講師の方の誘導で、瞳を閉じて、意識を集中していきます。



ガイドさんを呼び、姿を現してもらいます。

事前説明で、人間とは限らないよ、と聞いていたので、暗闇に現れたのが、普通の日本人男性で、ほっとします。



名前を聞くと、『加藤』と言われます。



ライトベージュ色の上下のツナギ?を着た、やや細身でやや長身の中年男性です。

髪の毛はかなり短くて、5分刈り、肌は日に良くやけた顔で、なんとなく四角を連想する顔立ちです。



どことなく、講師のTさんに似ている感じがしますが、まぁ、それも私のフィルターの結果だろうと思って、ガイドさんの外見はあまり気にしないことにしました。



彼にレトリーバルの場所に連れて行ってもらうと、場面転換。



真っ暗闇の中に、白いベッドが浮かびあがって見えて、その中に若い女性が瞳を閉じて横たわっています。



歳は30代前半か半ば、といった風情で、艶やかな黒髪を肩のあたりで一つにしばって、胸のあたりまで伸びています。



左頬にひとつ、ほくろがあって、それが印象的でした。



白いベッドは、簡素な金属製の白い塗装が施された、病院のベッド、という風情で。

薄い布団の中に横たわっている女性のパジャマも、どこか昭和のテイストが漂う薄いピンク色の花柄のものを着ていました。



講師の方の誘導で、周りの状況をよく観察してみて…的なアナウンスが流れますが、イマイチ知覚がしっかりしません。



時々、病院らしき建物が見え隠れするのですが、基本的に真っ暗闇の中に、ぽつんと白いベッドがある、そんな情景です。



どういう状況か、確認してみて、というアナウンスが耳から聞こえてきます。



ガイドさんに尋ねる、というより、情報の塊が頭の中に来る、という感じで受け取ったイメージとしては。



彼女は病院での麻酔事故により、昏睡し、そのまま亡くなった。

名前は盛岡?森川千鶴さん、というらしい。

彼女は自分が亡くなったことに気づいていない、というものでした。




自分としては、過去に何度もレトリーバルを経験していましたので、割とライトな案件が回ってきたな、とその時は思ったのですが…。




私はまず、彼女と対話をしようと考えました。



そこで彼女が眠っている、顔のすぐそばのあたりの布団をフワフワと押すような感じで、その人の目を覚まさせようとしました。



…正直に言うと、自分のコンディションも悪かったのですが。



その場にいても、なにか意識がうまく保てないのです。



白いベッドに横たわっている女性を眺めているだけのつもりが、絶え間なく、意味不明のビジョンやら音楽が流れてきます。



白いパンタロンの人が走っている。

赤い折り鶴。

レトロなレンガづくりの地下鉄の階段を慌てて降りる。

『赤いりんご』の歌が聞こえてくる。

黄緑色のチカチカしたネオン。

『oriviya』

針を落とすタイプのレコード盤。

レンガづくりの壁面の通路の階段を駆け登る。

(オールドファッション的な)茶色のドーナツ。

病院の窓ガラス。

カフェ。



(なんだっけ、なんだっけ!なんか、今、私、困ってる。

ヤバイ、レトリーバルに来たけど、これじゃ、レトリーバルできそうにない!!



目が回るぅ~!意識が保てないっ!

(@Д@;

はうぅ~、えっとぉ、えっとぉ、さっき講師の人、何か言ってたよねっ!?

困ったときには、ヘルパーさんに助けを求めるのも大事だってっ!

そうだっ!ヘルパーさんに助けてもらおうっ!!)




私「加藤さん、頭、思いっきり叩いてくださいっ!」




バコーン!と加藤さんが、勢いよく、私の後頭部を叩いてくれました。



一瞬、めまいがしましたが、なんとか意識は保てそうです。



(あぁっ!なんか、ヘルパーさんの使い方、私、間違ってると思うっ!!)

(☆。☆)




私「ちょっとっ!加藤さん、これ、どうしたらいいのっ?」



加藤「彼女を起こしてくれ。」



私「はっ!?起こすっ!??」



(なんで、そんなん、あんたがやらんのっ!?)



と、思いつつも。



(亡くなった人の意識に対して、ヘルパーさんより、肉体を持った人間の方が波長が合いやすいとかさっき聞いたから、やっぱ、私の方が適しているってことなのねっ!?



えっ!?ってか、亡くなった人って、その時の状況とか、心理状態に縛られて、意識がまるで悪夢を見ているような状況だったりするから。



そこへ、肉体を持った人間が、違和感を感じさせて、悪夢から覚ます、的なイベントだと思っていたけど。



亡くなった状況で、意識不明の人を、いったいどうやったらいいのよっ!?

とにかく、体当たりだわね。┐( ̄ヘ ̄)┌)




もし、目が覚めた時、見知らぬ中年女性に体を触られていた、としたら、きっと彼女も不愉快だろうと思った私は、とっさに看護師の格好を意図しました。



デザインもかなり古め。

ひざ下までの長さの、メリハリの少ない、ワンピース型のナース服に、ちゃっかり今時はあまり見かけないナースキャップを被っております。



黒いアメピンでナースキャップを髪の毛に留めて、髪の毛も黒髪にチェンジ。

こういうところのディティールに一瞬で切り替えられるあたり、コスプレが役に立っているな、っていうか、これもコスプレか、なんて思いながら。



そこで、私は、眠っている彼女の肩をポンポンと手で叩いて、起こそうとしました。



両手で両肩をつかんで揺さぶっても、起きません。



私「もしも~しっ!起きてください~っ!!

検温の時間でぇ~っすっ!!」



とか、やっても起きまへんがな。

おもむろに布団を引っペがして、体を横向きにさせて、背中をゴシゴシとこすります!

女性同士だから、いいよねっ??



私「起きてくださ~いっ!

大丈夫ですかぁ~っ!!

検査の時間ですよ~っ!」



対象者、ガン寝。

起きません。




私「ちょっとぉっ!

そこのヘルパー!何か手伝いなさいよぉっ!!」



背後を振り返って、私が怒鳴ると、加藤さん、涼しい顔して両腕を組んでこちらを眺めています。



加藤「そこは、創意工夫で。」




キッと、彼をにらめつけつつ、彼女の背中や腰をゴシゴシとこすっております。



そんな、一つ間違うとセクハラっぽい事をしながらも、私の脳裏にさきほどの意味不明のビジョンとか、音楽が流れてきて、気持ち悪くなります。

(><;)




そうこうしていると、講師の方のガイダンスが耳に流れてきます。



レトリーバルしている対象の情報を拾うように、的なアドバイスが流れてきますが、私の対象者は死んだように眠ってます。



っていうか、死んでるけど。

気づいてないけど。



どうすりゃいいんじゃ、これ。(-"-;A



講師の方のアドバイスがいろいろ耳に入ってきて、なんか、佳境に入った感が伝わってきます。

ちょっとちょっと、時間が押してきているよ、このままじゃ、レト失敗だよっ!



あぁ~ん、頭の中、イミフな映像と音楽が流れてきて、気持ち悪いんじゃぁ~っ!!



って、ハッ!

これって、彼女の夢の中の映像って事?

意識が混濁して、脈略が、イマイチつかみきれていないけど、彼女の人生で印象に残っている場面のツギハギっ??



講師の方のガイダンスで、亡くなった人にとって、大事な人が誰かをたずねてみて、的なアドバイスが聞こえてきた瞬間、ひらめいた!



彼女を仰向けに戻した状態で、おもむろに布団に両手をついて。



「おかぁさぁ~んっ!!」




と、叫んでみた。

どんな人間でも、とりあえず、一番大事な人は、お母さんっしょっ!!

結婚しているかもだけど、もしかしたら子供に叫ばれたと思うかもでしょっ!!



すると、彼女がパチっと瞳を開いた。



すると、すかさず、加藤さんが笑顔で歩み寄って来て。

彼女は夢見るような表情で、ベッドからスラリと降りると、加藤さんの腕に自分の腕を絡ませた。



加藤さん、さっきまで、作業着っぽいツナギだったのに、いつのまにかスーツ姿にこじゃれた帽子まで被っている。

『男はつらいよ』の寅さんかよ。(←古い)



瞬間、彼女は古めかしい、ワンピース姿のうら若き女性の姿に変身して。

カフェの香り漂う空間に、いつのまにか三人ともいた。



ってか、私、眼中ナッシング。

加藤さん、彼女の腕を取り、当然って感じで二人して歩き出す。

足元に、ふわっとスミレの花が可憐に咲いている。



いつの時代だよ、どんな少女趣味だよ。

昭和だよ、きっと私が生まれるちょっと前ぐらいの昭和のテイストだよ。



あっ、この二人、恋人(もしくは恋人のフリしたヘルパー)だったのか、と合点がいって。

そうか、さっきのイミフなビジョン、デートの風景だったんだ、と納得がいって。



そのまm二人して、どこかの扉を抜けて出て行きました。




講師「なぜ、今回の対象者の元に、自分が連れてこられたか、ヘルパーさんにたずねてみましょう。」




ってか、いねーよ。

もう、消えたよ、加藤。



暗闇に、私、一人ぽっちだよ。

納得いかない。




私「ちょっとぉ~!

加藤さん、出てきてよぉ。」




加藤さん、おもむろにどこでもドアよろしく登場してくれた。



加藤「あぁ~、ごめんごめん。

でも、ちょっと時間ないから、少しだけね。

おつかれ。」



私「おつかれ、じゃなくて。

どうして、私が今回の対象者の元に選ばれたのか、そこを聞きたい。」



加藤「あ、そこは適当。

たまたまね。」



私「…。」



加藤「ま。一応初心者じゃないしね、ちょっと難しめの課題にしといた。」



私「…。」



講師の方の、意識をこちらへ戻してください的な、ガイダンスが聞こえてきて。



これも、やっぱり、私の自我フィルターを通した結果なのだろうか…という一抹の不安を抱えつつ、意識をセミナー会場へともどしたのでありました。








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