私「そぉかぁ?」


友人F「そうだよ、ゼッテー違いねぇって。」


私「カカカ!」


友人F「笑い事じゃねーって。」


私「あ、そうだ。

フクちゃんさ、前にたずねてたジャン。

これから不景気が来るなら、どんな職業がいいかって。」


友人F「あぁ。」


私「ウチの兄貴に聞いたんだけどさ。

不景気には娯楽産業がいいんだって。

むしろ、不景気にこそ強いっつってた。」


友人F「娯楽産業?なんだ?」


私「パチンコとか、ゲームとか、映画とか、アニメとか遊園地とかゲームセンターとかのレジャー施設とか。」


友人F「パチンコか、それなら!」


私「いや、就職先っつー意味でな。」


友人F「わぁってるよ。」


私「カカ!ホントに分かってるのか?

で、漫画とか、アニメとか娯楽産業は景気に左右されないし、むしろ不景気の時こそ人々が求めるものだと言ってた。」


友人F「おぉ、でも、それって…。」


私「ん~、商業高校の募集にはそういう産業無いよな~。

パチンコ店の募集とか聞いたことないし、アニメ制作会社とか出版社って、東京とか大都市でないと無理だろ。

遊園地の募集とかも聞いたことないし。」


友人F「あぁ、やっぱ、そうだよな。」


私「あとは、漫才とか、お笑いとか。

吉本どうだ!?」


友人F「ちょ、何言ってんだよ。

お笑い芸人になる気なんて、ねーよ!」


私「そうかぁ?すごく向いていると思うけどっ!!

フクちゃんの突っ込みは才能アリと見たっ!

今なら、狙いめだぜぇ?」


友人F「無茶言うなっ!

ここが大阪ならまだしも、愛知だろう!」


私「カカカ!だよな!

東海エリアにもお笑いの文化を根付かせないとっ!

大阪の独走を許してはいけないとかウチの兄貴言ってたぞ!?

受け答えにヒネリがないと、ガッカリした顔をする。

アイツ、妹になに期待してんだかっ!

エラソーに物言いやがってっ!(笑)」


友人F「あぁ、男の兄弟いるやつ、たいていそう言うよな。

兄貴風ふかすっつーか、兄貴ってのはそういうモンなんじゃねーか?

アタシは兄弟いないから、うらやましいよ。」


私「ん?そうか?

まぁ、生まれた時からもういるからな、いないってのが想像できないけど。

一人っ子ってのも、なんかよさそうな気がするけどな。」


友人F「ま、あれだな。

隣の芝生は青いっつー感じだな。」


私「言えてる。(笑)」


友人F「ふぅ~ん、パチンコ業界がいいのか…。」


私「あぁ、営業としてはいいって意味だ。

客として行く分には、金を吸い取られるだけだぞ?」


友人F「…わぁってるよ。」



友人は腕組みをして、雨が降る中庭を眺めて、遠くを見つめました。

私はそれを横目に見ながら、頭の後ろに両手を組んで、独り言みたいに話し出しました。


私「ウチの兄貴、コンピューターに強いからシステムエンジニアになったんだけどさ。

高卒だからって、会社で正論言ってもあまり取り上げられないって、ぼやいてた。

こんだけ、知能が高くて才能のある自分を活かそうとしないなんて、ガッカリだとよ。

アメリカのテスラ社にでも就職して、電磁波で地震発生装置でも開発したかったとか言ってたなぁ。

いるみなてぃがどーの、こーの言っててさ、私にもそっちの道行かないか?とか意味不な事言ってたし。

あぁ~、頭のいい奴って何言ってんだかよくわかんねーな。」


友人F「ふぅ~ん…。」


私「…フクちゃん、何があった。

彼氏と別れたのか?」


友人F「!お前、ナニ唐突に言い出すんだよ!」


私「さっきからパチンコのキーワードに引っかかってソワソワしているし。

両腕を組んで、腕をさすったり、自分を守るようなしぐさをしている。

何か辛いことがあったんだろ。」


友人F「!ちげーよ、何もねーよ!」


私「隠さなくていい、パチプロの彼と別れたんだろ。」


友人F「な!お前、なんでそんな事!

お前に言った覚えは無いぞ!」


私「話したはずだ、相手の頭の中が見えると。

二人で教室で話し込んだ晩、フクちゃんが嬉しそうにパチンコ台の前で機械をいじっている男の人から説明を受けているのが見えた。

見た感じ、まだ彼氏、彼女の雰囲気ではなかったけど、親密な空気が漂っていた。

あの時も、パチンコをバカにしたら、フクちゃんは私の頭をつかんで怒っていたし。

いつも私にくれるお菓子はパチンコの景品にありがちなものばかり。

親からもらったものじゃない、彼からもらっていたんだと想像がつく。

だから私は付き合う人間は選べよ、と言ったんだ。」


友人F「かなわねーな。

すべてお見通しかよ…。


お前、アタシのことを軽蔑しているんだろ?

パチプロなんかと付き合った、アタシの事をバカにしてんだろ?」


私「フクちゃんを軽蔑もしていないし、バカにもしていない。

好きになった相手がパチプロだった、というだけだ。

こっちの都合でどうこうできるものじゃない。」


友人F「それじゃ、お前パチプロをバカにしてんだろ?」


私「私なら、職業としてパチプロを選ばないというだけで、パチプロになる人の事をバカにしている訳じゃない。

それは個人の自由だし、私は自分の価値観を他人に押し付けるつもりもない。」


友人F「じゃ、なぜ反対してんだよ。

パチプロする奴をバカにしているからだろ?」


私「パチプロ、賭博を職業にするってのは個人の自由だし。

あれは無頼(ぶらい)なんだよ。

誰にも頼らないし、頼れないという生き方だ。

社会人としては少数派だからといって、否定するつもりもない。」


友人F「じゃ、なぜ、アタシが付き合うのを反対したんだよ。」


私「パチンコでお金を稼ぐことを職業とした場合。

例えば最低でも月10万円は稼がないといけない。

食費や水道光熱費、家賃が5万円くらいに、それ以外にも国民健康保険や国民年金の支払いを賄うには最低これだけ必要になる。

年収に換算すると、120万円。

これじゃ、レジャーや外食なんて、財布の中身が気になってとてもじゃないけど楽しめたものじゃない。

友達にそんなのと付き合わせておいて、平気でいられないよ。」


友人F「なんだよ、年金なんて払わなければいいじゃないか。」


私「そういう手もある。

それだどお金が浮くけど、病気やケガをした時、保険証が無いから病院で実費10割負担で医者にかからないといけないし。

60歳過ぎた時、生活費として年金が入らなくなるなら、その分貯金をしとかないといけない。

そういう計画性がない人間が、毎月貯金をするとも思えない。

税金だって払わないだろう。

誰にも頼らない代わりに、誰にも頼れなくなる、それが無頼だ。

これは結局自分一人の面倒しかみれない人間だってことだ。

生き方は個人の好き好きだから、否定はできないよ。

でも、権利だけもらっといて、義務を果たさないのと一緒。

社会にいながら、相互扶助がない、人として幼い。

友達を任せられないから、やめておけと言ったんだ。」


友人F「でも、生活費なら親元で暮らせばタダじゃん。」


私「確かに親元で暮らせば、家賃はタダだ。

食費も光熱費も持ってもらえるかもしれない。

けど、この世の中で一番確実な事は、人間、誰しも必ず死ぬ、という事だ。

順当にいけば自分より親の方が先に死ぬ。

その時、住む家をタダで引き継いだとしても、維持費や固定資産税がかかる。

それまで親がかりの状態を続けた人間が、それを賄えるだけの収入があるのか?という話だ。」


友人F「でも、だって、そんなの、何十年か先の話だろ?」


私「人間、いつ死ぬかなんて、分からない。

現に私の母親も、私が小学生の時に死んでいる。

20年、30年、40年先には確実に親は死ぬよ。

中年になったころに、親が死んで生活がうまくできない、では困ってしまうだろう?」


友人F「お前が特別だろ?
そんな急に親が死ぬなんてことないだろ。」


私「確かに私の場合は特別に早いし、気の早い話かもしれない。

けど、パチンコで月10万稼ぐのは難しい。

普通10万突っ込んで、10万帰ってきたら万々歳のレベルだ。

あれは定収入を持った人がストレス発散のために遊ぶものだ。

普通は年間トータルでみると、よくてトントン、普通ならマイナスだ。

時々でかい入りがあるから、稼げているような錯覚を起こすだけで、必ずマイナスになっているものなんだよ。」


友人F「でも、パチプロで飯食ってる奴らいるだろ?

勝ってるじゃないか。」


私「確かに勝っている人間もいるんだろう。

でも、パチンコは天文学的な数字の勝負事なんだ。

緻密な計算が要求されるし、経営者側の営業スタイルを見抜いて大金を稼ぐチャンスもある。

客に勝たせないと、みな離れて行ってしまうからな、お店も玉の出が甘い日も作ってあるだろうさ。

パチンコが好きで好きで極めたい、だからパチプロをやるんだって気概の人間なら、尊敬すらする。

けど、フクちゃんの彼氏はマシンを使っていた。

あの若さでズルをするようでは、将来期待はできない。

大切な友人を任せられないと判断して、やめとけって言ったまでだ。」


友人F「!そこまで見抜いていたのか…。」


私「パチプロを恋人にするなとは言わない。

けど、稼げてせいぜい月10万円だ。

パートナーになった時、必ず生活費から持ち出しされる羽目になる。

それでも全然構わないというほどの経済力が女の方にないと、カツカツした生活に嫌気がさして、結局ダメになるんだ。

フクちゃんは、まだ高校生だ。

たとえ社会人だったとしても、それは難しい。

男を養ってやるぐらいのものがないと、無頼の男と一緒になっても幸せになれない。

だからやめとけと言ったんだ。」


友人F「お前、なんでもお見通しだな…。

アタシの事、バカにしてんだろ…。」


私「バカにしていない。

人を好きになるというのは、素晴らしいことだ。


人を好きになれるフクちゃんは、心が豊かな女性だと私は思っている。

ただ、傷ついた姿を見るのが忍びなくて、余計な忠告をしただけだ。


人を好きになるのに、理屈なんかない。

誰が、いつ、どうやって恋に落ちるかなんて、誰にも分らない。

恋は誰にもとめられない。

ただ、いつもうまくいくとも限らない。

それが切ないね…。」










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