その日は一人居残りをしていて、理科室で用事をすませていました。


普段なら、同じ通学団の子たちと帰るところでしたが、今日は自分一人になっていたのでした。


1月にしては珍しく、日差しが温かく、風もなく。


どことなく、ほのぼのとした雰囲気の中、全ての用事をすませて、自分の教室に戻り、席へと戻った。

入口には、鍵が半分かけた状態でぶら下がっており、残っている児童は私一人なのでした。


窓際の暖かい席に着席して、ランドセルを机の上に置いた、その時にドアがあいて、サヨちゃんが入ってきました。


サヨちゃんのワンピースを切る切らないの事件は11月の出来事でした。

あの後、学校に出てきたサヨちゃんはクラスのみんなに取り囲まれていて、とても私の声をかけられる雰囲気ではなかったのでした。


以来、彼女とはまともに会話などをしていない状態だったのでした。



私「あ…。」



サ「しんじゅちゃん、今、いい?」



私「え…いいけど、もしかして、私の事、待ってたの?」



サ「…うん、ちょっと伝えたい事があって…。」



私「あ、うん…なに?」



なんだか、サヨちゃんの顔色が悪いのが、妙に気にかかりつつ、憧れの少女に声をかけられて私は内心有頂天になっていました。



サ「あのね…。

お父さんに強く言われててね…。

どうしても、しんじゅちゃんに伝えたい事があって…。

でも、その前に、ちょっと聞きたい事があるの…。」



私「え?あ、うん、ナニ?」



サ「あのね…。

先生に、服を切るように言われて、一週間位、私、休んじゃったでしょ?

…あの後、学校に来たら、みんな声をかけてくれたんだけど…。

しんじゅちゃんは、声をかけてくれなかったから、ナゼかなって…。

それが知りたいの…。」



私「え…?あ、それは、その、なんていうか…。

だって、サヨちゃんを心配して、みんなたくさん声をかけていたし…。

なんだか、そうしたら、声をかけづらくなって…。」



サ「でも、もう一ヶ月以上経つけど、どうして声をかけてくれないの?」



私「え…?

え、あ、だって…。

あんな辛い思いをしたのに、時間が経ってから声をかけたら…。

あの時のことを思い出して、辛い気持ちになるんじゃないかって…そう、思ったら、なんとなく…。」



サ「う…。」



サヨちゃんは、口元に手をあてて、少しうめきごえを出しました。



私「え?あの、サヨちゃん?大丈夫!?

なんだか、顔色が悪い気がするけど…?」



サ「いいの!気にしないで!こっちの話!

…はぁ、それじゃ、もう一つ聞くね…。


時間がたったとか、そういうの気にしなくていいから。

あの出来事を見て、しんじゅちゃんは、私のことをどう思った?」



私「え…?あの、質問の意味が、いまいち、よく分からないんだけど…。」



サ「いいの!お願いだから、正直に言って!

アタシと先生のトラブル、どう思ったのっ!

そこが知りたいのっ!」



私「あの…あの…なんで、そういう事を聞くのか、よくわからないけれど…。」



サ「いいから!答えて!真相が知りたいのよっ!!

お願いっ!?」

 




サヨちゃんは、体をくのじに曲げて、搾り出すように声を出したのでした。





私「あ、あの…なんで、サヨちゃんが、そんな必死なのか、よく分からないけれど…。


あのトラブルがあって、アタシ、サヨちゃんの事を…。


サヨちゃん、あの後、高熱出して、何日か寝込んだって聞かされて…。


私、サヨちゃんの事を助けてあげられなくて、ごめんねって思った…。」




サヨちゃんは、口に手をあてたまま、私に聞こえるかどうかの小さな声でつぶやきました。



サ「…う、ナニこの子。

気持ち悪い…。」









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