雨の中、土の上にコンクリートの台をかませて設置してあるジュースの自販機へと向かいます。

ヒョイヒョイと飛び石に乗る要領で、機械の前に立ち、温かいドリンクを購入して、少しずれて。

中庭に面した、渡り廊下の屋根の下で、二人ジュースを飲んでいました。

私が顔をほころばせてジュースを飲んでいると、友人がしげしげと顔をのぞいてきます。


友人F「アタシさ、前から気になってたんだけど、お前なんで太んないの?」


私「ん?肉食わないからかな?」


友人F「いや、だって、お前大食いだろ?

そんで、ジュース平気で飲むじゃん。

運動部ならまだしも、お前文化系だろ。

気になるじゃん。」


私「あぁ~…。

多分、燃費が悪いんだな。

アメ車並にガソリン喰う感じ。」


友人F「食っても太らないってか?

なんか羨ましいぜ。

秘訣はなんだ?」


私「あぁ~…。

多分、いつもしょっちゅう考え事をしているからだな。

あと、胃下垂。」


友人F「お前、乙女が胃下垂とか言うなよ。(苦笑)

で、なんで考えことをしていると痩せになるんだよ。」


私「あぁ、脳が活動するのに、糖分を消費するんだ。

見た目以上にカロリーを消費しているから、食っても食っても腹が減るし、体に肉がつくほど、栄養が回らない感じだな。」


友人F「ふぅ~ん?ダイエットいらずか?

便利な体だな。」


私「いや、でも、しょっちゅう眠気が襲って来るし、いつも腹減って辛いよ。

ウチ、貧乏だしさ、メチャクチャたっぷりご馳走とか食べたい。」


友人F「あぁ~、なんか、モスバーガー全種類食べたいって言ってたっけ。

あれ、マジなんだ。」


私「マジマジ!なんか、お祝いごとがあったら、やるんだっ♪」


友人F「うぅ~ん、なんか、お前、ほんと小市民だな。

とても霊能力者とかには、見えん。」


私「マジメに生きてるぜぇ~?」


友人F「ふぅ~ん、運動せずとも、痩せられる代わりに、いつも考えことをするのか。

そっちのほうが向いてないな、アタシ。

無理だわ。」


私「ふぅ~ん?」


友人F「で、さっきの話だけどさ。

お前、自分の持ってるもん使えば、いくらでも悪いことできんじゃん。

でもやらないじゃん。

なんで、そんな風になれんの?

そこも不思議なんだよな。」


私「あぁ…。

うん、まぁ。」


友人F「お前の過去聞くと、いくらでもグレる要素あるじゃん。

なんで、そーならなかったのかも、不思議なんだよな。」


私「あぁ、まぁ、なんとなく。」


友人F「特にお前の親父、フツーにサイテーじゃん。

そんでもさ、親の影響受けないのが、不思議なんだよ。

親に逆らえないのなら、他の人間に八つ当たりするとかさ、学校で荒れるとかさ、フツーグレるでしょ。

そこも無いしさ、お前、なんで普通でいられんの?」


私「これもなぁ。

自分ではよく分かんないんだけど。

いや、多分、きっと親に似ている要素もあると思うよ、気づいていないだけで。」


友人F「そんな感じには見えないけど。」


私「や、ズボラなトコとか、けっこう父親似だよ。

でも、そうだな…。

多分、もう、生まれ持った性格、性分じゃないかなって思うんだ。」


友人F「しょうぶん…。なるほど、生まれつき最初から持ってた性質って訳か。」


私「ん~、多分。

自分でもちょっと説明がつかないんだよね。

確かに、親に似るのが普通だし、それだと、アタシかなりの困ったちゃんになってるハズなんだよ。

でも、なんかなぁ。

なんか、どっか、最初から、こういう性格だった、って感じなんだよなぁ。

確かに、ズルしようと思えば、いくらでもできたと思うんだ。

でも、なんか、それ、性(しょう)に合わない。

したくない。

そうとしか、言えないんだよね、頑固とも言えるけど。」


友人F「あぁ、頑固だな、お前。」


私「なんだろなぁ。

傍から見ると、損してるだけに見えても、そこでズルしちゃう方が、ダメなんだよ。

なんかさぁ、こう、自分の心に嘘つく感じ?

他人にはバレないんだから、やっちゃえって思わないこともないんだけどさ。

それ、狡くない?それやって、自分、気持ちよく生きてけるの?って考えるとさ。

ヤなんだよ。

自分に正直に生きている方が、楽なんだよね。」


友人F「お前、融通がきかないっていうか、不器用っつーか。

いろいろ持ってんのに。」


私「兄貴にも、それ、言われたけどさぁ。

自分の心に真っ直ぐじゃないと、気持ち悪いっての?

悪いことを考える方が、ストレスなんだよね。

なんかさ、自分を良く見せるために言うわけじゃないんだけどさ。

『善』なんだよね、心の向きがさ。

最初から、そういう設定で生まれてきたって感じなんだよ。

こればっかりは、もう、どうしようもない感じ?」


友人F「心の向きが善…。

確かに、お前、そういう感じだな…。」


私「う~ん、なんなんだろうね。

私ね、世の中に悪人はいないって思ってんだよ。」


友人F「マジかっ!?

お前、頭大丈夫かっ!?」


私「いや、オカシイんだけど、マジでそう感じてんの。

理屈じゃなくて、そう信じてんの。

理屈だと、そんな訳あるかっ!って思うんだけどさ。

世間で言われる、悪人って、気の毒な人のように思えちゃってさ。

なんか、人を見る目、アタシ、ゼンゼン無いの。」


友人F「お前、それ、かなりヤバイぞ?

よく今まで生き残ってこれたな!」


私「そう、そういう点ではおたんちんなの。(この地方の方言でおバカの意味。)

だから、アタシ、頭わりぃなぁってのが、コンプレックスなの。」


友人F「あぁ、確かに。

お前、アンバランスなんだな。

すげー精神年齢高いって思わせときながら、次の瞬間、とんでも無い事言い出しやがる。

ふざけてんのかってビックリさせられるわ。」


私「おぉ、アタシも自分の将来が心配だぜ。」


友人F「お前、霊能力あっても、使わねーんじゃ、役に立たないしな。

もったいな。」


私「霊能力、欲しいのか?」


友人F「ん?あったら便利かなと。

でも、体質だから無理なんだろ?」


私「いや、誰でも簡単に、霊能力が手に入る方法あるぞ?

今、思いついた。」


友人F「マジでっ!

どんな方法だよ。」


私「霊能力を発動させるには、古い脳を活性化させればいいんだ。」


友人F「それで、どうやるんだ?」


私「理屈は簡単だ。

爬虫類も持っている古い脳ってのは、本能的な部分を司るんだ。

つまり生存本能を刺激すれば、誰でも霊能力が開眼するぞ?」


友人F「どうやる?」


私「あぁ、生きるか死ぬかのギリギリ体験をすればいいんだ。」


友人F「は?」


私「私も、何度か死にかけた事があるが、そん時不思議体験をした。

多分、理屈は合ってる。

ちょっと、車にはねられて、臨死体験するとか。

誰かにサンドバック並に殴られて、気絶するとか。

なんなら、サバイバルナイフ一つ持って、秘境クラスの山奥に放置されるとかでもいいんじゃないか?」


友人F「オイ!!それのどこが簡単な方法なんだよ!?」


私「誰だって、やろうと思えば、できるじゃないか?

年齢、性別、体質の制限もなく、フリーだ。」


友人F「そーゆー問題じゃねぇ。

生きるか死ぬかの体験を誰が好き好んでやるんだよ!?」


私「じゃ、強制的にやらされればいいじゃないか?

殺し屋に自分を殺してくれと依頼といて、なんとか生き残るとか。

水だけ持たされて、洞窟に閉じ込めてもらうとか。

格闘家に十人がかりで殴る蹴るの暴行をしてもらうとか。」


友人F「どーして、そーゆーハードな事ができんだよっ!

もっと安全に、もっと楽に、確実な方法はないのかよ?」


私「えぇ~?生きるか死ぬかのギリギリに追い込まれるからいいんだよ?

楽して、確実に助かると分かってる体験じゃ、ただ痛い思いするだけで終わっちゃうよぉ?」


友人F「お前はぁ~!

もっと、マシな提案はできないのかっ!?」


私「もぉ、ワガママだなぁ。

じゃ、ハードル下げてぇ。

そうだな、高所恐怖症の人に、バンジージャンプをさせるとかぁ。

閉所恐怖症の人に真っ暗な倉庫に水とオマル持たせて、三日間閉じ込めるとかぁ。

照明を顔に照らして、大声あげて、三日ぐらい眠らせないとかぁ。

それくらいなら、命の保証はできつつ、霊能力が開眼する可能性も高いと思うけど?

残念ながら確実とは言えないけどね。」


友人F「お前、それ、どっからどうみても拷問だろうがっ!

お前のどこが『善』なる人なんだよっ!

恐ろしいわっ!

やめたやめたっ!

やっぱ、霊能力なんて、いらねーよっ!」










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