背後でガタンという大きな音がして振り返ると、先ほどの木嶋先生が着席する音でした。

こちらをすごい顔をして睨んでいます。


二人共灰色のキャスター付きの椅子に腰掛けて、私をはさんでちょうど一直線上の位置に座席が配置されているようでした。



私「あの、先生。

先生に放課後に職員室に来るように言われて来ました。

用件を言ってもらえませんか?」



担「用件は、これだ。

ワタシが教師たちにお歳暮を贈った。

それに対するお前の感想を聞きたい。」



私「え?感想?それが用件だったんですか?」



担「そうだ、5分10分で済む用件だ。

ヒマなお前でもたいした手間はとらせない。

作文が得意なんだ、さぁ、私を感動させるような感想を言え。」



私「あの、私にも用事がありますし、そういう事でしたら、帰らせてください。」



担「すぐだ。

さっさと感想を言えば、帰らせてやる。」



私「感想と言われても…。

よく分かりません。」



担「はっ!お前は本当にバカだな!」



ガタン!

再び、大きな物音がして振り返ると、木嶋先生がこちらを睨んでいる様子でした。



私「…先生、私、お歳暮を贈ったことがないから、感想もなにも…。」



担「実感が乏しいから感想が言えないとでも?」



私「あ、そうです…。」



担「お前の親たちはお歳暮に関わっているだろう?」



私「そうかな…。

よく分かりません。」



担「じゃぁ、一般的な質問だ。

お前のお歳暮に対する認識を語れ。」



私「?

あの…冬はお歳暮、夏はお中元と言って、普段からお世話になっている人に感謝の気持ちを込めて渡すものなんだと思います…。

実情は、よくわかりませんが…。」



担「はっ!?実情ねっ!子供のお前が実情を語るかっ!

小賢しい!」



私「…先生、一応言いましたから、もう帰らせてもらえませんか?」



担「ダメだ!

私を納得させ、心が洗われるような感想を言わない限り帰せないな!」



私「………。

そう、言われても…何を言ったらいいのか分かりません。」



担「ほう、相当なバカだな。

では、ヒントだ。

お前の親は、お歳暮をどうしている?」



私「…お父さんはお歳暮を贈るのは好きじゃないと言っていたので…。

多分、お歳暮もお中元も贈っていないと思います…。

でも、多分、本当にお世話になっている人か、親戚には少しだけ贈っているんじゃないかな…。」



担「ほぉほぉ、親戚や大事なつきあいの人には贈っているとな!」



私「…多分…。」



担「では、最大ヒントだ。

お前の母親はどうだ?」



私「お母さんですか?

お母さんは…。

どうだろう、お父さんがあぁ言っていたから贈っていないと思うけれど。

もしかしたら、やっぱりこっそり親しい人にだけは出しているかもしれません。」



担「そうだな?

お前の母親の親しい人と言えば?」



私「?

お母さんの兄弟とか、親とか、友達なんじゃないかな?」



担「お前バカだな!

学校の付きあいとかもあるだろ?

先輩後輩とか、お世話になっている関係だ。」



私「あ、そうかもしれませんね。

でも、私お母さんの学生時代の友達とか先輩とか、よく知りません…。」



担「バカが!

ここにいるだろ?」



私「?先生が?

あぁ、そういえば、お母さんと同じ学校だったみたいですね。」



担「同じ学校だったみたいですね?

みたいですね?

お前、どんだけ悠長に構えているんだ!

自分が大物にでもなった気か?

この能無しめ!」



私「…先生、もう5分、10分経ったと思います。

失礼させてもらっていいですか?」



担「失礼!

シツレイかっ!

お前の存在そのものがシツレイなんだよ!

ウジ虫が!」



私「…先生、お話はもう終わりでいいですね?

失礼します。」



担「まだだ!

お前はまだ真相を掴めていない!

脳無しのお前に真実を教えてやろうという教師の心遣いが見抜けないカスにワタシの優しさが理解できるまで解放はできんな!

一時間でも二時間でもつきあってもらおうかっ!」











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