警察官により状況確認が行われることになりました。


紙を挟んだ板を私は見上げるようにしていて、警察官は私が答えた質問事項をそこにボールペンで書き込んでいるようでした。



警「お嬢ちゃんが、お父さんに言ったんだよね?

ここの商品がよく棚から消えているって。」



私「うん、あ、はい。」



警「うんでいいよ?

答えてくれてありがとう。

それでは、ちょっと確認したいんだけど、人が来たらチャイムがなる仕組みになっているよね?

君はそれが分かる?」



私「うん、あ、ハイ。」



警「それじゃ、ちょっとやってみせてくれないかな?」



私「うん、ハイ。」



私はタタタッと軽く走り出し、お店と母屋をつなぐスペースの柱の裏に電源装置があるのを見て、オン・オフの仕草をやってみせていました。




警「うん、分かりました。

君は赤外線装置の操作はできるってことだね。」



私「うん、あ、ハイ。」




警「この操作の事でもっと詳しく知っていることがあったら教えてもらえるかな?」




私「あ、はい。


夜、お店が終わったら、電源を切るようにしています。

それも私の仕事です。


朝はお店を開いた時に、お母さんが電源を入れています。

夜は電気代がもったいないから、必ず切るようにと言われれて。


それで、寝る前にも確認するようにしています。」



警「そうなんだね。」



父「だから、コイツが犯人なんです!」



警「ちょっとお父さんは黙っていてくださいね?

それで、お尋ねするんだけど、君がお店にいるときには万引きをする人を見かけなかったんだね?」



私「はい、いつも気づいたら棚から商品が消えていました。」



父「せやから、コイツが嘘をついてるんです!」



私「!」



警「お父さんの事はいいから、質問に答えてくださいね?」



私「う…、あ、ハイ。(泣)」



警「君が担当している時間帯を教えてくれないかな?」



私「学校が終わった後はたいていお店にいます。

それから店じまいするまでが、私の担当です。」



警「学校が終わるのは?」



私「平日なら、早い時は3時半くらいで遅い時は5時ぐらいに帰ってきます。

土曜日なら午後からずっと店番をやっています。」



警「お店じまいするのは何時頃?」



私「夜の七時に終わりです。」



警「夕ご飯は?」



私「お父さんが最初に食べて、それから私とお母さんで3人で交代しながらご飯を食べます。

だから、お互い一緒にはご飯食べていません。」



警「なるほど。

夕方から夜の閉店までが君の仕事で、その間交代するのはご両親だけなんだね?

お兄さんとお姉さんは?」



私「二人が小学生の時は、今の私と同じだったらしいです。

でも、二人共部活があって、帰りが遅いので、もうご飯時で、店番はやっていないです。」



警「なるほど。

君が店番を抜ける日とかはないのかな?」



私「去年までは習い事をしていたので、その曜日だけ抜けていました。

今はないです。」



父「そうや!

コイツ、去年、そろばん塾で金を盗まれとった!

それを根に持って、今、親の金を盗んどるに違いないっ!

そうやろ、しんじゅ!」



私「え…。」



警「お父さんは静かにしてください。」



父「いいや!盗まれとったいうんも嘘や!

きっとそうや!

親をバカにしてあざ笑っとったんや!」



私「ち、ちがう…。」



父「そうや!きっとそん時の悪ガキとつるんで、商品を盗んどったんや!

それなら、説明つくっ!」



父親は、私の目の前に来て、再び強く両肩を掴んで揺さぶってきました。



父「なぁ!しんじゅ、正直に白状しろ!

そうやろ!お前が犯人やろ!

カニ缶を盗んで換金しとったんやろ!」



私「えぇ?ち、ちがう…。」



父「こんだけ優しく言っとっても、白状せんのかっ!

コイツ、痛い目みんと分からんようやなっ!

白状するまで、痛めつけたるっ!」



父親が拳を振り上げたので、私は体が硬直して、目をつむりました。

これから来る、痛みに耐えようとしていたら、警察官が父を押さえているところでした。



警「お父さん、やめてくださいっ!」



父「いいや!コイツが犯人で間違いないんやっ!

そやないと、母親が犯人ってことになってまうやろ!


性根の腐った、こんガキ、わしが始末つけたるっ!

もう40万も50万も持ってかれとるっ!

こないな大金、何に使うかわからんけど、親の事をバカにしとんのやっ!」



警「お父さん、落ち着いて!

気持ちは分かりますけど、小学生には無理です!


一度に大量の商品が短時間で盗まれているんですよっ!

犯人は車を持っているということです。

子供には無理です!」



父「なんやて?

そんなん、自転車で大人数で盗みに来よったら、小学生でもできるわっ!

相手は中学生かもしれん、そいつらをコイツが手引きして盗み出しやったんや!」



警「お父さん、無理です!

大人数の小中学生が店先にいたら、騒がしくて目立ちます。

こんな短期間に何度も盗みに入られて目撃者がいないという事はありえません!

犯人は子供ではなく、大人です。」



父「そんなん、分からんがな!

コイツが不良と手を組んで、車を乗りよる奴に商品を横流ししとったんかもしれへんが!」



警「そうかもしれませんが、いくらなんでも小学生を疑うのは無理があります!

犯行は日中に集中しています。


お父さんもおっしゃっていたじゃないですか!

午後1時に見た時にはあった商品が、午後1時40分には消えていたと。

それは短時間に犯行が行われているということです。


小中学生が何十人も自転車でお店の前に横付けしてて、店の人が気づかないはずがありません。

必ず犯人は車を犯行に使用しています。」



父「知らんがなっ!

そんなの、コイツがセンサーの電源を切って、犯人を引き入れとるんやっ!」



警「待ってください!犯行の時間帯には、この子は学校に行っています。

共犯者になるのは不可能ですよ!」



父「そんなん、コイツが授業をサボっとったら出来る話や!

ちょっと抜け出して一時間や、時間を示し合わせてこの店先で落ち合って、電源を切っとる!

そうに違いないっ!」



警「落ち着いてください、お父さん。

この店から小学校まで子供の足では往復1時間近くかかってしまう。

授業を抜け出したら、学校から保護者に連絡が入るはずです。

逆に言えば、子供たちが犯人ではないとう証拠になります。」



父「そんなん知らんがなっ!

コイツが教師とグルになって、アリバイをかたっとるんちゃうか!」



警「無理がありますよ!

学校をサボっていたら、絶対に目立ちます。

保護者に連絡が必ずはいりますから!

この子を疑うというのなら、学校をサボったという警告があった時にだけにしてください。

学校からなにか連絡が入った事実があったんですかっ!」



父「無いわ!

そんなん、コイツが親が寝静まった夜中に人を招き入れとった!

そんで、気づくんが昼間になっとっただけやった!

それやったら、小学生でも犯罪できるわっ!」



警「それこそ、それだったら、誰にでもできます。

もしこの子が犯人だったら、それこそお父さんに話さずずっと黙っているはずですよ!

とにかくこの子一人を疑うのはおかしいですよ!

落ち着いてください。」



父「ワシの店やで!?

ワシがコイツを犯人やと決めたら、それが絶対や!」



警「犯罪を取り締まるのは、我々の仕事です!

邪魔をしないでください!

とにかく、この子を殴るのはやめてくださいっ!」









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