私「暗示?」



兄「あぁ…お前を強くするために、たくさん暗示をかけてあるんだ…。」



そう兄は言うと、私の頭に手をかざして、うっとりした表情をしたのでした。



兄「この清々しい霊気…。

癒しの空気…。

お前のそばにいるだけで、胸の奥が温かくなる…。」



私「???私は自分ではよく分からないわ?」



兄「お前は気づいていないのか?

お前は赤ん坊や動物から好かれている。

お前の気配に本能的に安心感を覚えるからなんだ。」



私「そうかもしれないけれど、やっぱり自分ではよく分からないの。」



兄「あぁ、そういうものかもしれないな。

なぜ、こんないい子をいじめるんだ…。

俺からすれば、理解不能だ。」



私「私にもよく分からないのよ。」



兄「それにお前には何者かの加護がついていると俺は考えている。」



私「かご?」



兄「あぁ、護りを加えるという意味だ。

保護者のごという字と加工のかで、加護。

徳を積んだ僧侶にも似た空気、聖人と言われる人物を影でささえていると言われる、目に見えない存在の事だ。」



私「えぇ?聖人と一緒なの?」



兄「あるいは、それに近いという意味でな。

俺にもお前を守護している存在の姿まではつかめない。


だが、お前の他に何者かの気配を感じることがあるんだ。

それは黄金に輝く天使のようなものだ。

あくまでイメージだがな。」



私「私に天使がついているっていうの?」



兄「あぁ、おそらくは。

お前の信じがたいほどの生存率を思うと、そう考えざるを得ない。

通常ならとっくに死んでいるハズの状況でいつも無傷、あるいは軽傷で助かっている。

それが、俺がお前に何者かの加護がついていると考える根拠なんだ。」



私「加護…。天使とか信じていなかったけれど、なんだか素敵ね。」



兄「あぁ。

だが、逆に、それはお前の人生に過大な試練が待ち受けているという意味でもあると考えられる。」



私「え?」



兄「通常より護りが厚い、つまりそれだけ危険にさらされている存在という意味でもある。」



私「は…。なに、それじゃ、天使がついていない方がいいって事?」



兄「あくまで俺個人の意見だがな。

わざわざ天使まで配置してお前を守っているということは、逆を言えば、お前はそれだけ命の危険にさらされ続ける運命を持っていると考えられるからだ。」



私「なにそれ…。

私、ただの普通の子だよ?」



兄「『ただの普通の子』か…。

俺たちがそう仕向けたから、当人がそう思うのも無理はないが、お前は普通の子どもではない。

知能一つとっても、通常レベルを超えている。

絶対音感もある、五感に優れ、さらに超感覚も持ち合わせている。

どこをどうとっても、普通の人間ではないんだ。」



私「え…、そんな、でも、危険なのはイヤだよ…。

怖い…。」



兄「あぁ…それはイヤだろうな…。

俺がお前の立場だったら、やはりそう思うと思う…。


お前は例えるなら光の存在で、お前を疎ましく思う闇の存在がお前を常に付け狙っている。

俺にはそう、感じる。

お前に天使の加護があるのは、お前を抹殺しようとする悪魔の存在が背後にいるからなんだと。」



私「え…そんなの、私には分かんないよ…。

怖い…。」



兄「だからだ。

俺はお前を強くするようにと、暗示をかけた。


俺は俺の全精神力を傾けて、お前に俺の全知力を注ぎ込んでお前を教育したし。

お前がこころ折れないように、暗示もかけてある。」



私「え…。それはなに?」



兄「俺がかつて持っていて、失ったもの。


正しいことを正しいと言える強いこころ。

美しいものを美しいと感じる優しいこころ。

間違っていることを間違っていると言える強い精神力を。

弱いものを助ける、優しさと強い精神力を。


俺がかつて失った純粋な心をお前が持ち続けれるように暗示をかけた。

そして、俺の思考パターンをトレースさせて、精神構造にがっちりと組み込むようにもしてある。」



私「全然気付かなかったよ…。」



兄「…本当は、こんなことをしたくなかった…。

なぜなら、それはお前の本質を覆い隠すことになるから…。


お前の真性は『善』だ。

他者の気持ちを思いやり、共感し、融和する、共和的な精神なんだ。


俺がお前に注ぎ込んだ事は闘いの能力なんだ…。


俺がしたことは、お前の本質を歪め、お前本来の姿を覆い隠すことになりかねない。

だが、今は異常事態だ。

お前の担任が異常性格者であり、常にお前は嫌がらせを受け続けていつ発狂してもおかしくない状況に追い込まれている。


だから、俺はお前に俺の全精力、知力を注ぎ込み、お前が悪に負けない戦闘力を身につけさせたんだ。」







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