亡くなる直前に、四季子ちゃんの家にいって、玄関でお話したくらいかな…。」



広「なにを話した?」



私「え、えっと、前回家にお邪魔した時に、定規を忘れていたから、それを玄関で渡されて、別れ際になんかいろいろしゃべってて。

そんとき、ものすごく不機嫌だったかな。」( ̄ー ̄;



広「それじゃない?原因。なにを話してたの?」



私「え?四季子ちゃんは、自分の家が工場やっててうるさいとか、勉強に集中できないとか、お姉さんが邪魔とか、将来は金持ちと結婚するんだとか。」



岡「ん?普通の話じゃない?」(´・ω・`)



広「それぐらいで、あんなに毛嫌いされないでしょ。

他にはなにか話してなかったの?」(´・ω・`)



私「え?四季子ちゃんは、私のお母さんのことを、病気で入院しているなら、世話をしなくていいから、私のことをいいご身分だよね、とか言ってた。」



岡「え!?そんなことを?

で、しんじゅ、なんて返したの?」Σ(゚д゚;)



私「それは言い過ぎだわ…って言ったけど、苦労知らずのお嬢様が何言ってんの?って感じでとりあってもらえなかったな…。」



岡「それって、しんじゅの母ちゃんが死ぬ間際に言われたって事?

それで、なんでおまはんが責められんとあかんの?」Σ(゚д゚;)



広「え、それじゃ、話のつじつまが合わないよね。

変じゃない?」( ´・д・)



私「うん、だから、あたしもお母さんのお葬式が終わってから、四季子ちゃんがよそよそしくしているのは、最後に悪い言葉を使ったから、居心地悪くて、避けられているのかな…って思ってたくらいで…。」(;´ω`)



岡「で、そのまま避けられ続けている、と。

おかしな話やないか?」(。・д・。)



広「ちょっと、話が見えないんだけど。

それで、しんじゅさんが、お母さんが亡くなって、しばらくたって、学校に来はじめて、それから上田さんとなにか話をした?」



私「それが、目が合うと、避けられるって感じで、話にならなかったんだよ。」



岡田「そやった、そやった。

なんか、妙なことを言って、しんじゅのことをさけとったんやわ。」(´ε`;)



広「妙な事って?」



私「私もなんで、嫌われるのか知りたくて、上田さんに詰め寄ったんだよ。

そしたら、私の母親が死んだのが、気持ち悪いとか、喪が明けるまで話しかけないでとか、吐き気がするとか言い出して、それきり…。」



広「はぁ?他には理由がないの?」(; ・`д・´) 



私「わからないんだよ。

最初は避けられているだけだったのに、そのうち、教室にいるのが許せないって感じで攻撃しだしてきて、とうとう今日みたいな感じになってって感じで…。」



広「じゃぁ、しんじゅさんは、上田さんが自分のことを嫌う理由ってのがさっき言ってたみたいのだと言いたいわけ?」(  ̄っ ̄)



私「そう、どうやら、あたしのお母さんが死んだのが、縁起が悪くて、それでその家族と接触すると、自分になにか悪いことが起きると信じているみたい…。

そうか、さっきのも、そういうことか…。」( ̄ー ̄;



広岡くんはすっと表情を変えて、そばを離れました。



岡「え、ちょっと、どしたの、広岡君。」



広「…あきれた。

いくら自分の親が死んだからって、そこまでして、そんな理由で同級生のことを悪くいうなんて、軽蔑したよ。

もっと、賢い人だと思ってたのに、残念だ。」( ̄^ ̄)



私「え…?」



岡「え、ちょっと、おまはん、何を言い出すの。

しんじゅは思ったまま、言っただけやで?」( ̄□ ̄;)!!



広「どこの世の中に、同級生の親が死んだからって、いみ嫌う子供がいるの。

それを理由に相手を非難するなんて、どれだけ周りから同情を集めたいの、最低だね!

どれだけ自分好きな人間なのって話だよ、気持ち悪い。

悪いけど、僕、もう、君の肩を持たないし、こんなクラスに混乱を招くような人とは付き合わない。

僕は男子全員に声をかけるよ、二度としんじゅさんと口をきかないようにね!」( ̄^ ̄)



岡「え、ちょっと!え、待って、ほんとの話だからっ!」(  ゚ ▽ ゚ ;)



私「違うよ、嘘じゃないよ、ホントの話だから!」( ̄□ ̄;)!!



広「………。」



広岡君は、私たちの訴えを無視して、どこかに行ってしまいました。



比較的、私に同情的だった男子の意見はそうして統一されてしまい、以後、私は誰からも口をきいてもらえなくなってしまったのです。



岡「なんちゅうことや…。

いったい、しんじゅが何をしたというんや…。

なんで、こんなことに…。」(°д°;)



私「分かんないよ…。」( °д°)



呆然とする、私たちをよそに、一人の児童が声をかけてきました。



私の机にダンッ!と力強く手のひらを打ち付け、私をにらみつけてきます。



それは四季子ちゃんを保健室に連れて行った、保健委員の女子、近藤さん(仮名)なのでした。







いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓
  














ここの話を書くために、この少女時代121シリーズを書いていたように思う。


セクハラ疑惑を匂わし、追い詰められ、後に引けなくなった赤木先生は四季子ちゃんに絶対に自分の非を認めさせようとむりやり謝らせる方向に持っていった。


そこで、再び四季子ちゃんは、私に暴力をふるい(ほぼ未遂)そのまま教室を飛び出していった。

ここまでは、まだ、想定内だったが、ここからの出来事は、本当に悪夢のようだったのだ。




昭和60年代、コンビニも映画館もない、のどかな田舎の麻町小学校のとある6年生のクラス。

これが絶対王者、四季子の小学生ハイカースト政治の幕開けの瞬間でもある。(ウソです♪)







バァン!という大きな音を立てて、白い教室のドアが勢いよく開け放たれて、四季子ちゃんは直角に曲がって廊下を飛び出していった。


バタバタという足音が廊下から聞こえて、あ、上田逃げたね…というつぶやきが教室内のあちこちであがる。




おいてけぼりをくらった赤木先生は、呆然としており。



私はたいしたけがにならなくてよかったと、ほっと一息ついてのだったが、そこで四季子劇場は終わらない。



絶対王者四季子は、絶対に自分の非を認めない。

自分を苦しめた人間には、ぜったいに仕返しをする、それも倍返しだ!倍返しだ…(←エフェクト効果でお願いします)


(あくまで本人の主観だが)拷問にも似た仕打ちを受けた自分を貶めた人間を陥れるまでは教室には戻らない。

そのタフネスさには驚嘆を隠しきれない。

やるといったらやる。

自分に絶対の自信がある四季子ちゃんは有言実行の女の子である。

のちに、自分の工房を立ち上げ、お菓子製品を世に出すようになる自営業者四季子ちゃんの幼き日の姿がここにあった。



バタバタという足音はすぐに消えた。

そして、廊下から響いてくる、異様な物音。


どうやら、四季子ちゃんは、教室を飛び出して、数mで廊下に座り込んだのだ。





四「おぉヴぇえええええぇえええええ!!」



四季子ちゃんの嘔吐する声らしきものが廊下から響いてくる。



クラス内が騒然となって、みな廊下側の窓を開けると、そこには廊下にへたりこんだ四季子ちゃんの姿があった。



私と赤木先生も、彼女が飛び出していったドアに身を乗り出して、廊下をのぞき込む。



四季子ちゃんは、なぜか飛び出したドアの側に向かって座っており、廊下に手をついていた。

走り去った方向で、座っていたのならば、背中を向けているはずである。



教室内にいる人間に見せつけるために、こちらを向いていたのだと推察されるが、偶然かどうかな?





四「オゥヴゥヴェヴェェエエエ!」





再び、嘔吐するような声を出した。

四季子ちゃんは、もともと声量がとても多い。

つまり、地声がとても大きい子なのだが、この時はことさら大きな声を出して嘔吐をする格好をしだした。


ちなみに、嘔吐物はない。

口から声を絞り出しているだけである。




私「……。」( °д°)


赤「……。」( °д°)



窓際の席の子たちも、廊下をのぞきこんで、目が点になっている。


そこまでやるのか…という感覚である。




四「オゥエェェエェエエエエェェエエ!

汚らわしい、ォオヴェェエエ!

カハッ!」





四季子ちゃんは、むせたようで、咳き込んでいた。

その様子は本気で苦しがっているように見える。


あちこちのクラスで、キュラキュラと、廊下側の窓が開く音がする。

何事かと物音を感じ取った生徒たちが、こっそり様子を見ようと少し窓を開けたようだった。





赤「…なんだ、あれは…。」(°д°;)


私「……さぁ。」( ̄□ ̄;)




四季子ちゃんは、私たちのつぶやきが聞こえたようで、顔を上げた。

そして、教室の白いドアから私の顔が飛び出しているのをみて、驚愕の表情を見せた。



四「きゃっぁああぁあああああああああああ!

ケガレがっ!

あの、汚いのに、アタシ、触っちゃったぁ!

おぉヴぇえぇぇっぇえっぇえええええええ!!」





四季子ちゃんは、私も見て、泣き出し、両手を自分の顔に当てて、悲鳴を上げた。


両隣のクラスは何事かと思って、廊下側の窓を全開にして黒い頭がひょこひょこと窓越しに飛び出してくる。


赤木先生はあわてて、なんでもないです、と言った。




四「きゃぁああぁぁあぁああぁああああああああああ!

けがらわしい!

ケガレタのに、触れた手で、アタシ、顔を触っちゃったァ!!

穢れるっ!

アタシの体が、肉が、血が!穢れるっ!

いやぁああああああああああああああ!」




四季子ちゃんは、バイオハザードかなにかのように、私のことを思っていたようだった。

彼女は涙を流しながら、自分の顔を両手でつかむと、そこから指で肉をひっかくようにして顔をいじっていた。






四「いやぁぁあぁぁああ!

清らかな、アタシの、綺麗な顔が!

あの、腐った女のせいで、アタシが、アタシが汚れるうぅ!!」



尋常じゃない声量で、四季子ちゃんは、泣き叫んだ。

そして、同じフロアの全ての教室の窓が開け放たれて、緑色の床の廊下側ににょきにょきと黒いあたまが生えているように見える。


中には両隣のクラスの担任の先生が何事かと、ドアを開けて、様子を見に来る。

赤木先生は、とりあえず私を教室内に引っ張り込んで、大声で隣のクラスの担任の先生に、ちょっと叱ったら飛び出しただけです、こちらで落ち着かせますから、心配しないでください…とか、そんな受け答えをしていた。


私は四季子ちゃんに、空気感染する病原菌かなにかのように思われていたことにショックを受けた。(´д`lll)


教室内にいる子供たちも青ざめている。

いったい、これはなんなんだ。




赤「上田、ちょっと、お前、落ち着け…。」(´Д`;)




四「いやぁぁあああああああ!

しんじゅに触った先生、あっち行ってぇぇエエェ!」




赤「わ、分かった。」(°д°;)



赤木先生は動転して、私と同じく教室内に引っ込んだ。


四季子ちゃんは、廊下でまだわめき続けている。

おえぇえ、とか、うぉおえお、とか、嘔吐を繰り返す音が聞こえてくる。


『先生、気持ち悪いです』と主張する生徒がいたため、先生は廊下側の窓を全部閉めるように指示をした。


ただし、四季子ちゃんが座っているすぐそばの席の一人のリーダータイプの男子には、窓を開けて様子を観察するようにと伝えている。


四季子ちゃんは、この時、自分が飛び出したドアから反対方向を向いて座っていたらしい。

私の顔を見て、怯えて、反対側へと体の向きを変えたようだった。



廊下からは、相変わらず私を呪う言葉と、嘔吐と、咳き込む音が聞こえてくる。




赤「どうだ?犬飼。」( ;゚─゚)



犬「上田、吐きました。」



赤「え?吐いたのか?それじゃ、片付けに。」



犬「あ、吐いてない。吐いたフリだけです。」



赤「そうか。」



犬「あ、吐いた。」



赤「ほんとか?」



犬「あ、見間違いです、吐いてない。」



赤「そうか…。」



犬「あ、吐いた。」



赤「今度はほんとうか?」



犬「あ、やっぱ吐いてない。

ちょっとつばがでただけ。」



赤「ちょっと待てちょっと待て、なんで吐いたとか、吐いてないとか、見間違えれるんだ?」( ̄Д ̄;;



犬「アイツ、自分では吐いているつもりなんですよ。

でも、口からはなにも出てない。

でも、口から出たものを触っているフリをしてて、頭おかしいんじゃないですか?

ってか、俺も見てたら気持ち悪くなってきた。

窓閉めていいですか?」(−_−#)



赤「あぁ…すまなかった。」



廊下からは、それでもオヴェエエエエエエ!という、嘔吐するような音が聞こえてくる。

教室内にいる子供たちはそれを聞かされ続けて、精神的に参ってきた。



赤「あれはなんなんだ、しんじゅ。」



私「なんなんでしょう。」



赤「上田になにかしたのか?」



私「私にもさっぱり。」



赤「じゃ、なんで上田はあんなに苦しがっているんだ?」



私「それを私にいわれても…。」



赤「なにかあったんだろ?上田と。」



私「いいえ、さっぱり、わかりません。」



赤「そんなはずないだろ。

お前を見て、気持ち悪いと苦しがっていたぞ。

あそこまで嫌がるということは、お前がなにかしたんだ。」



私「なんのことだか。」



赤「お前が覚えていないだけなんじゃないのか?」



私「私が教えて欲しいぐらいです。」



赤「ふざけているのか?」



私「なにがなにやらです。」



赤「…あの苦しがりよう、なにかあったんだ…。

やっぱりお前が最初になにかして、上田はあんなに意固地になっていたということだな?」



私「いえ、ほんとに、私にはなにが何やらなんですよ、先生。」



赤「…反省の色がない。

お前には反省文の提出を命令する!

以後、上田のあつかいには気をつけるように!」



私「え、先生、私、なにもやってない!」( ̄□ ̄;)



赤「かわいそうに、上田、あんなに苦しんで…。

保護者呼び出しもなしにしよう。

悪いが、保健委員!上田を保健室に連れてやってくれ!

あ、女子の方な!」



私「先生、誤解です。

私、上田さんに、なにもしてません。」( ̄□ ̄;)



赤「俺はお前の見方が変わったぞ、しんじゅ。

勉強はあんまりだけど、大人しくていいやつだと思っていたが、俺の見る目がなかったようだな。

あんなに苦しんでいる上田の体をきづかうどころか、自分は無実だと訴える、その神経。

誰にも気付けないはずだ、きっと上田は純粋な子供だったんだ。

お前が影でいじめていたんだな!

反省文を明日までに提出すること。

以上!」




こうしてホームルームが終了した。


以後、私はクラス全員から、上田四季子を尋常じゃないほど、精神的にいじめぬいた犯人として扱われることになった。



まさかの逆転無罪。



四季子ちゃんは、私に大怪我を負わせたという事実をうやむやにし、自分を被害者として演出することで、私を極悪非道な加害者へと仕立て上げた。


見事な腕前である。



そうして、この日から、一ヶ月ほど、私はクラス全員から挨拶をしても、無視され、陰口を叩かれ、軽蔑の眼差しで見つめられる、針のムシロの生活を送ることになる。


ただ、教室内での扱いが悪くなるとか、話はそれだけではすまなかった。

私の実家の稼業にも影響してくる話なのである。



それは保健委員の女の子がきっかけだった。





つづく。













いつも最後まで読んで下さりありがとうございます。
↓応援よろしくお願いいたします↓