私は自分の頭を撫でながらすぐ隣に座っている兄を見上げていました。



兄「何言ってんだろ!俺。

これじゃ『ライ麦畑でつかまえて』じゃないか!(笑)」



私「はぁ?何?」



兄「そういう名前の小説があるんだよ。」



私「ふぅ~ん?なんだか妙なタイトルね?」



兄「あぁ、そうだな。

これも主人公がタイトルを間違えて覚えているからそのセリフになってて、そのままのタイトルになっているんだよ。

さすがだな、そこに気づくセンスの良さは。」



私「そう?」



兄「あぁ、現代社会の汚らしさに辟易している少年の物語でさ。

結局、実家にいた妹の愛情に触れて、落ち着くっていう話なんだけど。」



私「ふぅん?」



兄「なんだか、兄と妹の精神年齢が逆転しているみたいな話なんだよ。

随分年下の妹の懐の深さに、年長の兄の心が癒される…。

子供の純粋な愛情が、傷ついた少年にとって、一番の薬になった…っていうだけの話なんだけどな。」



私「他に理解者がいなかった、という意味なの?」



兄「あぁ、その通りだ。

少年はさ、多感な年頃でまわりの大人の嫌らしさに嫌悪感を抱いてさ。

不器用なんだけど、ナイーブでもあってさ。

そういう一切合切をなにも事情を知らないハズの妹が全て埋めてくれるのさ…。

まるで母親みたいなんだよ。」



私「そうなの…。」



兄「あぁ、推薦図書でいずれお前も読むことになると思うよ?

社会風刺がきいていて、名作と言われている。」



私「うん、分かった。

でも、今、あらすじを聞いちゃったから、読書感想文を書くのは楽そうね?(笑)」



兄「くすくす、俺のセリフ、真似するなよ?(笑)」



私「くすくす、未来のことですもの、その保証はできないわ?」



兄「こいつ!要領いいな!」



私「クスクス、それは賢い兄を持つ、妹の特権です!」





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