ヨッちゃんは、私の話を聞いて、腕を組んで考え込んでいました。


私は、自分の言った言葉に自分でショックを受けて、しょんぼりしてしまい、二人共完全に宿題をする手が止まってしまっていたのでした。



ヨ「…よし!お前の話、もっと聞かせろ。

オレはあんまアタマ良くないけど、それはオカシイって感じる。

子供だけど、できることあるはずだ。

まず、お前のされたこと、全部話せ。

そこから作戦を考えよう。」



私「!ヨッちゃん、前向きな意見だ。

アタシ、思いつきもしなかったよ、さすがだ!」



ヨ「え?前向き?」



私「あぁ、やられたからといって、そこで諦めない。

まずは現状把握のための情報収集をし、そこから打開策を導き出すための資料とする。

実に前向きかつ、建設的、かつ堅実な方法だ。

さすが、長男、ヨッちゃんはリーダータイプだな!」



ヨ「え?えっと、お前の言ってることよくわかんねぇけど、とにかく褒められたって話だよな?」



私「あぁ、ヨッちゃんには、包容力がある。

そして、優しい、やっぱりお兄ちゃんタイプだなって話だよ。

頼りになる、ありがとう。」



ヨ「お、おう!任せとけ!」



私「うふふ。やっぱりヨッちゃんも下に兄弟いるからリーダーっぽいんだろうなぁ。」



ヨ「そうか?へへ…。

で、お前にイジワルしてくる女子、何をしてくるんだ?」



私「いじめてくるのは二種類いるんだ。

一つはミオちゃんと小竹みたいに、ちまちま暴言吐いたり、刃物を仕込んでくるやつ。」



ヨ「は?刃物?何それ。」



私「画びょうとか、カッターの刃を椅子や教科書に仕込んでくるんだよ。

靴の中とかはいつも先にふらないといけない。

画鋲がザラザラこぼれ落ちてくる。」



ヨ「はぁ…。そんな鉄板のいじめ、まだあったの…。」



私「いったいどこで仕入れてくるのか、大量の画鋲があちこちに仕込まれている。

たまに、他の生徒が間違われて、椅子の上に置かれたのを踏んじゃって痛い思いをしているけどね。

っていうか、小竹が気に入らない生徒の椅子にイタズラして仕込んでんだ。

本命は私だけど、まぁ、飛び火的な?被弾?みたいな感じ。」




ヨ「あぁ…。なんか見たことある気が…。ただのイタズラかと。」



私「あぁ、靴は先に警戒できるけど、椅子とかはなかなか…。

うっかり座ると太ももに刺さったりするし、ミオちゃんなんかは、自分の手に仕込んで強く手を握ったり腕を押してきたりして、出血する。」



ヨ「えっ!?先生に言った?」



私「見せたけど、『蚊に刺されただけだろう』って言われた。

『痛いのはお前のカンチガイだ。』って。」



ヨ「…オカシイ、何言ってんだ?」



私「実際に痛いんですと言っても、知らない、幻覚だと言って取り合ってもらえないんだ。

それで、授業中に教科書とかノートをめくるとそこにカッターの刃がしこんであって、指先を切ったりする。

筆箱の中にもな。

すると、ミオちゃんや小竹がクスクス笑っているんだ。

実に不愉快だ…。」



ヨ「お前、それ、親に…。」



私「見た目は地味だけど、皮膚を突き破って1cm近く金属が刺さるんだ。

痛くてしかたないのに、ヨードチンキ塗っておしまい。

子供は回復が早いからって…。」



ヨ「はぁ…。」



私「それで、これはまだマシな方で、もう一つのグループの奴らがヤバイ。」



ヨ「まだマシ…。」



私「姑息女子5人組で私を誘い出して罠にかけるんだ。」



ヨ「罠…。」



私「『しんじゅちゃん、体育倉庫の裏に、野良犬が子犬を産んだみたいだよ?とってもカワイイの見に行かない?』っつって、人気のない体育倉庫に連れ込まれて、拉致、監禁。

いくら泣き叫んでも誰もこなくて、助けてくれた用務員のおじさんが神に思えたよ…。」



ヨ「…そうか、集団でグルになってお前をだましにかかったんだな…。」



私「そう、そして、今度は『野良猫が軒下に子猫を産んだみたいだよ?鳴き声が聞こえるから確認しに行かない?』って。」



ヨ「ん?お前、同じ手に引っかかったのか?」



私「あぁ、そして今度は『どこかのお家で飼われていたと思う、とてもキレイな迷いインコが器具庫の中に紛れ込んでいるらしいよ?』って。」



ヨ「はぁ、迷いインコ。」



私「そうして次はリスが…。」



ヨ「ちょっと待て。お前、そんな怪しい奴らに何度はめられてんだ!?」



私「ふぅ、動物ネタでは計4回。次はイタチがとか言われたけど断った。」



ヨ「ちょっと待て、ちょっと待て、お前ナニ何度もだまされてんの?」



私「だって、子猫だよ?子犬だよ?可愛いんだよ?」



ヨ「いやいやいやいや、子猫や子犬が可愛いのはわかるけどな、お前、だまされすぎだ!」



私「だって、生まれたての子猫だよ?子犬だよ?ふわふわで可愛いんだよ?」



ヨ「いやいやいやいや、お前、だまされるのにも、ほどがある。

最初はしょうがねぇよ、でもせいぜい2回までだろ。

なに四回もだまされてんだよ!」



私「だって、セキセイインコだよ?キレイな青色の羽してんだよ?」



ヨ「いやいやいやいや、だからだまされすぎなんだって!」



私「だって、イタチだよ?ひょろっとしてて、かわいいじゃないか?」



ヨ「いやいやいやいや、イタチが可愛いかどうかは、微妙だけどな?

お前、なんでだまされてんの?バカ?」



私「だって、生まれたての子猫に子犬だよ?お母さんいなくてお乳なくて死んじゃうかもだよ?

助けてあげなくっちゃ。」



ヨ「いやいやいやいや、姑息女子からの話だから。

まず疑え。乗るな、そんな話。」



私「だって、動物の赤ちゃんだよ?ふわふわのもこもこだよ?」



ヨ「…お前、勉強できるのに、てんで動物に弱いな…。

アイツらやるな、お前の弱点完璧に見抜いている…。


…なぁ、知ってっか?

最近、学校の裏手で、鹿が見つかったらしい。

運良く出歩くと、鹿の親子が見えるらしいぜ?」



私「えぇっ!!

それドコっ!!

ヨッちゃん、教えて、一緒に行こうっ!!」



ヨ「たわけかっ!!

ここは平野部だ、田んぼも多い、住宅街で山もねぇのに、鹿が出るわけねぇだろっ!

まだ、狸とか狐の方が信ぴょう性があるわっ!」



私「えぇ~、ウソだったの。

鹿の赤ちゃん、見たかったのにぃ。」



ヨ「猫にマタタビだな、こりゃ。」









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