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赤木先生は放心したような表情で、背もたれに自分の体重を預けるしぐさをした。

心底疲れきった、その時の情景を頭に思い浮かべて、追体験しているような風情だった。



その表情には、どこか、かすかな安堵感さえ漂っていたのだった。





私「あきらめたんですね。」





赤木「そう、俺はあきらめた…。

上田に常識を求めるのをあきらめてしまったんだ…。



お前の事を悪く言っているという自覚を、お前の母親のことを呪わしい存在だと勘違いしているということを認めさせることができなかった…。」(;´Д`)





私「そうですか…。」





赤木「…ほんとにお前たちは対照的な子供だった。

共通点といえば、見た感じや、背格好が同じで、なにを考えているか分からなくて、友達が少ない。



それだけで、中身はまったくの真逆。



子供たちから事情聴取をしていて、最初はみんな遠慮して、ちょっとしか話さなかったが、次回からはみな饒舌になっていた。



そこで、お前たちの評価は真っ二つにわかれていたんだ。」





私「はい。」





赤木「上田は、実は目立たなかっただけで、あちこちでトラブルを起こしていた。

それも、どうやら原因は上田にあったらしいが、それも本人無自覚の様子だ。



それにひきかえ、お前は友達こそ少なかったが、お前のことを好意的にみている子供が多い…。



小林先生もおっしゃってみえた。

事件を受けて、前年度の同級生たちに話を聞いてみたら、お前のことを信頼しているという児童がかなりいたそうだ。



しんじゅのことを始め、疑っていた小林先生は、驚いたそうだ。



他の児童は、しんじゅが悪いことをするはずがない、それはなにかの誤解だと、強く言う。

中にはなにか困ったことになっていて、手助けできるなら協力したいと申し出る子供もいたそうだ。

そんな子供が何人もいて、ここまで心を通わせることのできる子供はなかなかいないと感心したそうだ。



俺のところにも、直談判に来た子供が何人かいたんだ…。

お前には助けられたとか、クラス外にお前のことを信頼している友達がいて、そんな奴じゃないと擁護してくる感じで…。」





私「え…。先生に直接いいに来てくれた子がいたんですか…。」(*・ω・*)

(上島君や、小島さんが先生に直接言ってくれたんだ…。)





赤木「自分が困っている時に、何も言わずに手助けしてもらったことがあったとか、無口だけど親切にしてもらっていたとか、そういう話がチラホラでてきたんだ…。」





私「そうだったんですか…。」





赤木「上田は自分が自分がと、我を通すタイプだったが、お前は控えめな人間というだけで、悪い奴でもなんでもなかった…。

むしろいい奴だったんだ…。



お前がおとなしいのをいいことに、上田はやりたい放題、言いたい放題にしていただけで、お前はまったくの無実…。



自分を傷つけた人間を許すのかと、俺に気色ばんできたがとんでもない勘違いだ。

あいつが勝手に吐き気を訴えていただけで、お前は何もしていなかった。



それが真相だったんだ、俺はそれにまったく気付けなかった、教師失格だ…。」(x_x;)












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