母「しんじゅちゃん、ちょっとこっちおいで?」


私「なにぃ~?」


母「お洋服、そのままでいいから、こっちいらっしゃい。」



お風呂場の脱衣所で服を脱ぎかけていた時、母親が一階にある、部屋へと私を呼びました。

そこは普段、母と赤ん坊の弟が眠る部屋で、すでに布団が畳の上に敷き詰めてありました。

布団を踏みしめて、母親の側に行くと、私に服を脱ぐようにといいます。


全身素っ裸になった私を見て、母親がブツブツ言っています。



母「一応ね、確認しておこうと思って…。

どう?しんじゅちゃん、お父さんにキックされたところを見せて?」


私「ここぉ~。」


母「…う~ん…。

蹴られた跡は見えないわねぇ。

お尻に蒙古斑があるぐらい…。

う~ん、でも、こんな小さな子が嘘をつくとも…。

ねぇ、しんじゅちゃん、お父さんに痛い目にあわされたの、他にどこがあるのか教えてちょうだい。」


私「おててと~、あんよと~、オマタと~、あたま。」


母「頭?頭も叩かれたの?」


私「ほっぺもたたかれたよ?」


母「頭見せて…って、髪の毛フサフサでなにもわからないわねぇ。

ねぇ、しんじゅちゃん、頭叩かれたのは、ぽかんって感じ?

バシッって感じ?

ガツンって感じ?」


私「ぽかん?」


母「軽く叩かれた感じの事よ?

丸めた紙で叩かれたとか、ちょっとかすった感じね。

あんまり痛くない感じかしら?」


私「うぅん、すごく痛かったよ?」


母「じゃ、バシッって感じ?」


私「バシッ?」


母「さっきの、ポカンよりちょと強い感じよ。」


私「うぅん、ちょっとじゃないよ。

すごくいたかったよ?」


母「じゃ、ガツンって感じ?」


私「がつん?」


母「頭の中がグラグラしちゃう感じで。

キーンっていう金属音がしちゃうくらい、強く痛い感じね。

目の前に火花が散るような感じ。」


私「ひばな?」


母「赤や青や黄色の小さな光が目の前に見える感じよ。」


私「あぁ、ガツンだよ。

いっぱいひかりみえたよ。」


母「…そう。頭を強く叩かれたのね。

他には?」


私「髪の毛ブチブチいって、とれた。

あたま、がんがんたたかれた。

おくび、いたくて、たいへん。」



母親は再び、私の頭を覗き込んで髪の毛を撫でた。



母「う~ん、髪の毛はたくさんあるから、ちぎれたかどうかまでは分からないわね…。

ねぇ、しんじゅちゃん、おかあさんに嘘ついてない?」


私「うそ?」


母「おかあさんに構って欲しくて、お父さんが乱暴をしたって、報告しているのかしら?

おかあさん、ちょっと信じがたいわ。」


私「しんじゅちゃん、うそついてない。」


母「弱ったわねぇ~。

そうよねぇ、まだそんな知恵のつく子じゃないわよねぇ。

でも、それだと、お父さんがとんでもないことをしている事になるし。

ちょっと、この子が大げさに言っているだけなのかしら?」


私「しんじゅちゃん、うそついてない。」


母「う~ん…。

それじゃ、しんじゅちゃん、お父さんに痛いことされて、その後どれくらいの間、痛かった?」


私「えっとぉ、いちにち、ににち、さんにち、それよりたくさん。」



私が指折り数えても、よっつ以上の言葉を知らなかったため、説明がうまくできなかった。



母「う~ん、少なくとも3日以上は痛かった、ということか。

赤ちゃんが生まれる前だから、もう3週間以上前なら、もし叩かれたとしても、薄いアザなら消えちゃうわねぇ。

暴力があったとしても、軽いものだった…ということかしら。

やっぱり、この子が大げさに言っているだけかしら。」


私「しんじゅちゃん、うそついてない。

しんじゅちゃん、ぽんぽいたかった。」


母「…そう。

それじゃ、しんじゅちゃん。

お父さんに痛いことされた次の日は、どんな感じだったかしら?」


私「しんじゅちゃん、おてあらいでチーしたの。

チー、まっかっかだったの。

しんじゅちゃん、いたくて、ないちゃったの。

おかあさん、どこってないてたら、おとうさんがパンくれたの。

うっく。」


私はその時の事を思い出して、目に涙を浮かべてしゃくり上げ始めました。


母「チーが真っ赤…。

まさか、血尿…。

ね、しんじゅちゃん、お手洗いでおしっこしたら、赤色だった、ってこと?」


私「うん、おしっこ、あかいろだったの。」


母「それは、少し赤かったってこと?」


私「うぅん、ぜんぶ、まっかっかだったの。」


母「それで、お父さんはなんて?」


私「おとうさんは、いしゃにはつれていってやれないからなって。


おなかがすいているだろうから、ぱんたべろって。

それで、しんじゅちゃん、ぱんたべて、おねんねしたの。」


母「医者には連れて行ってやれない…。

知ってて…。

ねぇ、それで、しんじゅちゃん、お父さんに痛い目にあわされていたとき、他に痛いところはなかった?」


私「しんじゅちゃん、たすけてっていったの。

そしたら、おとうさん、アンヨをひっぱったの。

しんじゅちゃん、おててがバリバリいったの。

おててのさきが、あつくて、いたかったの。」


母「指先ね、ちょっと見せて。

…何これ!

爪が、爪が全部割れてる…。

気付かなかった…。

こっちの手も、両方とも、ほとんど全部割れているわ…。

どうしたら、こんな事になるの…!」


私「しんじゅちゃん、おとうさんにやめてっていったの。

そしたら、おとうさん、アンヨひっぱってしんじゅちゃん、さかさま。

あたま、がんがんたたかれて、ひかりいっぱいみたよ。

ほっぺもあつくて、おまたもがんがん。

おとうさん、しんじゅちゃんのこと、きもちわるいっていって、どっかいっちゃった。」


母「逃げ出す子供を引きずって、逆さ吊りにして痛めつけていた…って事?

しんじゅちゃん、この爪、どうやってこうなったの?」


私「たたみにバリバリしたの。」


母「畳に爪を立てて、引っ掻いた、という事…。

なんて、恐ろしい…。」


母親は自分の両手で自分の腕を抱き抱えるような仕草をして、ブルブルと震えていました。


母「…確認しましょう。

しんじゅちゃん、お父さんのお部屋についてきてくれる?」



私は慌てて、洋服を少し着て。

二人して、階段を上り、父親の和室へと入りました。

まだ、畳を張り替えて間もない、新鮮ない草の香りが少しだけ残っている部屋の明かりをつけると。


緑色の畳に、放物線を描くように、引っかき傷が残っていました。



母「…この傷。

お父さんが、しんじゅがいたずらをしたんだ、と言っていたけど…。」


私「ほら、ここ。

ここにおててをおいてたら、ばりばりってひっぱられたの。」



私が畳の爪痕に、自分の手の先を合わせてみせると、母親は顔面蒼白になっていました。



母「…いたずらじゃない。

それで、両手の爪が全部割れるような事を、子供がするわけがない…。

この子の言っていることが、真実なんだわ…。

恐ろしい…。」


私「おかあさん?」


母「出ましょう…。」


私「うん。」



二人して、和室を出て、階段を降りていきます。

母親は気が動転してか、足元がおぼつかなくて、何度かふらつきながら、階段を降りていきました。


再び、布団が敷き詰められた一階の部屋に戻ります。



母「いい?しんじゅちゃん。

おかあさん、おとうさんに確かめに行ってくるから。

先にお風呂に入っていなさい。

お風呂が嫌なら、もうこのまま寝てしまいなさい。」


私「おかあさん、おかあさんといっしょに、ねんねしていい?」


母「…そうね、今日はおとうさんと一緒の部屋で寝なくていいわ。

多分、お父さん、遅くなるでしょうから、しんじゅちゃんは、今夜、ここで寝てもいいわ。


おとなしく、待っていなさいね。

お母さん、確かめに行ってくるから…。」











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