扉を開けると、そこは日本庭園だった。


私「ふむ、どうやら、北の扉を開けたようだな。
日本庭園に出たぞ…。」


田中「あぁ。」


後ろから、白いウサギ(不細工)の着ぐるみを着た男、田中(仮名)が着いて来た。

一応、ヘルパーらしいが、私はそれに頓着していない。

私は、ざっと周りを見渡し、自分の捉えた光景を確かめるように眺める。

ごく、普通の日本庭園に見えた。

大きな松の木がうねるように枝を伸ばし、その下には緑色をたたえた、池があり。

その池を取り囲むように、岩石の合間に植物が植えられている。


私「…。」


普通だな、と思った。

なんてことない、ごく普通の日本庭園に見て取れた。

どっかで見たことがある風情の、これといって特徴の無い、嫌味のない感じの日本庭園で。

どちらかというと、簡素で素朴なしつらえて、個人的には好ましい感じがした。

私だったら、こんな日本庭園があったら、いそいそと甘いお菓子とお茶を楽しみに、なんてことない日曜日にピクニックにでかけたくなる。

かしこまった感じもしないし、どことなく、庶民的な感じがして、庭師の芸術性とか、そういうんじゃなくて、普段着のままで楽しめそうな日本庭園だな、と思った。


なんで、こんなに、私好みの庭園なんだろう…。


そこに、ちょっと奇妙な違和感を覚えたのだが、ふと足元を見ると、白い楕円形の玉砂利がたくさん転がっていた。


私はしゃがみこんで、その一つの石を手に取って、しげしげと眺めていた。

スベスベした手触り、細かな粒子がまとわりついていて、粉っぽい感じ。

さすがに口に含む気にはなれないが、確かに石の感触がある。

元を見渡す限り、同じような大きさ、質感の、やや勾玉型をした大ぶりの白い玉砂利が敷き詰められていて。

一つ一つ、手に取って、感触を確かめていた。


田中「…おい、まだ見るのか?」


私「あぁ…。
なんか、気になる。
なんか、嘘っぽい気がするんだよな。」


田中「…おい、まだか?」


私は、ミニスカート姿でちまっとしゃがみこんだまま、石を一つつかんでは、落とし。

つかんでは落とし、を繰り返していた。

その落下音を聞いたり、風の流れる様を観察したり。

日光に照らされて、暖かくなった石を手のひらで握ったり、開いたり。


大理石っぽいかな、玄武岩とかじゃないよな、御影石みたいなものかな、とか。

完全に石に興味を持ってしまって、そっちに集中してしまった。


その様子が、だいぶ、ヘルパーの田中(仮名)をイラつかせてしまったようだ。


田中「…おい、もうそろそろよくね?」


私「我慢しろっ!
私は一つのことが気になったら、気になって仕方がない性分なんだっ!」


田中「お前、これ、共同探索っ!
チームワークっ!!
それ、分かってんのっ!?」


私「あぁ?」


田中「お前、そんな枝葉の事にこだわるんじゃなくてさ、もっと全体を見ろよっ!」


私「安心しろ、ここでの体験は全て記憶する。
意識、無意識の両方でな、できる限りの体験をデータとして保存する。
無駄な経験など、一つもない。」


田中「…!お前な…。」



すると、ひらたんさんのガイダンスが聞こえて、天気はどうですか?とか、そんなのが聞こえて。

私は立ち上がって、ぐるりを周りを見回す真似をする。


視界が明るいので、天気がいいような気がしていたけれども、どっちかというと、花曇りの天気のようだ。


緑が多いが、特に花は咲いているようには見えないけれども。

すっと先端が尖った葉っぱみたいのが見える気がして、菖蒲の花とかが生えているのかもしれないな、と思った。

どことなく、微かに甘い香りがする気がする…。


私「あ、そうだ。
これ、共同探索だった。」


田中「そう。だから俺のアドバイスを…。」


私「そうだ!
誰か、他にも日本庭園に来ている人がいるかもしれない。
これだけ目立つ格好していたら、気づいてくれるかもっ!?
じゃっ!」

田中「お、おいっ!?」

私は白いスニーカーで日本庭園内を猛ダッシュをしてしまった。

夢中で走り回っていたら、意識をセミナー会場にもどすように、とひらたんさんのガイダンスが聞こえた。


私はちょっと首を揺すって、水道橋のセミナー会場に意識を戻した。









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