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私「………そう。」



私は毒気を抜かれていました。

四季子ちゃんの言った『分からない』この言葉にウソ偽りはなかったのです。



悪意のかたまりのような四季子ちゃんには、悲しいとかさみしいという感情が理解できない。

良心のカケラもない非情な発言が出る、その理由がわからなかったのですが、彼女にはそもそも悲哀という感情を持ち合わせていない。



それが、妙に納得がいったのでした。





ふと兄のセリフを思い出しました。



兄『…そいつらの葬式にはきっと誰も人が集まらない。

それだけ不義理をしていたんだからな。』





それを思い出して、ほんの少しでも、意趣返しをしてやりたい気持ちになったのです。





私「…きっと、四季子ちゃんのお父さんとお母さんのお葬式には人が集まらないだろうね…。」





四「きゃっはぁ!縁起でもないこと言わないでよぉ!

しんじゅちゃんのお家じゃないんだからぁ!



ウチのお父さんとお母さんが死ぬわけないじゃない!

二人はうんと長生きするんだからぁ、きっとお葬式やるのは、50年とかぁ!何十年も先よぉ!」





私「…そう…だといいね…。」





四季子ちゃんには、身内の死というものがまったく身近に感じとれていないのが、よくわかりました。



おい、今、上田しんじゅの家のことをバカにしていなかったか?

死ぬとかそういう事、やっぱりさっきから言ってるよね?というヒソヒソ声が聞こえてきます。



この大はしゃぎする声に、クラス内の子供たちは、ピタリと動きを止め、息をのみ、完全に私たちに注目をしていたのでした。







四「うぅ~ん、それじゃあ、しんじゅちゃんは、お母さんが死んでさみしいってことぉ?」





私「………。」





四「あっ!それじゃ、いい方法があるよぉ?

しんじゅちゃんに教えてあげる♪」





私「…えっ!?」( ̄□ ̄;)





四「つまり、今まで一緒に暮らしてきたからぁ、二度と会えないのがさみしいっていうんでしょお?

なら、会わせてあげる♪」





私「えっ!?どうやって!?」( ̄□ ̄;)!!





四「簡単よぉ~。

しんじゅちゃんが死ねばいいのよぉ~。

それで、万事解決!うふ、四季子、かしこぉ~い、キャハっ!」ヽ(*´∀`)ノ 





私「………。」





再び血の気が引く思いがしていたのでした。。(;°皿°)



体が動かない、このバカのセリフを聴き続けるのは、もう耐えられない。

逃げなければ、逃げなければ、体が鉛のように思い。



どうやら重度の貧血を起こしていたようで、激しいめまいにも見舞われていました。





四季子ちゃんは、私の逡巡に構わず、パンパンと手拍子を打ちながら、私の体の周りをぐるぐると回り始めました。







四「死~ねっ♪、死~ねっ♪、ホラ、死~ねっ♪、ホラホラ死~ねっ♪、死~ねっ♪

なんで生きてるのぉ?ホラ、死~ねっ♪、ホラ死~ねっ♪



どうちたんでちゅかぁ~?

しんじゅちゃん、お母さん死んじゃってちゃみちいんじゃなかったんでちゅかぁ~?

おっぱいこいちぃでちゅよぉ~♪



ホラ、死~ねっ♪、死~ねっ♪

死んだら、今すぐお母さんにあえまちゅよぉ~♪」





四季子ちゃんは、私の体の周りをぐるりと3周して、そこで飽きたようでした。



私はカタカタと貧血を起こして、椅子の上から動くこともできずに固まっていました。





クラスの中の子供たちは、完全に水を打ったように静かになっていました。



四季子ちゃんの異様な行動に、かたずをのんで見守っていただけで、目玉だけをこちらへ向けて、信じられない気持ちで見ています。



四季子ちゃんをのぞく、全員が寒気を覚えて、凍りついていたのでした。







おい、あれ、なんの冗談?


いや、シャレにならんだろ、相手はしんじゅだぞ?


さっきから、死ねって言ってたような気がしてたけど、やっぱり言ってる…。


なにあれ、上田さんがいじめられてるっていう話じゃなかったの。


なんでしんじゅおとなしく聞いているんだ?


アイツ顔面蒼白じゃね?貧血で動けないんだよ。


誰か助けてやれよ。


やだよ、あんなの怖くて手出しできない。


やっぱ、マジだったんだ、上田キチガイだったんだ…。





私はただただ、椅子の上に座って、カタカタと震え続けることしかできなかったのでした。












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