私「え?私のため?」



兄「そう、お前のための発言のしかたなんだ。」



兄はそう言ってほほえむと、私の頭の上に手のひらをぽんと置いて、それからふたたび話し始めました。



兄「俺の口調の変化に気づいていたのか…。

さすがというべきか、どうか…。」



兄は自分の両手を組み、少しうつむいてから、目をつむり、なにかを思い出す仕草をしてからふたたび語り始めました。



兄「…お前が小学4年になって、しばらくたった頃の事だ。

俺は異変に気づいた。」



私「ん?何?」



兄「お前が担任にこんな事を言われたんだけれど、と姉ちゃんに話したら激怒されていた。

その後、姉ちゃんは母ちゃんに、しんじゅがこんな事を私に言ってきた!と怒りをぶちまけてて。

母ちゃんと姉ちゃんは二人して、しばらくお前と口をきかなくなったことがあった。」



私「…あぁ…。」



兄「俺は最初はちょっとした姉妹のいさかいだと思っていたんだ。

しかし、姉ちゃんの怒り方がハンパない。

だから俺はお前に聞いたんだ、姉ちゃんに何を言ったんだ?と。」



私「うん。」



兄「お前はこう言った。


『担任の先生に、お前の姉は中学二年生らしいな。

初体験はいつで、何人の男を経験しているんだ?』と聞かれたと。


気持ち悪かったけれど、意味がよく分からなかったからお姉ちゃんに聞いたらめちゃくちゃ怒られたと。

涙目で俺に話していた。」



私「うん。」



兄「俺は最初、なにかの悪ふざけかと思った。


しかし、姉ちゃんに叱られてしょげているお前を見る限り、嫌がらせで発言したのではないと思えたし。

何より、それはお前の語彙にない言葉だった。


お前を昔からよく知っている俺からすれば、お前が意味を知っていて姉ちゃんに言ったとは考えにくい。

だから思ったんだ。


お前は単純に意味を分からずに姉ちゃんに質問しただけだと。

姉ちゃんはしんじゅをタチの悪い人間でふざけた嘘つきだと怒りまくっていたけれど、そうじゃない。


真実お前の担任がお前にそう言ったんだと。」



私「私は嘘をついていないよ?」



兄「そう、お前は嘘をつくような人間じゃない。

普段の姉ちゃんなら、それに気づけるだろうが、なにせ微妙な年頃の思春期だ。

性的な言葉に嫌悪感を持つし、理性的な考えを巡らすよりも、なによりその発言は生理的に受け付けなかったんだろう。


お前を叩いて、ののしっていた。

しまいにはホウキで叩き出す始末だ。


そして母ちゃんに告げ口をしに行った。

姉ちゃん的には無理もないが、お前にしてみれば災難な話しだ。


母ちゃんを味方につけた姉ちゃんはお前を無視してかかるようになった。

お前はしょざいなげに、一人でしょんぼりしていたのを覚えている。」



私「あぁ…。」



兄「母ちゃんと姉ちゃんはしんじゅの事を悪く言って、家庭内で無視するようになった。

お前がどんな事情でそんな発言をしたのかと、考えを巡らせることなく、一方的にお前を悪者にした。


しかし、俺は別の意味で戦慄を覚えていた。


あれは意味が分からない相手に、大人が言うようなセリフじゃない。

対子供への発言ではない、しかも、相手は教師だ。


俺は直感した。

お前の担任はサイコパスだと。」







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サイコパス(少女時代84ー22)

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