ヨ「お前んとこの親ってなんか、こう、しぼりとれるだけしぼりとるっていうか、そんな感じするな…。」



私「時給単価を決めるのは雇用主なのだ。

労働者の環境を改善するには組合が必要だが、うちら兄弟の足並みが揃っていない。

よって、労働環境は改善されぬまま、理不尽な社会構造の縮図が、この八百屋にはあるのだ。(兄の受け売り)」



ヨ「…何言ってんのかイマイチわからねぇけど、要は親が一番エライって話だろ?」



私「要するに、そうだ。

なんかあるとすぐ『養ってもらっているクセに生意気言うな』って言われる。

強権発動だ。」



ヨ「狂犬?犬をけしかけられんのか?」



私「いや、こっちの意見無視で、無理を通されるってだけ。」



ヨ「あ~あ、あるよ、それ。

ウチも、『子供が生意気言うな』って奴な?

理屈ムシすんなよって思う。」



私「まぁ、なんか大人の事情ってやつがあるんだろうな。」



ヨ「あ~あ!

いいよな、大人はっ!」



私「なんかな。子供って不自由だよな。」



ヨ「ん、あ。

そうだ、で、アイじゃなくて、誰にやらされてんだ?」



私「イジワル女子たちにだ。」



ヨ「アイもイジワルじゃん。」



私「アイちゃんはイジワルだが、基本的に実害が無い。

口での攻撃には「コイツ、殴ったろか!」と死ぬ気で思うけどな。

あの子は自分の手や服が汚れるのが嫌なだけのおしゃれ女子で、宿題をやらせてくるのは、ほんとにひどい奴らなんだ。

妥協策として、宿題を手伝っている。」



ヨ「アイ、なんて言ってくんだよ。」



私「『私、ピアニストになるから、重たいもの持てないし、お母さんにもそう言われているの。

先生にもお母さんからお願いしてあるから、ゴミ箱とかムリなの。

その点、しんじゅちゃんは八百屋の娘だし、草むしりとかゴミ運び平気でしょ?

ゴミ捨てなんて、低脳のメス豚にはぴったりの仕事じゃない。』

とかな。

女じゃなかったら、殴ってる。」



ヨ「殴っていいよ、ソイツ。」



私「手を出した方が負けだからな。

いつもそんな感じで。」



ヨ「アイツ、ほんと性悪だな。」



私「おしゃれ女子のリーダーだけどな。」



ヨ「で、他の奴らに何されてんだよ。」



私「体育倉庫に閉じ込められたりとか。

和室の床下に閉じ込められたりとか。

器具庫におしこめられたりとか。

女子トイレに閉じ込められて水かけられたりとか。」



ヨ「オイオイオイオイ!

あっ!そうか、お前時々服が濡れてたのはそれだったのかっ!

なんでコイツ水に濡れて授業受けてんだろうって思ってたんだよ。

雑巾くせーとか周りに言われてたのは、そういう事かっ!

先生に言ったれよ!」



私「関知しないって言われた。」



ヨ「は?カンチ?」



私「関わらない、知らなかったことにするって意味だ。」



ヨ「要するにムシか。」



私「要するに無視だ。


こないだなんて、チェーンでトイレに何時間も閉じ込められて濡れた雑巾がアタマから直撃してびしょ濡れになってた。バケツも使ってたかな。」



ヨ「えっ!

それでお前どうなったんだ!?」



私「周りが真っ暗になってて、どうしてもドアが開かなくてガタガタ震えてたら、用務員のおじさんが助けてくれた。」



ヨ「えっ!オレ、それ全然知らなかった。」



私「そのままお父さんが学校まで迎えに来てくれて、そのあと病院に行って、何日か寝込んでたから。」



ヨ「あっ!こないだの風邪ってそういうワケだったのかっ!

それじゃ、さすがに親も学校に文句言ったんだろ?」



私「お父さんは怒ってたけど…。

自分では言えないし、お母さんは、アタシが生意気な事を言ったりやったりするからいじめられるんだろうって。」



ヨ「へっ!?」



私「病院に行くハメになった自分がかわいそうだってあきれられた。

こっちは仕事で忙しいのに、なんでしんじゅの尻拭いをしなきゃならないのって。」



ヨ「えぇっ!?」



私「私、目から液体がぽたぽた出てきて、ガマンしようと思っても、喉からひぃーって声が出てた。

それ聞いて、お母さん、うんざりしてたみたい。


『いいわね、子供は病気になっても寝ていればいいんだから。

生活の心配がなくてうらやましいわ。

あてつけがましく泣かれてもこっちが迷惑だわ』って。」



ヨ「えぇっ!なにそれ!

お前家の手伝いもやってんじゃん、なんだそれ!?」



私「私、ほとほとと声を殺して泣いてたよ。

アタシのいったいどこが悪かったのか、頭がグルグルになっちゃった…。


『それでも泣き止まないなんて、性悪な子だわ。

お母さんは何も悪くないんですからね、恨まないでちょうだい。

病院代を払って、こうして寝ているお前の面倒をみているんですから、感謝しなさい』って…。」



ヨ「えぇっ!なに、それ。

お前の母ちゃん、オカシイぞっ!?」



私「お父さんはそれ聞いて、カンカンに怒ってたけど。

先生に直接文句も言えず、病気が治ったら学校行けってだけ。


…アタシ、お母さんに嫌われちゃったのかなぁ…。

お母さん、いつも優しかったのに…。

ワケが分からないよ…。」










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