サ「そう、しんじゅちゃんのせいじゃない。
しんじゅちゃんは、しんじゅちゃんでいるだけなの。
周りが勝手に傷ついちゃうの…。」
私「そんな…。」
サ「違うのよ、本当は担任が悪いのよ?
でも、もう深く考えたくなってしまうの。
しんじゅちゃんが、先生と戦っている時、なんて自分は無力なんだろうって、気持ちがしぼんでしまうのよ…。」
私「そ、そんな…。」
サ「馬場くんとお話してみたら、あの子もしんじゅちゃんのことを尊敬しているって。
できれば手助けしたい、でも、怖くてなにも考えたくないって…。
古橋くん、黒木くんもそう、今までしんじゅちゃんがかばった子たちは、ちがう意味でしんじゅちゃんを怖がってしまっているのよ…。」
私「知らなかった…。」
サ「私、お友達だった子たちに、しんじゅちゃんの事を聞いてみた。
そしたら、あの子はバカだとか、下品だとか、私の悪口を言わなかったのも、自分が悪目立ちしたいだけの迷惑な子だって言ってたわ。
まるで、先生と同じ事を言うの。
私、気づいたの、あの子たち、しんじゅちゃんを悪く思うことで、自分を守っているって。
この子が悪いから、先生にいじめられて当然なんだって。
だから、なにもしない自分はなにも悪くないって…。」
私「それは洗脳だよ!先生が悪いんだよ!」
サ「そうね、お父さんもそう言ってた。
しんじゅちゃんが、強ければ強いほど、誰の手助けも届かなくなる。
同年代の子供たちには、とても無理だろうって…。
それは子供たちのせいじゃない、しんじゅちゃんが特別だからだって…。」
私「そんな、それも私のせいじゃ…。」
サ「…私、見ちゃったの。」
私「え?」
サ「しんじゅちゃん二学期の通信簿をもらった時、開いて歩いていたでしょ?
その時、のぞいちゃったの。
しんじゅちゃんの通信簿には、3や4が並んでいたわ。
5が少しあったくらい。
そんなバカなっ!って思ったわ。
だって、クラスの上から5番目ぐらいの成績だったのよ!?
減点されてても、それだけの点数をとっていたのに、なんでって思ったわ。」
私「内申が低いからでしょ?」
サ「そう、しんじゅちゃんは、自分の通信簿を見て、平気そうな顔をしていた。
こんなもんかって感じの、どこかホッとした表情をしていたの。」
私「うん…。」
サ「いつも、この子、こういう扱いを受けていたんだわって衝撃だった…。
私よりいつも点数がよかったのに、あんな成績はありえないって…。
なんで、私はこの成績だったのって思ったら。」
私「サヨちゃんのおじいちゃんは、公務員だから、もう先生は狙ってこないよ。
サヨちゃんは、おじいちゃんに守られている。」
サ「お父さんも、そう言ってた。
あの先生は相手を見て、態度を変えてくるから、おじいちゃんの名前を出したのはお前を守るためだって。」
私「……。」
サ「私には、耐えられそうもないの…。
だから、しんじゅちゃんに、ずっと声をかけられなかったの。
自分がみじめに思えるから…。
どうしようもない、クズに思えてしまうのよ…。」
そうつぶやいて、サヨちゃんは、泣き出してしまった…。
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