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私は顔面蒼白でカタカタと震えているだけでした。


対する四季子ちゃんは、手応えを感じなくなった私にものたりなさを感じて、私のおでこを人差し指でツンツンとつついてきます。



四「ねぇえぇ~、しんじゅちゃぁ~ん。

なにぃ、もぉおしまぁい?

なにか言ってよぉ。」



私「………。」



四「えぇ~?シカトぉ?
そんな、つまんないなぁ、四季子。

ま、今日は満足したから、いっか♪

じゃ、いつ家に遊びに来る?」



私「…は?」



四「だからぁ、友達でしょぉ?」



私「…なにを…。」



四「うふふ、だからぁ、しんじゅちゃんおとなしくなったしぃ?

ちょうどよく、調教できたかなって、四季子思うの。」



私「ともだち…。

私を…。

今、死ねって言ってた私をともだち…?」



四「そぉよお?
死にたかったら、そっちでもいいけどぉ?

お母さん死んじゃって、さみしいんでしょ?

四季子、とめないけどぉ?」



私「あなた…なにを…。」



四「う~ん?個人の自由?

そういうの、認めるのって、大人じゃない?」



私「は…。

何を言って…。」



四「んもう!つまり、引き立て役ぅ?

しんじゅちゃんは、アタシの美しさとか、賢さを引き立てる、ちょうどいい座布団なのっ!」



私「それをともだちって…。」



四「そうよぉ?アタシの役に立てれて、光栄じゃない!」



私「アンタ、オカシイ…。

狂ってるよ…。」



四「はぁ?おかしいのはしんじゅちゃんでしょお?

アタシの言うこと、素直にきかないからぁ。

だいたいアタシが友達になってあげるって言った時、生意気に断って、アタシのことをバカにしたでしょお!

自分は障害者のクラスにいたバカのクセに!」



私「は…。

どこの世の中に、死ねってはやし立てる友達がいるのよ…。」



四「ここにいるじゃない。

しんじゅちゃん、そんな事もわからないのぉ?ばかぁ?キャハっ♪」



完全に教室内の空気が凍りついた。

クラスの誰も、もう、四季子ちゃんをかわいそうな被害者だとは思わなくなっていた。



私「四季子ちゃん…。

あなたは、目に見えないけれど、とてもひどいことをした…。

友達だと思っている人の心を踏みにじった…。

四季子ちゃんにとって、もしかして、身内を亡くした友人というのは、私が初めてだったかもしれない…。」



四「うん、そうね。」



私「私の友達だというのなら、一つだけお願いがある…。

家族を、親しい人を亡くした人に向かって、軽々しく死ねとは言わないで…。

悲しい気持ちが理解できないからと言って、死んだ人の事を悪く言わないで…。」



四「えぇ~?お願いが一つって言いながら、二つ言ってるよぉ?しんじゅちゃん。

そんなに覚えられないよぉ。」



私「そう、二つ覚えるのが難しいの…。

それなら、一つだけ。

親しい人を亡くした人に向かって、死んだ人の事を悪く言わないで…。

心に鉛が入ったように、気持ちと心が重くなるから…。

もしかしたら、四季子ちゃんの身に危険がおよぶかもしれないから…。」



四「えぇ~?危険~?なんでぇ?」



私「悲しみの淵に沈んでいる人は、とても繊細でギリギリの状態で生きている。

そんな時に、無神経な発言をしては、何をされるか、わからなくなってしまうよ?」



四「そんなの、非常識な事をしようとする人が悪いんじゃない。

四季子、悪くないもん。」



私「…お願いだよ、四季子ちゃん。

この苦しみを、他の人に味あわせないで…。

この苦しみは、私一人で十分だ…。

私の犠牲を無駄にしないで…。」



四「えぇ?」



私「友達付き合いをしたいというのなら、この条件をのんで…。

以後、親しい人を亡くしたばかりの人の前で亡くなった人の悪口を言わないと誓って…。」



四「う~ん…。

わかったぁ!ま、一応ね!」





私たちの会話を聞いていた子供たちが、いっせいに四季子ちゃんをにらんできます。



やっぱりさっきのは聞き間違いではなかった。

以前は赤木先生にうやむやにされてしまったが、コイツがしんじゅをいじめていたのに間違いない。

気持ち悪い、こいつを叩きだしたい。



そんな子供たちの心の声が聞こえてきました。





私「…私、頭痛いから…。

風邪ひいたかもしれない…。

この部屋、空気悪い…。

うつるといけないから、四季子ちゃん、外の空気を吸ったほうがいいよ…。」



四「えぇ?

アタシ、風邪とかひいたことないから、大丈夫だよ?」



私「いけない。

四季子ちゃんが平気でも、四季子ちゃんの体に風邪の菌がついて家までついて行って、体の弱い美輝お姉さんにうつってしまうかもしれない。

四季子ちゃん、今すぐ手洗い場で手を洗ったほうがいい。

しっかり、流水にそそいで、手洗いしてきて…。

ほら、美輝お姉さんのためだから。」



四「え~?心配しすぎだと思うけどぉ?」



私「夏風邪はこじらせるとやっかいだから、ホラ。

手洗い場に行って。

美輝お姉さんのためにやったって言ったら、きっとお母さんも褒めてくれると思うから…。」



四「う~ん、わかったぁ。」



教室内にいる子供たちの、殺意にも似た敵意を向けられながら、四季子ちゃんはご機嫌で教室の外へと向かいました。



四季子ちゃんが教室のドアを抜けるのと、ほぼ同時にひろみちゃんが戻ってきました。

ひろみちゃんは、手をハンカチで拭きながら四季子ちゃんの様子を見守りながらすれ違いで入ってきました。



岡田「なんや、なんや、上田、注目の的やな。」



私「あぁ…。」



私は机の上に置いてあるファーブル昆虫記の上に自分の両腕をのせて倒れ込みました。



岡田「どないしたん?」



私「頭痛い…。説明は後でいいかな…。」



岡田「そおか?ほな、ウチ、静かにしとるわ。」



私「ひろみちゃん、お願いがある。」



岡田「なに?」



私「今、四季子ちゃんと話をしたくないんだ。

この後の休憩時間もずっと私のそばについていて欲しい。」



岡田「了解。

あの子、めんどいもんな。

顔色悪いで、ちょっと寝とき、しんじゅ。」



私は本の上にうつぶせになりました。


さきほどの四季子ちゃんとのやり取りを思い出して、ぞっとしていたのでした。

もう少しで、私は殺人を犯してしまったかもしれない。


いったいあの子はなんなんだ。

まるで、ねずみをいたぶる猫、まるで蝶の羽をむしり取る、虫の足を一本一本もぎ取る、無邪気な子供みたいな…。

狂気…。



ポン。



ひろみちゃんが、私の頭の上に手のひらをのせました。



岡田「しんじゅ、おまはん、今、余計な事を考えとるやろ。

いいから、頭休めろ。」



私「ひろみちゃん…。

君はなんて、いつも菩薩様みたいなんだろうね…。

ホッとするよ…。」








おしまい。(タイトルはジョジョの奇妙な冒険からのパクリです。)





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