私「…私、なにか、悪いことを言った?」


私は不安になって、彼から体を離します。


すると、彼は苦笑して、もう一度自分の方に、私を抱き寄せます。


ミ「ごめんね、不安にさせた?」


私「不合格って…?」


ミ「ん、いや、こっちの話…。

おいで。」


私「ねぇ、ミカエル…。

私、あなたに嫌われた?」


ミ「いや…。

ちょっと、急すぎたかな…って思ってね。」


私「何が?何が急すぎたの?」


ミ「ん、いや…。」


私「だって、私のことを残念だって…。

もしかして…。

花嫁失格…ってこと?」


ミ「ん、いや、そういう意味じゃないんだ…。

ただ、反動が来るだろうな…と思ってね?」


私「何の反動?」


ミ「いや、今は君が知ることではないよ。」


私「…なんなの?

あなたたち、いつも肝心なところでだんまりだわ。」


ミ「今はまだ、知る時ではないって事だよ。

私の花嫁さん。」


私「…私のことを嫌いになったわけじゃないのね?」


ミ「こんなに愛おしいのに?

おかしなことを言うね。」


ミカエルは緑色の瞳を細めながら、私のほおをなでました。


私「おかしなことを言うのは、あなたの方よ。

睦言(むつごと)にしては、意味深過ぎるわ…。」


ミ「ふふ。

私の奥さんは、賢明だ。」


今度は、私の漆黒の髪の毛の感触を楽しむように、私の頭をなでました。


私「…からかって!」


ミ「ほんとに、この怜悧さに、誰も気づかない…。

もったいないね。」


私「?何の話?」


ミ「君はね、これから変化する。

これから大勢の人間を導くことになるだろうよ。」


私「私が?何をからかっているの?

そんな事、ありえないわ?」


ミ「どうして?

どうして、ありえないって思うの?」


私「だって…。

だって、私は何も取り柄がない人間ですもの。

もし、人を導く事ができる人間なら、とっくの昔にそうしているはずだわ?」


ミ「今まではそうでなかったから、これからもありえない、と言うんだね。」


私「そうよ。」


ミ「それは、『今までどおり』が続いたら、成り立つ話だよね。」


私「?えぇ、そうよ。」


ミ「ではもし、『今までどおり』の生活が続かなかったら?

通常ではありえない事態が発生したら?

その時、君はどうする?」


私「…どうするって…。

そんなの、その時になってみないと、分からないわ?」


ミ「じゃ、どうなるか、分からないじゃないか。

それでは、君が人を導くことになる可能性は否定できないことにはならないかな?」


私「でも、ありえないわ。」


ミ「ありえない、はありえないのではないかな?」


私「言質(げんち)をとるつもり?」


ミ「ふふ。

ねぇ、君は覚えていないだろうけどね。

私はね、君を生き永らえさせるために、たくさんの犠牲を払ったんだよ?」


私「?」


ミ「君はね、私の元に飛び込んできた。

約束どおりに…。」


私「それは一体…。」


ミ「君はね、私を乗り越えていかなきゃならない。

私を踏み台にして、大天使へと成長していく。」


私「ミカエルを踏み台に?

どういう意味?」


ミ「君はね…。

君はね、私よりはるかに強大な魂を持っているんだよ。」


私「意味が分からないわ。

私は…ミカエルと離れるのは嫌だわ。」


ミ「今の君には、ちょっと早すぎたかな…。

こうして、二人でいられるのも、もうちょっとかな…。

おいで、私のかわいい人。」








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