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広岡くんは、はっとした表情をして、それからうつむいて、小さな声で言いました。





広岡「そう言ってもらえて、ありがたいんだけど…。

僕より、犬飼君の方が、適任だったんじゃないかな…って思うんだ。」(´_`。)





私「え?」





広岡「犬飼君は、いつも自分の意見をはっきり言うし、他の子も、犬飼君のことを頼りにしているし…。

僕が今回、このクラスで学級委員になったけど、以前委員会で一緒したことあったけど、会議でも発言をハキハキしていて、かなわないなって思ってたんだ。

今回の出来事も、最初から上田さんが怪しいってわかってたみたいだし、僕なんて…。」(ノ_-。)





私「広岡君、人それぞれだよ。

犬飼君はたしかにリーダーシップがあるし、勉強も運動も得意で目立つ子だ。

物事をすぐに決めれて、仕事が早いけど、ワンマンになりやすいタイプだ。



広岡くんは、なにか揉め事があったら、両方の意見を聞こうと考えるタイプで民主的だよ。



どっちもどっちの良さがあるんだから、私は平和的な広岡君みたいな人も大切だと思う。」





広岡「でも、僕には犬飼君みたいな、カリスマ性がないんだ…。」(ノ_-。)





私「困るよ、カリスマだらけになったら。



リーダータイプもいれば、人の意見に従うのが苦にならない子もいる。

いろんなタイプがいるんだから、民主的に平和的に過ごすには、フェアな目線の人がいないと成り立たなくなる。

犬飼君は優秀すぎて、できない子の気持ちが分からない。



独断でどんどん進めて心強いところもあるけど、全体のことを見ているとは言えない。

あの子はキラリと光る存在でいてくれればいいし、広岡君みたいに、みんなのことを考えてくれる子がいてくれて、両方いるからいいんだ。



今の学級委員は広岡君なんだから、自信を持って。」





広岡「しんじゅさん…。

迷惑かけた僕のことをなぐさめてくれるなんて…。

僕は今回のことで、自信を失っちゃったんだよ。」(ノ_・。)





私「うぅん、広岡君、これから私が言うのは、同情からの気休めや、なぐさめでもなんでもない事だから、心して聞いてね?



上田四季子ちゃんのやったことは、誰にも予想がつかない出来事だったんだ。



何回も彼女のお世話をしていた、犬飼君でも、大人で大学で教員の教育を受けていた担任の赤木先生でも、見抜けなかった。

それぐらい、強烈な出来事で、上田さんの言動に踊らされている人間はたくさんいるし、それを自分だけが気づけなかったからといって、自分を必要以上に責める必要はないんだよ?



あれは、特殊な例なんだと思う。

だから、自分を責めないで。」





広岡「特殊な例…。

あの子が特殊だっていうの?」





私「そう、多分。

ちょっと、こっちの、普通とは違う、別の価値観を持った人間なんだよ。

普通なら、次はこう動くだろうっていう予測がまったくアテにならない。

あの子は特殊な子どもだったんだと思うよ?」





広岡「そうか、特殊なのか…。」





私「そう、だから、誰もが振り回されることになったんだと思う。



私も、あの子と何ヶ月か一緒に過ごしたけれど、それでも、あの子が何を言っているのか理解できなかったんだよ。

気づいた頃には、もう、上田さんの独壇場になってしまっていて、私が何を言っても後手に回ってしまっていた。



そんなくらいなんだから、広岡くんが気づけなくても無理はないんだよ?

予備知識があったわけでも、親しくしていたわけでも、なんでもないんだからね。」





広岡「気づけなくても無理はない…。」





私「そう。

赤木先生も、上田さんとは、この数ヶ月のつきあいしかないし、もし、気づけるとするなら、何年も同じ学校に通って、何度も同じクラスになったことのある犬飼君くらいだったんだよ。

その彼も、結局、広岡くんと同じ考え方をしてしまっている。



あれは誰にも手出しできない。

自分が気付けなかったからと言って、気に病む必要はないからね。」





広岡「しんじゅさん…。

ありがとう。」。゚(T^T)゚。











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